2011年10月31日月曜日

第157号 2011年10月31日


民主進歩党ニュースレター(日本語版)月刊
第157号
2011年10月31日
発行:民主進歩党本部国際事務部

台湾台北市北平東路30号10F
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蔡英文総統選対本部:新北市板橋區縣民大道二段80號
発行人:蔡英文
編集人:蕭美琴


■今月のヘッドライン

◎蔡英文総統候補、10月3-5日訪日、民進党の政策説明
 蔡英文総統候補は10月3日から5日までの日程で日本(東京)を訪問した。
 在日台湾人後援会による決起集会、日本外国人記者倶楽部での記者会見、民主党、自民党関係者と面談、早稲田大学で特別講演などを行った。
 出発前のインタビューで「主要目的は、日本の政界関係者と地域経済問題、安保問題、外交問題その他重要な問題について意見交換することだ。日本は台湾にとって重要な友邦であり、相互信頼関係を強化し、地域の安定的な発展の基礎にしたい。特に今回強調したいのは”台湾コンセンサス”である。これは民進党が今後両岸関係を処理する場合の非常に重要な要素となる。民主的な手続きを重視し、台湾と中国の関係は台湾内部のコンセンサスを結集して、中国との対話にあたる。これは民主主義社会のあるべき姿であり、中国にとっても政権が変わるたびごとに台湾政策が変わる必要がなくなる」と強調した。
 3日夜、在日台湾人の集まりでは「台湾人の対日感情はすでに”台湾コンセンサス”が確立されている」として、台湾人の日本への親近感と友愛の情を強調。原発について台湾のような狭い国土では原発は適しておらず、2025年までの全廃の方向性を再度説明。尖閣などの領土問題については「両国共通の利益を考え、漁業権など平和的に話し合うべきだ」と述べた。
 4日、日本外国特派員協会での講演では日本との関係では、日米安保支持、民主主義という価値観の共有、人的交流拡大、日本との経済関係を軸に環太平洋経済の結びつき強化を強調、対中関係については「北京の指導者とともに互恵、明智、責任ある方式で、平和と発展を共通の言語として、両岸関係を推進してゆきたい」と平和と安定の対話路線を主張、来年の選挙で勝利して責任あるガバナンスを取り戻すことを訴えた。
 5日帰国前の会見では日本の政界関係者との懇談について「台湾としても日本の特別な絆にある隣国であり、台湾人はみな日本に親近感をもっている。これを基盤にして台湾と日本がもっと協力を進め、アジアの将来と戦略的協力のために貢献しうると考える」とした。また日本と共通する社会問題も多く、たとえば高齢化、原発安全性、若者の雇用などについても議論したと明らかにした。
 随行者は30人あまりとこれまでで最大級となった。

◎蔡英文主席、馬英九氏の危険な「両岸平和協定」提案を批判
 19日蔡英文主席はこのほど馬英九総統が提示した「両岸平和協定」なるものに対して「きわめて遺憾なことに馬総統は国の指導者でありながら国の将来をギャンブルの対象とし、不用意に”両岸平和協定”なるものを持ち出した。これは選挙のために、台湾人の将来を政治的な危険にさらすものである」と指摘。さらに党の声明として「台湾人は(1)台湾の主権を犠牲、(2)台湾海峡の現状の変更、(3)台湾の民主主義の毀損、(4)対中交渉における戦略的カードの喪失---という「4つの危険」に直面する可能性たあると警告。民進党としては(1)台湾主権の堅持、(2)民主主義の堅持、(3)平和の堅持(中国が武力威嚇を放棄すること)の「3つの堅持」を主張する」とした。
 また馬氏の主張がその後ころころ変わっていることを受けて、蔡主席は21日に再度意見表明、「台湾は民主主義国家であり、国民が自らの将来を決定する権利は決して奪われてはならない。馬氏は最近になって国民投票にかけてもよいなどと発言したが、これは総統個人の思いつきにゆだねられるものではなく、立法による制度的なものでなければならない。現行<国民投票法>の改正について国民党との間で協議し、本会期中の成立を求めたい」と訴えた。
 また、民進党が実施した世論調査では7割近くが「一つの中国を前提にした両岸平和協定は受け入れられない」という結果となった。

◎蔡英文総統候補、「台湾=中華民国」論を展開
 蔡英文総統候補は、国民党政権が辛亥革命記念日の10月10日を「中華民国建国100年」として祝っていることについて、「中華民国」の定義と解釈を明らかにした。
 8日、高雄での国政演説会で「台湾は中華民国」「中華民国は台湾」という認識を示した。
 その中で「現在の国民党も六十年台湾において民主的選挙の洗礼を受け、台湾の何度かの総統直接選挙を経た。現在の中華民国政府はもはや外来政権ではなく、現在台湾の政府である。国民党は台湾民主主義の中のひとつのプレーヤーである。われわれは国民党も包容し、中華民国の政府も包容することができる。台湾という概念の中に含まれるからである。台湾人はそれを包容し、許すことができる。しかし台湾人が譲れないことがある。それはこの国の主人となり、自分たちで決定することである」と説明。
 9日にはメッセージを発表。「台湾には台湾独自の歴史があり、中華民国100年には台湾は含まれない。中華民国が台湾にやってきた独裁統治を経て、民主化した後、中華民国は台湾という土地および住民と完全に結合し、台湾において新たに生まれ変わった。この国を1912年という時代に引き戻すことではなく、人々を民主主義の将来に導いていくべきである。民主主義こそが台湾を永遠に保つことができると信じている」と指摘した。


◎蔡英文候補、総統選挙活動を本格始動、選対本部や南北縦断演説会を開く
 蔡英文総統候補の選挙対策全国本部が23日、新北市板橋区にオープン、決起集会も6日に鵝鑾鼻(がらんび)灯台から始めて、11日間に南北を縦断するなど、総統選挙活動が本格的に始動した。
 蔡候補は10日、台南市で演説し、八田与一技師の功績をたたえた。
 24日には、女性団体らが主催する政策座談会に招かれ、民進党のジェンダー白書を発表、「女性の政治家の比率を3分の1以上にすること」などの政策を説明した。
 13日には台中市で演説、「台中に国会を移転しよう」という立法委員候補の公約に全面的な支持を表明した。
 また、台湾の15%を占める客家人は蔡候補自身が所属するエスニックグループだが、1日には全国客家人後援会本部が成立した。



