2011年9月1日木曜日

第 155号 2011年08月31日


民主進歩党ニュースレター(日本語版)月刊
第 155号
2011年8月31日
発行:民主進歩党本部国際事務部

台湾台北市北平東路30号10F
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発行人:蔡英文
編集人:蕭美琴


■今月のヘッドライン

■マニフェスト「十年政綱」を発表
《十年政綱》が8月下旬に相次いで発表された。
民進党は24日に開かれる中央執行委員会に「十年政綱(マニフェスト)」を提出、その後開かれる全国党員代表大会(党大会)での承認を求める。
内容は「総綱」、国家安保、両岸経済、雇用/産業・労働、エネルギー、環境などの18編の個別綱領からなる。これまで一年半にわたって100回におよぶ専門家らの会議を開いて議論してきた。そのうち蔡主席が自ら会議を主宰したのは50回以上に及ぶ。このマニフェストは「台湾改造プラン」となる。
18編の個別政策は、六つの主軸--雇用優先の良質経済、公平分配の相互扶助社会、持続的発展の国家安保環境、多元創造的な教育文化、市民参加による民主主義深化、多角的で安定した平和戦略--からなる。この6つの主軸と18編は有機的に相互に関連しており、「世界に向かう」、「公平正義」の二つの核心理念によって貫かれている。
中国との経済関係については、「世界と同じ次元とルールで中国に進出する」べきである。中国経済は普通の市場経済体制ではなくきわめて特殊な国家資本主義体制であり、台湾一国だけで対処するのではなく、WTOをはじめとした多国間の枠組で対処するべき問題である。台湾と中国では体制と基本的立場は異なっているが、戦略的な利害判断によって、平和と発展という共通の利益を確保することが可能であり、戦略的相互理解と対話によって双方の関係は実質的な進展がもたらされると信じている。これがつまり”和而不同,和而求同(和して同ぜず、和して同じものを求める)”の原則である。
国家安保・外交戦略問題では、対米関係の強化、および日本をはじめとしたアジア太平洋地域や世界の民主主義国家・主要貿易対象国との関係強化の重要性を強調している。


■中国による台湾敵視政策
民進党へのハッカー攻撃・中国空母試験航行
8月上旬、民進党本部と蔡英文選対本部の一部の幕僚や主管クラスのemail
に中国とみられるハッカーが侵入、情報を窃取していたことがわかった。民進党への侵入も中国政府の指示によるハッキング行為だと見られる。
また、中国は空母試験航行を行い、第一列島線を突破、台湾の東海岸を脅かすのは時間の問題となった。馬政権の対中宥和政策は中国の軍拡によって破綻している。


■民進党の多面的外交活動
 チベット亡命政府・ビルマ野党指導者
民進党はチベット亡命政府首相の就任式に党主席特使を派遣、チベットとの友好関係を強化した。またこのほど軟禁を解除されたビルマの反政府運動指導者アウンサンスーチー女史を女性代表団が訪問した。


■蔡英文総統候補、対中政策の原則
 「平穩で平和的関係を維持」「極端に走らず、バランスと安定を重視」の原則を強調。
 
■蔡英文総統候補の活動 原住民・客家重視、公正な分配を強調
 原住民の日で挨拶、客家連絡所設置など、少数族群、多様な文化擁護を強調、また経済社会政策では公正な分配をうたっている。


■馬政権の失敗
 馬政権になって国債発行が急増し国家財政が急速に悪化している。
 また鳴り物入りのECFAでも農産物の対中輸出は増えておらず、対中宥和政策は失敗に終わっている。
 馬政権が対中対話で強調している「1992年合意」なるものについて民進党が実施した世論調査では72%がその中身を知らないと答えるなど、馬政権の考え方は台湾国民の多くから唾棄されている。


■陳水扁前総統に無罪判決、司法の人権擁護
 陳水扁前総統の国務機密費事件の再審で無罪判決が言い渡された。民進党としては引き続き司法当事者の人権について注視、擁護していく。