目次

◎蔡英文総統候補、10月3-5日訪日、民進党の政策説明
 ■蔡英文総統候補:訪日で日本との相互信頼関係と地域協力の強化目指す 10-03
 ■蔡英文総統候補:台湾人の対日感情はすでに「台湾コンセンサス」が確立されている 10-03
 ■蔡英文総統候補、日本外国特派員協会で講演 10-04
 ■蔡英文総統候補、早稲田大学で講演 10-05
 ■蔡英文訪日終了前、記者会見で成果を説明 10-05
◎馬英九氏の危険な「両岸平和協定」提案
 ■党声明で、馬英九氏の「両岸平和協定」を批判 10-19
 ■蔡英文主席、「馬総統両岸平和協定第二目の釈明」を批判 10-21
 ■7割近くが「一つの中国を前提にした両岸平和協定は受け入れられない」 10-21
◎蔡英文総統候補、「台湾=中華民国」論を展開
 ■蔡英文総統候補:「台湾=中華民国」 10-08
 ■胡錦濤「辛亥革命百年」談話で、中華民国と国民党の存在を否定 10-09
 ■蔡英文候補:台湾には台湾独自の歴史があり、民主主義の台湾は永遠である 10-09
◎蔡英文候補、総統選挙活動を本格始動、選対本部や南北縦断演説会を開く
 ■蔡英文総統候補、八田与一技師の功績を称える 10-10
 ■蔡英文総統候補全国客家人後援会本部成立客家後援總會成立 「客家女性を総統に」 10-01
 ■総統選挙決起集会本格化、6日に最南端でスタート、南北縦断演説会開く 10-06
 ■蔡英文候補:再執政後は立法院の台中への移転を支持する 10-13
 ■蔡英文総統選挙対策全国本部オープン 10-23
 ■ジェンダーの平等と多様性 10-24
◎国民党の失政:司法問題・国際化の遅れ、国民投票法改正封殺、不法資産で図利
 ■陳水扁前総統に対する再審第二審で逆転有罪となったことに対する声明 10-13
 ■米韓FTAで韓国が世界と連結、馬政権は「一つの中国市場」で共倒れ? 10-14
 ■民進党による国民投票法改正案を国民党が拒絶! 10-25
 ■国民党、日本在留資産を横取りした土地で今も不法図利 10-27
◎中央常務委員会報告




◎蔡英文総統候補、10月3-5日訪日、民進党の政策説明

■蔡英文総統候補:訪日で日本との相互信頼関係と地域協力の強化目指す 10-03

 蔡英文総統候補は3日、日本に向けて出発した。5日までの日程で、随行者は30人あまりとこれまでで最大級となった。
 蔡候補は台北松山空港でインタビューに答え、「主要目的は、日本の政界関係者と地域経済問題、安保問題、外交問題その他重要な問題について意見交換することだ。日本は台湾にとって重要な友邦であり、相互信頼関係を強化し、地域の安定的な発展の基礎にしたい」と述べた。
 到着した羽田空港では、在日台湾人らの出迎えを受けた。
 在日台湾人後援会による決起集会、日本外国人記者倶楽部での記者会見、民主党、自民党関係者と面談などを行う。
 日本人は両岸関係に強い関心をもっている。この機会に民進党の対日政策、両岸政策を説明し、理解を得たい。
 特に今回強調したいのは「台湾コンセンサス」である。これは民進党が今後両岸関係を処理する場合の非常に重要な要素となる。民主的な手続きを重視し、台湾と中国の関係は台湾内部のコンセンサスを結集して、中国との対話にあたる。これは民主主義社会のあるべき姿であり、中国にとっても政権が変わるたびごとに台湾政策が変わる必要がなくなる。


■蔡英文総統候補:台湾人の対日感情はすでに「台湾コンセンサス」が確立されている 10-03

 蔡英文総統候補は3日、在日台湾人の活動に参加した。
 蔡候補は次のように述べた。
 台湾人の日本に対する強い親近感はすでに『台湾コンセンサス』と呼べる高い一致性がみられる。台日関係の強化と日本とのFTAを期待し、日本を含む多くの国とアジア太平洋自由貿易区を形成することを希望する。そして「民主主義、自由市場、自由主義」がアジアが平和と安定を維持し、発展するための重要な要素である。
 日本をはじめ多くのアジア諸国は中国の台頭によって衝撃を受けている。ただし台湾には、司法制度、政治体制、社会体制、産業構造などの台湾特殊な問題もあり、それは台湾自身で解決しなければならない。
 中国問題は長らく台湾につきまとってきた。台湾では族群や世代ごとに中国に対して異なる感情と記憶を持っている。それがまた中国に対する態度の違いにもあらわれている。そしてこれまでは半分の民意しか代表しない政策がとられてきた。そこでわれわれは「台湾コンセンサス」の重要性を提示している。これは「もし台湾人の間でコンセンサスがなければ、団結一致しているとはいえず、強い立場で台湾の民主主義を守ることができない」というものだ。
 コンセンサスと団結ができなければ、台湾はまたアジア諸国に対してアジア太平洋地域における平和と安定に対する責任を担う国であることを胸をはっていうことができない。台湾自身が調和された社会でなければさまざまな問題に対処することができない。そこで今回の選挙では、民進党は2つの訴えを提示している。それは対外関係、特に対中関係では台湾コンセンサスを結集する。それは台湾が世界や中国に対する場合に、台湾にとって最も有利な状況をつくることである。民進党はまだ社会の調和と団結を求める。調和と団結がある社会は経済構造の改革を進めやすい。そうすることによって台湾は人材を発掘して、経済・社会問題に対処することができ、新たな雇用を創出して若者や失業者に雇用機会を与え、貧困化や貧富格差をなくすことができる。
 台湾では1999年の台湾中部地震が起こった際、数千人の命が奪われ、多くの人が住みかを失った。しかしそのとき最初に救援に来てくれたのは日本であった。今回の東日本大震災では台湾からの義捐金が世界一で、さらに最も早く迅速に救援にかけつけた。これは台湾人の日本人に対する深い親近感を示すものであり、義捐金募金活動でも民進党は早期に始め、きわめて短期間で8000万元あまり、つまり2億円あまりを集めた。これは民進党自身の政治募金よりも多い額であり、忸怩たるものがないではないが、事実はそれだけ日本への情感が深いということである。
 そのように、台湾と日本の関係は文化、経済、社会などあらゆる面にわたって深い関係にある。そのため、誰が政権を握ろうともこの関係は決して崩れず、深められていく。民進党の前の政権時代には、日本との関係に心を砕いてきた。そして事実、その期間は台湾と日本との関係が最も急速に進展した時期でもあった。馬政権になってから日本との関係は民進党に比べて疎遠になったといえるが、しかし対日関係そのものは引き続き深まっているのである。
 民進党政権時代に、日本は台湾人観光客へのノービザ措置をとり、パスポートを相互承認した。この決定は日本で立法作業が行われたが、それは台湾人にとって特に感慨深いものである。過去の蓄積は政権交代によってひっくり返されることはなく、台湾社会全体が日本および日本人に対する親近の情の深さを示している。
 つまり、こうもいえるだろう。台湾人は日本に対してはすでに台湾コンセンサスを持っていると。今後台湾は日本とともにアジアの問題に対処し、アジア太平洋地域の安保、経済統合、民主化などの問題で台湾は日本とその他のアジア諸国とともに努力していきたい。日米安保条約はまた、この地域の平和の枠組である。民進党は日本との間で持続的な安保対話を進めて生きたい。両国共通の目的と利益はこの地域のバランスと安定、平和を維持することにある。民進党はまた日本との間で、FTAを結び、日本とともにアジア太平洋地域の自由貿易区の形成に力をあわせたい。アジア太平洋諸国の関係が緊密化することで、ともに民主化の問題にも取り組み、議論することができる。そうしてアジア太平洋地域でより多くの民主主義国家が生まれ、より確実な民主的な枠組が生まれることを希望する。。

 会場の日本人から原発について質問が出た。蔡英文候補はこれに対して「日本の震災は台湾にも大きな問題を突きつけた。それは台湾に現存および建設中の4箇所の原発がすべて震源地帯にあり、台湾には原発を発展させる条件がないということだ。台湾は国土が狭く、人口密集地帯の北部に原発が多く、事故になったら逃げ場がない。そこで民進党は”2025脱原発社会”計画を打ち出した。それは2025年までに台湾が3箇所の現役原発を退役させ、第4原発第も代替エネルギーに代える。民進党のこの目標は困難な課題であるが、台湾人および指導者が決意をもって進まなければならない」と述べた。

 台湾と日本の間の領土紛争について蔡英文総統候補は「平和的な方法で現在の問題を処理すべきとの原則だ。台湾も日本も武力で紛争を解決しようとはしないだろう。領土はひとつの観念で片付けられるものではない、それに伴う土地の権利などの問題がある。自身が対外交渉に携わった経験からいえば、紛争にともなう意見対立は共通する利益からまず着手して話し合うことだ。釣魚台(尖閣諸島)などの主権問題はまずは漁業権や領海の経済的利用といった共通の利益から話し合うべきだ。これによって領土問題の対立性が弱まる」と述べた。


■蔡英文総統候補、日本外国特派員協会で講演 10-04

 今日から総統選挙投票日まで3ヶ月あまりしか残されていない。こんな時期になぜ出国し、投票権がない外国人と会う必要があるのかと聞かれることがある。しかし民進党は国際関係をきわめて重視しており、選挙期間中であっても世界との交流を怠るわけにはゆかない。特に日本は台湾にとってこの地域における最も重要な友邦であり、短い間とはいえ 民進党が台日関係を重視しているという誠意を示したいと思う。
 台日間の歴史的・文化的淵源は深く、日本は台湾人にとって特別の地位を閉めている。十二年前台湾が台湾中部大地震に見舞われた際、日本の救難隊は最初に支援にかけつけてくれた。日本が今年三月東北大震災で被害にあった際、台湾人はわがことのように受け止め、台湾の民間の義捐金はあらゆる国よりも多く、災害を分かち合う気持ちが強かった。これほど親近感を持っているということは、両国の緊密な関係を証明しているといえる。
台日の密切な関係は、歴史、貿易、文化、旅行、人的交流によって打ち立てられている。同時にアジア太平洋地域の平和と安定において、民主主義の価値の拡充、経済および繁栄などの共通の利益をもっている。
 世界情勢はますます複雑化し、世界各国はいずれもエネルギー不足、原発安全性、金融危機、成長の停滞、所得の不均衡、高齡化社会、社会サービスコストの増大、非伝統的な安保問題など、国内外のさまざまな問題に直面している。同時に新たな勢力の台頭によって、米国が主導してきた従来の世界秩序に不確定な影響がもたらされている。明らかにこうした変化の要因は国家を超越し、ますます複雑なものになりつつあるのである。これらの問題を解決するには、国際間の多角的・多次元的な協力が必要となっている。
 台日関係の基盤は確固としているが、われわれは双方の関係をさらに強化する必要がある。この方向での仕事を引き続き推進していくべきであり、それぞれの国の内政の影響を受けてはならない。民進党は台日関係強化を重視している。それは前の民進党政権時代に充分にみられたことである。野党になった今でも、台日関係を強化しようという積極的な意思は少しも減じていない。対日関係について、民進党は次のような見方をもっている。

 1. 安保問題:日米安保同盟は東アジアの平和と安定の基石である。台湾はその中に公式的には組み込まれていないとはいえ、同盟の効力と強さは台湾の利害に強い影響をもっている。われわれは信ずる。中国の軍事力の拡張と挑発が目立つ現在、日米の強い同盟関係こそがこの地域の戦略的バランスを維持するものとなる。いかなる国も単一でこの問題に対応できない。軍備競争は誰もが望まない。そこでこの地域において各方面の参加と対話、そして平和と理性にもとづく領土紛争の処理、海上航行の自由の確保、軍事近代化の透明度の確保などが、重要な課題となっている。国防力の整備と自己防衛の決意こそが、平和を維持するものだと確信している。

 2. 民主主義の価値:民主主義と正義は台日社会を結ぶ共通の価値である。民主主義は国民が自由な環境の中で繁栄と発展を追求するための基盤である。日本は東アジア民主主義の先頭に立っており、台湾は成熟しつつある新興民主主義国家である。われわれは内部からの挑戦に直面し、ガバナンスを向上させる必要があるとともに、対外的にはアジア民主主義のネットワークを強化し、民主化を進めている国をバックアップしなければならない。
 3. 経済:台日経済関係は十分密切であり、日本統治時代に台湾のインフラ整備が行われたことで、台湾は前世紀にすでに成長と発展のための基盤を形成していた。この数十年来、台日の工業・経済発展は相互補完的な関係にあり、双方に利益をもたらしてきた。世界が金融危機に見舞われる中、両国の経済も内部的な問題に直面している。それはいかにして雇用機会を増加し、成長を刺激するかといった問題である。外部的にも、経済成長は新興勢力がリードするという趨勢にある。われわれはバランスが取れた経済関係が必要であり、新興市場に依拠してもたらされた経済成長に対しては十分なリスク管理が必要である。たとえば台湾政府が中国とECFAを締結した際、多くの人は両岸経済関係には国際性が欠如している中で急速に統合が進めば、台湾の中国に対する依存がさらに進むことを心配した。そのため、民進党は台湾と日本を含む主要国との国際経済交流関係を強化することを主張した。台日関係は強固な基盤を持っているとはいえ、日本は台湾が周縁化することを防ぎ、台湾を既存の地域統合体制に組み込み、APECを基盤とした自由貿易協定ないしは環太平洋経済協力関係を形成へと進むことが、台日双方にとって有利であると考える。
 4. 旅行および双方の人的交流:数年前にノービザ政策が始められたことで台日間の旅行の利便性が向上し、両国民の距離が飛躍的に縮まった。台湾への日本観光客は、日本のソフトパワー、つまり文化、スポーツ、ビジネス、娯楽、料理、技術などが台湾で大きな力を持っていることを認識した。台湾はまた日本に、いかにしてソフトパワーと公共外交によって国際社会での認知を高めるかを学ばなくてはならない。台湾人は創意開発に努力してきた。今後民進党が再執権した暁には日本の人たちが日本国内でも台湾の映画、音楽、その他の文化商品をたしなめるよう力を入れたい。