目次

■マニフェスト「十年政綱」を発表
マニフェスト《十年政綱》相次いで発表 08-15
「十年政綱」を発表 蔡英文主席「台湾を強化し、台湾コンセンサスを結集する」08-22
十年政綱「国家安保、両岸経済関係編」発表、蔡英文主席:戦略的な互恵関係を求める 08-23 
蔡英文主席、「十年マニフェスト・両岸編」について外国人記者に説明 08-23
■中国による台湾敵視政策
中国ハッカーによる民進党への攻撃・情報窃取相次ぐ 08-09
中国の空母試験航行によって馬政権の媚中政策は破綻した 08-11
■民進党の多面的外交活動 チベット亡命政府・ビルマ野党指導者
チベット亡命政府総理就任式に民進党主席特使を派遣 08-11
民進党代表団、ビルマにアウンサンスーチー女史を訪問 08-17
■蔡主席、対中政策について対話と安定重視
蔡英文主席:中国との間では「平穩で平和的関係を維持 」08-16
蔡英文主席:対中関係は「極端に走らず、バランスと安定を重視」 08-25
「群策会」設立10周年募金大会に蔡英文主席が出席、馬政権の民主化後退を批判 08-27
■蔡英文総統候補の活動 原住民・客家重視、公正な分配を強調
8月1日「原住民族の日」を記念して蔡英文主席 08-01
拡大輔選(選挙支援)会議 蔡英文主席 08-04
蔡英文総統候補、政策CF「彼らの距離」で貧富格差拡大を指摘 08-18
 総統選挙対策で桃園客家連絡所を設置、「客家文化を台湾のシンボルに」 08-18
■馬政権の問題点 財政悪化・対中政策失敗
世論調査:72%が「1992年合意」の中身を知らず、「台湾コンセンサス」が主流に 08-27
農漁品種改良技術が中国に流出 08-02
2年前の「八八水害」から復興進まず、馬氏は被災地訪問のパフォーマンスより
実質を進めるべきだ 08-06
国民党は民進党の政策の猿真似をするばかり 08-14
F-16C/D戦闘機を米国が売却拒否、馬英九に最大の責任がある 08-15
馬政権3年で国債が1兆3千億元に急増、「馬氏は敗者の総統」 08-17
■陳水扁前総統と家族の司法の人権
陳水扁前総統の長男・陳致中氏が議員解任、「憲法の下の平等」原則に違反した
不当な措置」 08-18
 陳水扁国務機密費事件の再審で汚職について無罪判決 08-26
■中央常務委員会・執行委員会


マニフェスト《十年政綱》相次いで発表 08-15

《十年政綱》が8月下旬に相次いで発表された。
民進党は24日に開かれる中央執行委員会に「十年政綱(マニフェスト)」を提出、その後開かれる全国党員代表大会(党大会)での承認を求める。
内容は「総綱」、国家安保、両岸経済、雇用/産業・労働、エネルギー、環境などの18編の個別綱領からなる。これまで一年半、100回にわたる専門家らの会議を開いて議論してきた。そのうち蔡主席が自ら会議を主宰したのは50回以上に及ぶ。このマニフェストは「台湾改造プラン」となる。
マニフェストを策定しようとしたのは2009年6月にさかのぼる。政権奪回に向けて政策を網羅的具体的にまとめる必要があるからだ。
2010年1月1日には蔡主席が「十年政綱」策定を公にし、2010年4月、5月には中央本部は専門家を招いて「台湾が回避することができない課題」と題したシンポジウムを何度か開き、マニフェスト策定に向けて具体的な議論を展開した。
蔡主席が昨年から「社会住宅」、「非核家園(脱原発社会)」などを主張してきたが、これらもマニフェストの重要な部分となっている。
まず《総綱》では、今後10年間に台湾が直面するであろう課題には「グローバル化による競争激化」「雇用と経済成長の矛盾」「分配の不公平化と貧困化」「自然からの反撃、資源枯渇とエネルギー依存問題」「人口高齡化・少子化」「国家財政悪化」「国際情勢変動と中国の台頭」「政府のガバナンスと対応能力の低下」などを挙げている。
そして対策として「雇用創出を重視した高品質経済、公平分配による相互扶助社会、持続的発展が可能な安全な環境、台湾の教育文化の深化、グローバル外交関係、市民参加による民主主義深化」などを打ち出している。
そして18編の個別綱領ではそれぞれの領域における具体的な政策を挙げていく。