 さて、両岸政策について語ろう。この場では台日関係と台湾の選挙について語るのが適切だと思われるが、多くの人が私の中国に対する見方を聞きたがっているのでご説明したい。
 両岸関係において、平和と安定の維持が、われわれの目標である。台湾人が経済繁栄によってようやく獲得した政治的自由と今の生活のあり方を守ることである。われわれはまた人々が台湾の前途を決定する権利を擁護し、台湾の現状のいかなる変更も民主的な手続きを通じて台湾人の同意を得るべきだと考える。
 われわれは台湾海峡の平和と安定の維持を擁護する。これは台湾人への約束であり、地域に対する責任だからである。中国との間で『和而不同、和而求同(和して同ぜず、和して同じくを求める)』との戦略的理解を行うことが、最も現実的なやり方だと考える。
北京は一つの中国原則を台湾政策の基本的な立場としている。しかし、北京側は次のことを理解すべきである。台湾人が外来民族の支配を受け、民主主義を希求し、最終的に自由を獲得した以上は、一党独裁に絶対に反対し、台湾の主権をまた絶対に保持する意思を持っているということである。しかしながら双方の立場の違いは、台湾と中国がともに平和と発展の互恵を求めることに衝突しない。
 台湾ではじめての土着政党として、民進党は台湾がやっと勝ち得た民主主義、自由、人民が国の前途を決定する権利を絶対に死守する。民主主義はイデオロギーというだけではなく、生活のあり方そのものであり、憲法が規定する義務でもある。台湾の総統はこの義務に服しなければならない。そのため、私は台湾コンセンサスというものを提唱した。民主主義と全国民の参加によって、中国と往来するうえでのコンセンサスの基盤である。両岸が対話を行うための前提には、透明でなく、民主的手続きによるものではないものであれば、両岸関係に益するものはないと考える。民主的コンセンサスを背景にしてこそ台湾の多数の民意を基礎にして、両岸の長期的で安定した関係を維持できると考える。
両岸に存在する差異についてナイーブに考えてはならない。しかし同時にわれわれは誠意を尽くせば天地が心を動かされる。もし双方が誠意をもって平和的で安定した交流の枠組を打ち立てれば、眼前の難題はいずれも少しずつ解消されよう。目前の両岸関係の膠着状態は歴史の産物にすぎず、将来はゼロサムであるとは限らない。私は北京の指導者とともに互恵、明智、責任ある方式で、平和と発展を共通の言語として、両岸関係を推進してゆきたい。
 中国側が台湾の選挙情勢を注意深く観察していることは間違いない。かつて彼らは台湾の大型選挙に介入しようとしてきたが、そのたびに逆効果となってきた。台湾の民主主義と国民の選択には自信を持つべきである。選挙の結果は往往にして多くの要素が介在するが、ひとつの政策の成否だけで選挙の勝敗を占おうとすることは誤った態度である。私は中国の指導者に対して、選挙が台湾人に対してもつ意味とは何かについて、もっと柔軟に慎重な態度で直視すべきであるといいたい。そうしてこそ勝者のほうともプラスの交流が可能となるのである。
 事実、今回の選挙において、最も注目されている争点は社会・経済問題である。日本と同様に、台湾は国民の経済、仕事、所得の上での不均衡、社会サービスなどへの切迫感などの課題を抱えている。台湾は日本と同様に、原発の安全問題、将来のエネルギー政策などの問題を抱えている。これらの問題について民進党はすでに2025年までに原発を全面停止することを宣言している。この実現のためには多くの心力を尽くす必要があるが、われわれはまた代替再生エネルギー関連施設を建設する決意をもっている。台日が協力してグリーンエネルギー技術と投資機会を創出することも、今後の両国交流の重要な領域であると考える。
 選挙まで数ヶ月となった今、こうした公共政策が重要な争点となっている。民進党は台湾人に対して、政策的な面で民進党が進歩的で洞察力があるという点を納得させる必要がある。人々のニーズに応えて責任を負っていかねばならない。政権担当については競争力とよいガバナンスを提供する。
 過去から現在にかけて民進党は台湾の民主化とともに成長してきた。八年の政権担当経験および過去三年間の反省と努力を通じて、われわれは再度政権を担当する準備ができている。人々の自信を取り戻すことは容易なことではない。それは少しずつ足を踏みしめていくべきであり、民進党はそれをやり遂げるであろう。
 最近の世論調査によれば、選挙戦は熾烈で、両党の支持率は拮抗している。選挙結果も双方の得票率がきわめて接近すると思われる。しかし確かなことは、台湾人が民主主義に対して強い信念を持っているということである。民進党支持層の情熱と現実性、選挙チームの一致した努力で選挙戦を勝ち取って生きたい。私は自信を持っている。来年の台湾は初めての女性総統を生み出すだろうと。私が勝利することは、台湾社会の進歩と開放の証明となる。民進党は責任あるガバナンスを実現し、国民の支持と自信を結集する。


■蔡英文総統候補、早稲田大学で講演 10-05

 蔡英文総統候補は5日、早稲田大学で講演し、「近代国家の国民は独立した思考を獲得すべきであり、そのためにも個人の独立性と自主性が重要だ」として「民主主義社会では国民のコンセンサスを結集し、さらに行政能力をもった人が国をリードしていくかが、社会における最大の課題である」とした。


■蔡英文訪日終了前、記者会見で成果を説明 10-05

 蔡英文総統候補は5日、日本訪問を終えて台湾に戻る前に記者会見を開き、成果について語った。
 今回の日本訪問では民進党の自信、能力、決意について説明し、来年政権奪回後は台湾海峡の平和と安定の維持に努力し、さらに台・中両国の利益を創造、発展させたい。
4日の講演で述べた「両岸の平和と発展という共通の言語」という点について「日米も台湾海峡の平和と安定を望んでおり、両国は両岸情勢を十分に把握している。そして平和と安定のための両岸対話をバックアップしている」と説明。
 「台湾コンセンサス」について、民進党の前の政権時代には国内の政党とコンセンサスがなかった点について聞かれ、「台湾では十数年にわたって民主的手続きと両岸問題について議論が展開された結果、徐々にコンセンサスが達成されつつある。確かに10年前にはまだ心の準備ができていなかったが、今の台湾人の多くは『社会対立を避けて、台湾として団結して中国に対処するためにもコンセンサスが必要』という認識が進んでいる」と説明。
 また「これまでは国内では違いばかり強調されたが、みんな同じ台湾に住み、土地への愛を持っていて、文化や生活スタイルは共通している点を忘れがちだったが、共通点に着目して対話していくべきだ。必ずしも立法という形式をとる必要はなく、市民参加という過程が重要だ」とした。
 日本の政界関係者との懇談について「日本側は台湾からの義捐金が世界一であることをみんな知っていて、感謝を述べ、親近感が深まったとしていた。台湾としても日本の特別な絆にある隣国であり、台湾人はみな日本に親近感をもっている。これを基盤にして台湾と日本がもっと協力を進め、アジアの将来と戦略的協力のために貢献しうると考える」とした。また日本と共通する社会問題も多く、たとえば高齢化、原発安全性、若者の雇用などについても議論した。
 日米安保体制と尖閣問題について「日米安保はこの地域の平和と安定に寄与している。引き続きこの地域の平和と安定に関心を持ち、関係国も関心を持つべきだ。尖閣諸島については、海底資源の共同利用や漁業権問題などで共通の利益を見出して、対立点を克服すべきだ」と主張した。
 辛亥革命百周年について「孫文の辛亥革命は東アジア史にとって意義があることは事実であり、その点から議論や研究をすることは可能だ。しかしそのために台湾と中国の主権が別であることが曖昧にされるべきではない」として中国側がもくろむ共同記念行事を牽制した。