「十年政綱」を発表 蔡英文主席「台湾を強化し、台湾コンセンサスを結集する」08-22

蔡英文主席・総統候補は22日、マニフェストである「十年政綱」の総綱を発表し、台湾の将来の青写真であり、次の世代への約束であると位置づけた。また目的は「台湾を強化し、台湾コンセンサスを結集する」ことにあり、マニフェストはその始まりであるとした。
蔡主席は次のように説明した。
「十年政綱」は18編の個別政策からなるが、それは次の六つの主軸からなる。雇用優先の良質経済、公平分配の相互扶助社会、持続的発展の国家安保環境、多元創造的な教育文化、市民参加による民主主義深化、多角的で安定した平和戦略である。
この6つの主軸と18編は有機的に相互に関連しており、「世界に向かう」、「公平正義」の二つの核心理念によって貫かれている。

「世界に向かう」:台湾は新興民主主義国家であり、対外貿易を経済的命綱とする海洋国家である。台湾の発展は国際社会の枠外であってはならず、自由、民主、人権、環境といった普遍的理念を対外交流と協力の基盤とすべきである。それによって民主主義国家と戦略的パートナーシップを深め、アジア太平洋諸国との地域協力を進め、戦略的相互利益にもとづいて「和而不同,和而求同(和して同ぜず、和して同じものを求める)」の原則に立って、中国との敵対的構図を変えるべきである。そして中国とは多次元、多レベルにおける交流によって徐々に「両岸平和安定交流機構」をつくり、安定的で建設的な両者の関係を積み上げ、国際社会の一員として平和発展の責務を果たしたい。
そして台湾の対外経済関係戦略展開は、世界各地への均衡ある展開を目指し、両岸経済もそのなかの一部と位置づけるべきである。世界中と多元的でバランスがとれた、持久的で対等な経済関係を構築することは、台湾が持続的に発展するための重要な条件となる。
そのため中国と経済関係を発展させるとともに、米港、EU、日本、ASEANなどと自由貿易協定(FTA)およびその他二国間もしくは多国間の協定を結ぶべきである。さらに重要なことに、対中経済交流によって台湾の賃金が停滞し、所得分配が悪化していることをしっかり受け止めるべきである。その改善のためには弱体産業と弱者への保護政策を強化し、両岸経済交流の果実が全国民が享受できるようにすべきである。
十年政綱は「世界から中国に入り、中国とは戦略的互恵関係を結ぶ」ことが国家安保戦略の基調であり、両岸経済については「自主的な経済発展により、互恵的で開拓的な往来を進める」ことが基調となる。台湾は海洋国家として多国間による安定的な平和戦略が必要であり、それを基盤として世界のすべてと往来すべきである。

「公平正義」:台湾社会は今日重大な亀裂が生じている。それは統独や藍緑といった思想や党派の違いを超えて国民の公平正義を求める声が無視されているところである。経済成長の果実は少数者の手に握られ、実際に働いているサラリーマン、労働者、農民らは果実を一切受け取れないでいる。雇用機会はどんどん減少し、貧富の格差はどんどん拡大している。ワーキングプアがますます増え、社会のフレッシュマンは明るい将来像を描けないでいる。昨年の台湾の出産率はついに1%を切り、0.895%になり、ドイツを抜いて出産率最低の国となった。これは台湾の若者が、子供をつくらないことで、社会への不満を間接的に表明したものだ。
こうした問題の大部分は、いわゆる自由化とグローバル化がもたらしたものだ。しかしそれをすべて「市場経済の枠組」になすりつけてはならない。公平正義の実現は、政府は責任であり、政府の責任とは、市場の失敗を是正し、弱者、若者らに対してケアを行い、所得、居住、土地、環境、世代間の正義の実現を図ることである。

民進党と国民党には本質的に考え方が異なっている。国民党はGDP成長率をあげることばかり拘泥し、バブル経済による偽りの繁栄を自画自賛したがる。これに対して民進党は国民の幸福は雇用と生活の質の向上にあり、「雇用優先」の経済発展戦略を考えている。台湾は経済構造を転換する必要がある。対外貿易に依存した発展モデルから脱却して、土着経済、内需市場、土着雇用を発展させなければならない。


十年政綱「国家安保、両岸経済関係編」発表、蔡英文主席:戦略的な互恵関係を求める 08-23

民進党は23日、マニフェスト「十年政綱」の「国家安保・外交、両岸経済関係編」を発表した。
両岸関係、安保については、台湾における最大公約数=「台湾コンセンサス」にもとづいて中国との互恵、折衝、対話を行う原則を明らかにした。
また「民主的手続きこそが台湾最大の資産」であるとして、台湾全体の合意を結集し、台頭する中国に対して台湾が一致団結して対面すべきことを強調した。

両岸の交流は必要である。しかし相互交流のための確たるルールと枠組みと手続きにもとづいて実務的にさまざまな問題や議題について処理すべきである。
また国民党がたびたび持ち出している「1992年合意」についても、それが本当に存在するものだとしても、そもそも1992年と現在では環境も条件も異なっている以上はそうした過去のことにとらわれるべきではなく、もっと未来志向で長期的な制度を打ち立てるべきである。

また中国との経済関係については、「世界と同じ次元とルールで中国に進出する」べきである。
中国経済は普通の市場経済体制ではなくきわめて特殊な体制である。台湾はこれに対して台湾一国だけで中国の台頭がもたらす巨大な影響に対応することはできない。ASEANと中国の自由貿易地域がすでに成立しているが、ASEANプラス3ないしプラス6が政治レベルに発展することは困難である。現存する自由貿易地域としてはAPECがあるだけだ。APEC対象地域は2020-2025年までに自由化を達成することになっている。台湾もその一員であり、APECの活動に今後さらに積極的に参画する必要がある。
馬政権が中国との間で締結した「両岸経済協力枠組協定(ECFA) 」については、自由貿易協定の一種という本質があるにもかかわらず馬政権はそれを一貫して認めようとせず、さらにそれがもたらす悪影響についても説明していない。しかもECFA締結で他国とのFTAが進むわけではないにもかかわらず、それを正直に説明しようとしていない。
ECFAのマイナス面はすでに台湾のさまざまな産業で見られている。
ただし、民進党が政権を奪還したからといって、ECFAをすぐに全面否定するわけではない。それはすでに既成事実になっており、台湾と外国との協定のひとつである。
民進党が政権奪還後は、民主的手続きおよび国際的規範に照らしてECFAに関連する問題を見直したい。ECFAの後続処理については、台湾の国益を総合的に判断すべきであり、特にその締結および後続処理の交渉過程、WTOの規範に適合しているか、アジア太平洋地域への影響、台湾と他国とのFTA締結交渉の進展などを勘案する必要がある。

馬政権がECFAを締結した過程はきわめて拙速であり、政権高官すらその影響について知らず、国民にも説明できず、社会的に大きな問題を引き起こした。
国会による審査や監督も、実質的にはほとんど行われず、密室協議で強行された。
政権奪還後は、ECFAの社会的影響を含めたプラスマイナス両面を精査し、決定過程を透明化し、国会に審査する機会を再度与えるべきだと考える。
さらに台湾の利益を守るためにも、民主的手続きが最大限に発揮できるように、改めて国民投票にかけるべきかどうか判断していく。
対中政策は台湾にとって最も重要な外交・安保の政策課題であることは否定できない。しかしだからこそ台湾の指導者は情報を開示し、忍耐強くねばり強く、国民的合意獲得に時間をかけるべきである。
国民党が主張する「九二共識(1992年合意)」なるものは、どうやってでっち上げられたのか。1992年時点ではそんなものは存在しなかった。ところが2000年以後になって、国民党からそういう言葉が持ち出されるようになった。ところが1992年当時の交渉当事者は李登輝元総統であろうと、辜振甫氏であろうと、「92年合意」の存在を否定している。したがって、これははじめから存在しないことは明らかだ。したがって、国民党が民進党に対して「92年合意」なるものを認めよと要求しているのは、理屈に合わない。
国民党の対中交渉のやり方は、中国にだけ先に説明して、台湾国内や台湾の野党にはまったく説明しない点が大きな問題である。
民進党の台湾独立綱領やECFA後続協議の継続について、台湾と中国ともに理性的で平和的な考え方をしているものは多くおり、ともに平和と安定的な発展を願っていると信じている。もし北京が台湾の主流の考え方をあくまでも無視するなら、それは北京にとっても利益にならない。
総統に当選した暁には、台湾の各政党との話し合いを重視し、台湾国内の合意形成に努めていく。