◎馬英九氏の危険な「両岸平和協定」提案

■党声明で、馬英九氏の「両岸平和協定」を批判 10-19

 蔡英文主席はこのほど馬英九総統が提示した「両岸平和協定」なるものに対して批判を行った。
 国家の指導者が次世代に残しうる重要な財産とは平等に発展する機会と将来を自由に選択する権利を与えることだと信じている。選挙の勝敗は卑小な問題であり、国の将来こそが台湾人の命運に大きく関係するものである。今回の総統選挙はきわめて熾烈な戦いになっているが、争うべきことは台湾の発展と国民生活についてである。しかしきわめて遺憾なことに馬総統は国の指導者でありながら国の将来をギャンブルの対象とし、不用意に「両岸平和協定」なるものを持ち出した。これは選挙のために、台湾人の将来を政治的な危険にさらすものである。
 「両岸平和協定」なるものはきわめて厳粛な問題であって、選挙の材料にすべきものではない。まずは台湾コンセンサスを結集し、両岸の恒久的な平和を構築することが必要であり、単なる政治的な算段で、自らの選挙における小さな利益を獲得するために、全国民の最大の利益を犠牲にするなどもってのほかである。
 そこで現在私はしばし総統候補の身分を措いて、党主席として民主進歩党の厳正な声明を発表する。これは本日の中央常務委員会での議論を経たものである。

 台湾の生存と発展を確保するために、両岸間の平和的な交流を行うことは、台湾人の共通の願いであり、本党が堅持してきた基本的な考え方でもある。過去半世紀にわたり台湾と中華民国の発展、さらに台湾海峡の平和的状態はわれわれが民主主義と人権という主流の理念を守ることによってもたらされたものであり、自己防衛の決意と、国際社会が台湾海峡安定に対してともに期待し構築してきた安定的な平和状態は「平和協定」なる一片の紙切れだけで達成されるものではない。
 歴史的発展を見れば「平和協定」は必ずしも平和と安全保障につながるものではないことは彬から。中国政府はまさに1951年チベットとの間で17条にわたる「平和協定」を結んだが、その後チベットは数十年にわたる中国の政治的・軍事的な圧迫を受け、ダライラマが海外亡命を余儀なくされ、さらに無数のチベット人と僧侶が殺された。つまり「平和協定」の効果なるものは、締結当事者の「信頼度」に基づくものだということだ。今日の中国はいまだに全体主義支配国家であって、民主主義国家ではない。われわれはそこに横たわる潜在リスクと不安定性を無視することはできない。
 そのため民進党は、馬総統がこの期に及んで軽率に「両岸平和協定」なるものを持ち出したことで、台湾人が次の4つの危険に直面すると考える。
 第一に台湾の主権を犠牲にすることだ。中国は最近二人の指導者が相次いで「ひとつの中国の原則の下で、両岸の敵対状態を終結し、平和協定を締結しよう」なる主張を打ち出した。これは両岸問題は中国の国内問題だということであり、「一つの中国」原則の確立を目指したものだ。馬総統は故意か無意識かわからないが、こうした政治的現実を無視して、「平和協定」なるものに雷同し、しかも台湾の主権を堅持するという前提を打ち出さなかった。これではまさに台湾を中国の「反国家分裂法」に規定する「平和的統一」という政治的な術策にはめこむようなものである。
 第二に、台湾海峡の現状の変更につながるということである。両岸政治協定を結ぶ前提としてはまず両岸双方の主権問題を位置づける必要がある。それ自体が過去半世紀にわたり台湾海峡両岸の主権が互いに隷属しないという現状の変更につながるものだ。中国側が「一つの中国」原則に固執するなかで、両岸問題を中国の「国内問題」とすることはこれまで国際社会が共同で維持してきた台湾海峡の現状および地域の安定性の正当性を否定し、中国がいかなる国が台湾に武器を売却することを阻止する大義名分を得ることになる。
 第三に、民主主義を損ねる危険性である・台湾と中国の間でいかなる政治的な協商を行う場合、民主的に権限の授権と「台湾コンセンサス」を前提にしなければならない。馬総統はこうした強い対立をはらむ議題を打ち出し、台湾の前途を政策として、選挙の材料とした。こうした軽率かつ冒険的な手法は民意を無視し、台湾社会に強い対立を生み出すものである。
 第四に、戦略的カードを失うことにつながる点だ。「平和協定」を「黄金の十年」なる政策に含めたということは、つまり10年内に実現させるためのタイムテーブルを示したに等しい。馬総統の政治的操作と粗忽さによって台湾が両岸交渉で持つべきカードを失うことになる。

 民進党は主張する。両岸戦略は互恵であるべきだという考えから、「和而不同,和而求同」の精神を持ち、両岸間で長期的にたえられる平和的で安定した交流の枠組を形成し、成熟かつ穏健な態度で柔軟かつ現実的な政策を立案し、少しずつ安定した相互交流の枠組を打ち立てることこそが、真に平和と発展を確保する基本である。
 そこでわれわれは主張する。両岸は政治的な前提を設けずに、政治的対話を進め、相互理解を進めるべきである。国家の位置づけにかかわる両岸政治協商は次の「三つの堅持」を前提にすべきである:
 一、 主権の堅持:国家主権を堅持し、両岸協商は「一つの中国」なるものを政治的前提にしてはならない。
 二、 民主主義の堅持:2300万人が台湾の前途を決定する権利を享有し、台湾の現状を変更するいかなる政治協商の結論も、台湾の国民投票を前提にしなければならない点を堅持する。
 三 平和の堅持:中国が台湾に対する武力的威嚇を放棄し、武力威嚇の意図を蜂起することこそが真の台湾海峡の恒久的平和の基礎となる点を堅持しなければならない。

 われわれは馬政権に告げる。政治的に敏感な話題をでっちあげて自らの失政を覆い隠そうとすることは責任ある態度とはいえない。両岸問題は穏健かつ現実的な態度で対処すべきであって、拙速であってはならず、ましてや選挙の材料にしたりして、主権および民主主義を犠牲にするようなことがあってはならない。
 そのため、再度強調したいことは、今回の馬総統が提示した両岸「平和協定」なるもの、さらに「黄金の十年」なるマニフェストに入れたことは台湾社会にとって危険なものとなる。馬総統に対して訴える。こうした提案が台湾の主権と利益に大きな損害をもたらすことを認識すべきである。また台湾人民に対しても訴えたい。こうした話題を軽く考えるべきではなく、厳粛に受け止めるべきであると。