蔡英文主席、「十年マニフェスト・両岸編」について外国人記者に説明 08-23

蔡英文主席は23日、台北外国人記者クラブ(Taipei Foreign Correspondents Club)に招かれハイアットホテルで、両岸関係、国家安保、外交などの問題について質疑応答に臨んだ。記者たち60人が出席した。
この日午前党本部で「両岸経済関係編」「国家安保編」を発表した蔡主席は、外国人記者に対しても「過激に流れずバランスを持った穏健な両岸政策によって台湾の最大限の利益と安全を確保する」ことを再度強調した。
いわゆる「ひとつの中国原則」を採用している中国については、中国の一党独裁に反対し主権独立を堅持する台湾とは基本的立場が異なっているが、戦略的な利害判断によって、平和と発展という共通の利益を確保することが可能であり、戦略的相互理解と対話によって双方の関係は実質的な進展がもたらされる。「これこそが私がこれまで強調してきた”和而不同,和而求同(和して同ぜず、和して同じものを求める)”の意味である」と強調した。
国家安保問題では、対米関係の強化、およびアジア太平洋地域をはじめとした世界の民主主義国家や主要貿易対象国との関係強化の重要性を強調した。
9月の訪米では、政府高官、連邦議会議員、シンクタンクの研究者などと意見交換を行うことを明らかにした。


■中国による台湾敵視政策

中国ハッカーによる民進党への攻撃・情報窃取相次ぐ 08-09

陳其邁スポークスパーソンは9日、最近、民進党本部と蔡英文選対本部の一部の幕僚や主管クラスのemailのログイン記録から中国や台湾のIPにより侵入、情報を窃取した痕跡が発見された、と明らかにした。技術者が調べたところ、IPは北京の新華社がオーストラリア、マレーシアの新華社支社を通して、emailに侵入していたことがわかった。また一部のIPは台湾政府の行政院研考会によるものと推測される。
中国によるハッキングは、単なる個人的な行動ではなく、国連、日韓欧米各国政府機関から大規模な世界的企業にいたるまで攻撃と侵入を受けており、ハッカー集団による攻撃は組織的、計画的なもので、中国政府の指示によるものと見られている。
民進党への侵入も中国政府によるハッキング行為だと考えられる。
台湾行政院研考会によるハッキングは、IPが盗用されたものか、同委員会の一部官吏が故意にそうしたか、今のところ判定はできない。研考会自身は、調査研究のほか、政府部門の情報安全性について監視する機関であり、盗用されたにせよ一部官吏が悪用したにせよ、いずれにしても由々しき事態である。


中国の空母試験航行によって馬政権の媚中政策は破綻した 08-11

馬政権になってから、中国に対する一方的な「宥和」政策によって「両岸の平和関係を樹立した」といっているが、国防部の楊念祖副部長がこのほど明らかにしたように、米国からのF-16C/D購入問題について中国国台弁のスポークスパーソン楊毅が「台湾が中国の軍事的脅威と言い立てている」と批判する一方で、空母の試験航行を行っている。
これに対して陳其邁スポークスパーソンは11日、次のように馬政権の政策を批判した。中国空母試験航行によって第一列島線が突破され、台湾の東海岸が直接の脅威を受けるのは時間の問題となった。中国の空母がすぐそこまで来ているのに馬政権は台湾の防衛に無関心だ。民進党政権時代には雄二E型巡航ミサイルの研究開発を行ったのに、馬政権はその射程距離を縮小してしまった。F-16C/Dの売却が見送られたうえに国防予算も削られている。これでは中国に対して投降姿勢を見せているようなものだ。
両岸の軍事バランスがますます中国に傾斜しており、これは馬政権の媚中政策が招いたものだ。
中国は今や米国について世界第二の軍事費支出を誇る軍事大国になっている。しかし馬政権は「国防予算はGDP3%より低くしない」という公約を破り、3年連続で国防予算を削減した結果、2011 年度は2,972億元、GDP比2.73 %にまで縮小し、シンガポールよりも少ない水準になっている。民進党時代に編成した2008年度には3,340億元だったので、12%も少ない計算になる。
民進党政権時代にはF-16A/Bの規格更新と、旧型戦闘機F-5Eに代わる66機のF-16C/D購入のダブル戦略で、米国に対して3度にわたって購入計画書を提出していた。しかし馬政権は20回以上にわたり口先だけの購入希望を語っているが、実際の購入計画書は一度も提出したことがない。しかも外交部と駐米代表部も米国でのロビイングに熱心でなく、これでは戦闘機売却が暗礁に乗り上げても当然であろう。
もし国民党が野党時代にF- 16C/D購入に反対しなければ、2014年には到着していたはずだった。国民党と馬英九らの媚中、国防無視こそが台湾の安保を危機に陥れている。