■蔡英文主席、「馬総統両岸平和協定第二目の釈明」を批判 10-21

 馬英九氏が両岸平和協定に対して二度目の釈明を行ったことに対して、蔡英文主席は21日、次のような批判を行った。
 17日午後、馬英九総統は「黄金の十年」説明記者会見の中で、「両岸平和協定」なるものを締結し、「10年内に処理しないわけにはいかない」と主張した。
 しかしそれから48時間後に「タイムテーブルはない」と言い方が変わり、さらに20日には「締結しなくてもいい」と発言した。また協定を国民投票にかけるべきかという点も当初は強硬に否定していたのに、19日夜の総統府のニュースリリースでは「先に国民投票にかける」と発表したが、20日朝には馬氏が「世論調査も選択の一つであり、立法院決議でもよい」などと態度が変化した。
 これほど短期間にころころ変わるということは、これが単なる思い付きであり、国際政治、国家安保などを考慮していなかったことを証明している。つまり両岸問題をあくまでも選挙の材料として拙速・唐突に持ち出しているだけであり、馬総統の統治・指導能力に大いに問題があるといわなければならない。
 台湾国民にとっての最大の疑念は、馬総統や国民党が台湾と中国の間で、対等な交渉を行う能力を持っているかどうかである。しかしこの2日前に天津で開かれた両岸両協会の会談では中国側が「もし一つの中国原則の1992年合意を受け入れないなら、大変なことなる」と台湾の選挙に干渉する発言を行った。にもかかわらず台湾側はこれに何も抗議することなく黙っていた。つまり馬政権は台湾の主権を守ろうという意思がまったくない。また双方が締結した「両岸原発安全協定」も中国国内法の適用範囲を台湾にも広げようというものであった。
 民進党は再度明言する。両岸の政治対話は前提を設けないで行うべきである。
もし国家の位置づけについて議論が及ぶならば台湾側は次のことを堅持すべきである。
 (1)主権の堅持:中華民国あるいは台湾は一つの主権独立国家であり、いかなる国家も両岸会談も「一つの中国」を前提にしてはならない。
 (2)民主主義の堅持:2300万人が台湾の前途を決定する権利を持っており、台湾の現状を変更しようといういかなる政治的結論も台湾人の国民投票により決定されるべきである。
 (3)平和の堅持:中国が台湾を武力で威嚇しようという武器を撤去し、台湾に対する武力発動の意思を放棄すべきであり、それでこそ台湾海峡の真の永続的平和の基盤が形成される。

 台湾は民主主義国家であり、国民が自らの将来を決定する権利は決して奪われてはならない。
 馬氏は最近になって国民投票にかけてもよいなどと発言したが、これは総統個人の思いつきにゆだねられるものではなく、立法による制度的なものでなければならない。
 現行<国民投票法>の改正について国民党との間で協議し、本会期中の成立を求めたい。法改正では、行政府が両岸間で政治的協議を行う場合、必ず事前に国民投票に諮って、国民からの授権を受けなければならず、さらに協議の結論も国民投票にかけるべきである。もし民進党と国民党の間で、同法改正について協議が達成されれば、台湾の民主主義はさらに一歩前進し、共に「台湾コンセンサス」を打ち立てる重要なスタートとなる。


■7割近くが「一つの中国を前提にした両岸平和協定は受け入れられない」 10-21

 馬英九氏が最近両岸平和協定構想をぶち上げたことに対して、民進党は同協定に関する世論調査を実施した。
 6割以上の多数が「一つの中国を前提とした両岸平和協定を受け入れられない」とした。また「平和協定を結んでも中国が台湾を侵攻しないとは信じられない」が67.1%、「協定があっても平和と安全が保障されない」が67.2%と、中国側への信頼性に強い疑念が示された。
 調査は10月19-20日に実施、成功標本数1143、95%の信頼水準で標本誤差は±2.95%。

・両岸平和協定が締結されたら
  中国側は協定内容を守るだろう24.4%
  中国側は守らないだろう   67.2%
 特に無党派層では66.7%が「守らないだろう」と答えた。

・台湾の前途は2300万人の国民投票で決定されるべきだ
  同意    82.7%
  不同意   13.2%
 無党派層では同意76.5%、不同意1割ちょっと


◎蔡英文総統候補、「台湾=中華民国」論を展開

■蔡英文総統候補:「台湾=中華民国」 10-08

 蔡英文総統候補は8日、高雄での国政演説会で「台湾は中華民国」「中華民国は台湾」という認識を示した。
 これは中華民国双十国慶節を前に、国民党と民進党との間で異なる「中華民国」の解釈について、対立を避ける最大公約数として打ち出したもの。
さらに次の点を強調した:
 台湾社会において中華民国に関する認識の違いがみられる。その最大の理由は中華民国が成立したとき、台湾は中華民国の版図になかったが、第二次大戦後になって、台湾に中華民国の支配が及んだ。しかしそれは独裁統治であり、さらに二二八事件と白色テロを経て、台湾人のなかには国民党政権に対する恐怖と不安と疑念が蓄積された。
さらに60年もの間、中華民国は本来の国土を失い、62年の間、台湾を統治するだけになっている。そして今や台湾の土地と人民は融合し、大多数の台湾人は、台湾は中華民国であり、中華民国は台湾であるという点をアイデンティファイしている。これこそが中華民国の生まれ変わりである。
 今日の民進党はイデオロギーに固執する政党ではなく、政権をいつでも担当しうる責任政党である。そこで寛容の心で歴史的に発生してきたものを受け入れ、自らに自信を持たなければならない。そして唯一譲れない点は2300万人の主権である。
 現在の国民党も六十年台湾において民主的選挙の洗礼を受け、台湾の何度かの総統直接選挙を経た。現在の中華民国政府はもはや外来政権ではなく、現在台湾の政府である。現在の国民党は大中国主義傾向の政党であり、その業績に多くの人は不満を持っているが、、それでも国民党は台湾民主主義の中のひとつのプレーヤーであり、ひとつの政党である。 だからわれわれは国民党も包容し、中華民国の政府も包容することができる。台湾という概念の中に含まれるからである。台湾人はそれを包容し、許すことができる。しかし台湾人が譲れないことがある。それはこの国の主人となり、自分たちで決定することである。民進党と国民党では中華民国の解釈が異なっているが、責任は同じである。それは社会が和解し、国として団結すべきだという点だ。中国の台頭、グローバル化の台湾経済・産業・雇用に対する衝撃にともに対処しなければならないからである。


■胡錦濤「辛亥革命百年」談話で、中華民国と国民党の存在を否定 10-09

 中国国家主席胡錦濤は「辛亥革命100周年」に関する談話を発表したが、これに対して陳其邁スポークスパーソンは「文章には一言も”中華民国”は出てこず、あたかも中華民国はもはや存在しないかのようだ。また”中国国民党”も北洋軍閥を倒すための第一次国共合作の文脈でしか出てこず、抗日の第二次合作については一言も触れていない。つまり胡錦濤の談話は中華民国と中国国民党の存在を徹底的に否定したものだ」と指摘した。
 また、談話で「”九二年合意”という共通の政治的基盤を堅持する」として、馬英九氏の「一つの中国をそれぞれが解釈する」を否定している。
 「台湾独立精力の増強に反対する」といっており、反国家分裂法の武力を否定しない規定をあわせると、馬氏の「不統、不独、不武」は単なるひとりよがりでしかなくなっている


■蔡英文候補:台湾には台湾独自の歴史があり、民主主義の台湾は永遠である 10-09

 蔡英文候補は9日、翌日100周年を迎える「中華民国双十国慶節」を前にして、中華民国の解釈について改めて次ぎのようなメッセージを発表した。

 3日前、128年前に落成した鵝鑾鼻灯台を出発し、屏東県佳冬で150年前に立てられた蕭家旧宅を経て、140年の歴史がある義香麻油工場を見学した。明日は台南市で120年前に漢方薬店から発展したバイオ企業を訪ね、1901年に建設された林鳳営駅を訪れる。
台湾という土地には豊かで厚い歴史の記憶と情念がある。それは百年をはるかに超えるものである。
 こうした歴史の記憶と情念は、国民党のいう「建国百年」の歴史には包摂されていない。中華民国が1912年に成立したころ、台湾はその版図にはなかった。1949年後に中華民国は建国時の領土を完全に消失し、台湾に安住の地を見つけた。しかし、歴史論と土地は完全に乖離し、住民の情念とリンクしないままでは、住民の心を動かすことは難しい。
 だからといって中華民国の台湾にとっての意義を否定するわけではない。国民党に注意を喚起したいことは、台湾には台湾の歴史があるということであり、台湾自身の歴史には、数千年前から原住民族がこの地に住み、この400年の間に外来移民が開墾したり、外来支配政権が交代したりしてきたことのすべてが、台湾人が代々血液と記憶の中に記してきた刻印なのである。これらはすべて住民の歴史である。
 多くの人は最近話題の映画「セデック・バレ」をごらんになったであろう。しかしその話は決して「中華民国百年」の中に含まれていない。だが、これほど人々の心を揺さぶり、台湾という土地における歴史的記憶を思い起こさせたものはないだろう。このような情念は、「建国百年」といった(国民党の)政治的プロパガンダによっては決して形成されないものなのだ。
 われわれはそういう視点で中華民国と台湾の歴史的関係を考えるべきである。1949年中華民国政府が台湾にやってきた後、長年の独裁政治時期を経たものの、この20数年の間に、動員時期の終結、国会全面改選、総統直接選挙などの民主主義の洗礼を受けた。今日、大多数の台湾住民は次のような認識を持っている:「台湾は中華民国」「中華民国は台湾」、つまり中華民国が台湾という土地および住民と完全に結合し、台湾において新たに生まれ変わったのである。
 国民党政権が「建国百年」を祝っているとき、北京政府も辛亥革命百周年を慶賀している。両者の結びつきは「一つの中国」という観念にもとづいている。現在の政権担当者はいまだに中華民国の過去の歴史に固執し、「一つの中国」史観に固執している。そして台湾国民がすでに「台湾は中華民国」「中華民国は台湾」と感じている情念と認識を直視できないばかりか、北京当局による台湾主権に対する脅威を感じとれず、多くの台湾国民の不安や疑念を掻き立てているのである。
 台湾という土地においては、民主主義は最高の価値であり、それぞれの政党が中華民国に対して異なる解釈をしていることを、互いに包容すべきであり、他方に押し付けようとしてはいけない。最も重要なことは、いかなる政党も「主権在民」という民主主義の原理に服すべきであり、民意に回帰しなければならず、2300万台湾人が真にこの土地の主人となり、自らの将来を決定しなければならないという点に立たなければならない。
 民主主義とは異なる意見を包容することである。民主主義は対立するものに妥協点を見出し、「台湾コンセンサス」の基盤を作るものである。われわれが共に生活しているこの土地を、中華民国あるいは台湾と異なる名称で呼ぼうとも、こここそがわれわれが共有する国であり、共に築き上げた故郷なのである。同じ空気を吸い、禍福を共にし、さらにわれわれが共に築き上げてきた民主主義を愛し守ってきたのである。
 そこで私は信じている。次の総統の責任はこの国を1912年という時代に引き戻すことではなく、人々を民主主義の将来に導いていくことである。
 今日台湾人はこの土地を信じ、自分を信じ、互いの相違点を包容しなければならない。われわれ2300万の人民は民主主義の守護者なのである。
 明日、私は台南市政府が主催する国旗掲揚式に参加する。しかし祝うのは決していわゆる「百年」ではない。われわれが祝うのはわれわれが守ってきた民主主義体制であり、2300万人民の主権であり、われわれが将来を決定する権利なのである。
 そのため、包容こそがわれわれの団結をもたらし、民主主義こそが台湾を永遠に保つことができると信じている。

蔡英文 2011.10.09


◎蔡英文候補、総統選挙活動を本格始動、選対本部や南北縦断演説会を開く

■蔡英文総統候補、八田与一技師の功績を称える 10-10

 蔡英文総統候補は「中華民国双十国慶節・辛亥革命100周年」の10日、決起集会を開く台南市で「国慶節」式典に参加した後、幸運の意味が駅名になっている台南の保安から永康の間を列車に乗り、勝利を祈願した。
 永康区の支持者が蔡候補に「主権永保、台湾安康」と書いた掛け軸を贈った。
 また蔡候補は「南部・嘉南平原に住む台湾人はみな八田与一技師を偲んでいる。それは八田技師の強い信念と将来を見据える力によって烏山頭ダムが建設され、今日の穀倉地帯・嘉南平原が築かれたからである。2012年には民進党が再度政権を奪回してこそ、台湾の将来を見据えることができ、台湾の将来は繁栄を保てる」と語った。


■蔡英文総統候補全国客家人後援会本部成立客家後援總會成立 「客家女性を総統に」 10-01

 蔡英文総統候補を支援する客家人による「全国客家人後援会本部」が1日、台北市で成立した。
 600人を超える人たちが集まった。元新竹県長林光華、客家人大老李喬、元行政院秘書長葉菊蘭、政治大学台湾史研究所教授戴寶村ら客家人著名人が集まり、シンガーソングライター林生祥氏が歌を歌った。
 蔡英文候補は「今の台湾には、客家人の忍耐と粘り強さをもった人が指導者となり、台湾の主権を守り、台湾を未来や世界や国際社会に向かって導く必要がある。そして客家人のまじめさで台湾を小さくとも美しく自信にあふれた国とする必要がある」と述べた。
 出席者は口々に「客家妹仔做總統(ハッカーモイエー・ツォーツォントン、客家の女性を総統に)」と叫んだ。


■総統選挙決起集会本格化、6日に最南端でスタート、南北縦断演説会開く 10-06

 訪日を終えたばかりの蔡英文総統候補は6日から選挙総決起集会を本格的に始める。最南端の鵝鑾鼻(がらんび)灯台から始めて、台湾第一高速道路沿線を北上し、11日間に14県市、79郷鎮を周り、10月16日に台北市の凱達格蘭大道(ケタガラン広場)で集会を開く。
 10/9台南市、10/10嘉義市、10/11雲林県、10/12彰化県、10/13台中市、10/14新竹県で選対本部成立大会、10/8高雄、10/15桃園、10/16台北ではそれぞれ「国政演説会」を開く。


■蔡英文候補:再執政後は立法院の台中への移転を支持する 10-13

 蔡英文総統候補は13日台中市の成功駅から追分駅まで列車に乗り、「成功追分」(追撃成功)を期した。
 また、台中を選挙区とするすべての立法委員候補の共同公約として、台中に国会を移転するものがあるが、これについても蔡候補は全面的な支持を表明した。
 民進党の前政権時代に新幹線が開通した際、台中駅(烏日区)に空き地を取っておいた。これは国の主要機関をここに移す構想だった。2012年政権奪回後には立法院を台中に移転し、台中を副首都として、産業振興に役立てたい。


■蔡英文総統選挙対策全国本部オープン 10-23

 蔡英文総統候補の選挙対策全国本部が23日、新北市板橋区にオープンした。
ビルの1,2階と2層分、500坪で内部の設備はすべて支持者から借用や提供でまかなっている。
 1階は一般公開スペース「小英(蔡候補の愛称)客廳(ホール)」という。2階は職員の仕事専用スペースとなっている。
 また、1階には「台湾樹」あるいは「伯公樹」と呼ばれる、台湾を象徴する木が立っている。木のように台湾が屹立し、木のように大地に根を生やし、行き続けることを祈願したものである。

 住所:新北市板橋區縣民大道二段80號
 電話:02-29576468
 ファクス:02-29576948
 最寄り駅 台鉄・高鉄(新幹線)、MRT板橋駅


■ジェンダーの平等と多様性 10-24

 蔡英文総統候補は24日、女性団体らが主催する政策座談会に招かれ、民進党のジェンダー白書を発表、民進党のジェンダー政策について説明した。

 ジェンダー政策の基本は「それぞれ故郷で安心して居住し、平等かつ多様な価値観を持つ」ことであり、また「二つの多様性と三つの支持」の方向性を打ち出している。
二つの多様性とは「多様な政治参加」と「多様なジェンダーと家庭」の保障である。
多様な政治参加では、女性の政治家の比率を3分の1以上にすることである。中央・地方政府機関の首長、部門主管、各レベル議員、議会委員会委員についてである。このために選挙罷免法を改正する。また政府が各政党の女性養成プログラムへの奨励金を支出することも提案している。
 多様なジェンダーと家庭の保障である。多様なジェンダーの市民権を認め、性別・性的傾向を問わず婚姻・パートナーを認める権利を認める。また東南アジアなどからの新移民の家庭の権益も制度化し、福祉、健康医療、人身の安全などの保障を推進する。

 また、次の3点を支援する。「公共育児・ケアシステム」「ジェンダーフレンドリーで安全な生活環境」「ジェンダーに関する学校・社会教育」、特に弱者や弱者家庭に優先的にケアを行う。


◎国民党の失政:司法問題・国際化の遅れ、国民投票法改正封殺、不法資産で図利

■陳水扁前総統に対する再審第二審で逆転有罪となったことに対する声明 10-13

 陳水扁前総統の「第二次金融改革」裁判に対して13日、再審第二審の判決が下され、一審無罪だった収賄罪について18年の重罪判決が下された。これに対して莊瑞雄スポークスパーソンは同日、民主主義国家においては判決というものは一定の論理にもとづいて予測可能性がなければならない。しかし第二次金融改革問題では一審が無罪、二審で懲役18年と、180度異なり、判決基準に一貫性が見られない。これでは国民が司法を信頼しないのは当然である。
 選挙の時期が近づいているときに、重罪判決を下したことには、政治的な動機があると見られても仕方がないだろう。民進党は民主・法治の精神に立ち、司法が公正な処理をし、司法が威信を打ち立てることができるよう望む。


■米韓FTAで韓国が世界と連結、馬政権は「一つの中国市場」で共倒れ? 10-14

 12日、米国連邦議会は韓国とのFTA(自由貿易協定)を批准した。韓国とEUとのFTAは7月に実施されている。これを受けて陳其邁スポークスパーソンは「韓国政府が世界を見据えて、米国、EU、ASEANなどとFTAを締結もしくは締結推進している中で、馬政権は中国との間でECFAを締結したほかは、主要経済体とのFTAを結ぶという当初の公約は反古にされ、台湾は中国とだけ結びつき、世界経済から周縁化されている。特に台湾にとって最大の経済的ライバル韓国が世界展開を広げているのに対して、馬政権が”一つの中国市場”に固執している」と馬政権の対中傾斜、国際感覚の欠如を批判した。


■民進党による国民投票法改正案を国民党が拒絶! 10-25

 民進党立法院院内会派は25日、立法院議事進行委員会に対して、両岸の政治的交渉の前に国民投票にかけるべきとする「国民投票法第16条の1」増補案を提出した。
 だが国民党は圧倒的な数の優勢に物を言わせて民進党の提案を否決した。
 蔡英文主席は、「きわめて遺憾」としたうえで、馬英九総統が最近国民投票に積極的な姿勢を示したのだから、国民党は制度化に積極姿勢を示すべきだと指摘した。


■国民党、日本在留資産を横取りした土地で今も不法図利 10-27

 国民党はその膨大な党有資産を使って不当な金銭取引をして暴利をむさぼっている。
 国民党が膨大な資産を持つようになったのは、日本統治が終了した後、日本の残留資産を横取りしたからである。
 台北駅特定地域-雙子星ビルC1予定地505坪も、日本残留資産に起源がある国民党不当取得資産の一つで、現在も不当に暴利をむさぼっている。
 同地はもともと台湾土地建物株式会社の所有地だったものを、1946年2月27日当時の台湾省公産管理処が接収した。1951年に国民党機関紙・中央日報の所有となり、本社が置かれた。164、166地番地も1947年4月30日に台湾省政府交通処管理局が日本時代の国庫事業を接収、中央日報社が1979-80年に廉価で取得した。
 1993年台北駅の駅舎改築と鉄道地下化工事に伴い、忠孝西路一段83號にあった中央日報旧ビルが立ち退くことになり、台北市政府が国民党に代替地として雙子星C1につながる「交七」地を国民党に提供した。
 2006年、馬英九氏が台北市長および国民党主席在任中に、国民党の資産運用会社・中央投資公司に転売された。
 さらに今年、カク龍斌・台北市長によって「交七」用地の容積率の上積みが決定された。中央投資公司100%出資の「欣光華公司」が雙子星C1予定地を容積率800%で開発し、2017年の完成後は国民党が所有する面積は3450坪となる。
不法な容積率増加によって、台北市政府が国民党に融通した利益は現在市価で42億元に達することになる。
 これは馬市長が馬主席に利益融通を図ったものといえる。民進党は近く特偵組(特捜部)に台北市政府を告発する。


◎中央常務委員会報告

■馬氏の「両岸平和協定」に対する批判声明を採択 第14期第42次中央常務委員会 10-19

 第14期第42次中央常務委員会が19日開かれ、馬英九氏がこのほど「両岸平和協定」なるものを打ち出したことにたいして、民主進歩党としての厳正な批判声明を採択した。
(声明の内容は前記本文記事を参照のこと)


■メディア政策を議論 第14期第43次中央常務委員会 10-26

 第14期第43次中央常務委員会が26日開かれた。
 最近の台湾メディアの乱れた状態を憂い、メディア政策について特別に議論した。
 「消費者の権益保障」「市民の知る権利促進」「文化的価値の向上」「言語文化の多様な伝播保障」を目標として市民のためのメディア環境建設を訴える建白書を採択した。
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