■民進党の多面的外交活動 チベット亡命政府・ビルマ野党指導者

チベット亡命政府総理就任式に民進党主席特使を派遣 08-11

インド・ダラムサラに置かれているチベット亡命政府の新任総理ロブサン・センゲ(Lobsang Sangay)氏の就任式が8日開かれ、民進党は党を代表して主席特使として陳節如立法委員を派遣した。

ダライラマがこのほど政教一致体制の改革を宣言し、今年3月にはじめての普通選挙が行われ、ハーバード大学の国際法の専門家ロブサン・センゲ氏が総理に選ばれた。
これでチベット亡命政府は本格的な民主化、若返り、専門化、国際化が図られたことになる。
9日には祝賀イベントが行われ。各国からの代表が祝意を述べた。
出席者は、台湾民進党ほか、日本民主党国会議員牧野聖修、モンゴル国会議員Batjargal Batbayar、ネパール国会議員Siddharth Gautam、欧州議会議員Eva Lichtenberge、イタリア国会チベット委員会共同委員長Matteo Macacci,インドチベット支援全国委員会会長Trikha、米国中国市民の力代表楊建利、ドイツ・ナウマン財団(FDP自由民主党系)南アジア代表Siefried Herzogの各氏である。

陳節如氏は「相互協力のなかで希望を見出した」と題して次のように談話を述べた。
今回、貴政府の招きで、台湾の民主進歩党を代表してセンゲ総理の就任式に出席できたことを喜ぶとともに、ダライラマ猊下に対して敬意をささげたい。
2009年1月、本党は国会において台湾にきたチベット人の長期滞在を可能とする法案を提出し、成立させた。そして実際にもインドやネパールに在住のチベット人が台湾に合法的に長期滞在し就労する権利を獲得できるように周旋してきた。その過程で私自身もチベット人が置かれている困難と苦悩に接することになった。
同時にチベット人が相互協力する姿を見て感動を覚えた。台湾人のチベット問題への理解は日増しに増加している。毎年3月にはチベット蜂起を記念するデモが行われている。
民進党政権時代にはチベット亡命政府との間で相互訪問が行われていたが、国民党政権になって中国を刺激すること、ECFA締結に影響することを恐れて、貴政府との交流は中断、弱まっている。
チベットと台湾では、地理的環境、宗教歴史文化、ないし民主化の過程は互いに違っているが、われわれはともに民主主義を否定し、人々の宗教信仰を抑圧し、平和的対話に反対し、人権運動を厳禁している専制的独裁政権と対峙している点は同じである。
敬愛するダライラマ猊下は平和主義者であり、非暴力運動を堅持し、その智慧と努力でチベット仏教の精神を引き継ぎ、世界のチベット人の団結を促し、命がけで抑圧されたチベットの歴史と文化を守っている。同時に猊下は民主主義こそが世界の価値であると信じ、その在位中に政教一致体制を改め、民主的な手続きで新任総理を選出する道を開いた。われわれはこの歴史の証人であり、参加者となったことを非常に喜ばしく思う。最後に台湾の歴史について述べたい。
台湾は歴史的に異民族支配を受け、独裁政権による高圧的統治を受け続けた。かつて本党主席だった林義雄氏は1979年美麗島運動に参加したことで政治犯として投獄され、1980年の二月二十八日にはその留守宅で彼の母親と娘が殺された。林義雄氏の自宅は1982年に台湾基督長老教会の義光(神の正義の光)教会となり、その教会の信者は政治犯救援運動に多数が従事してきた。林義雄氏の家族は華厳経の一節を書いている:「我應如日普照一切不求回報」。
ダライラマ猊下とセンゲ総理は、亡命チベット人の境遇および中国政府のチベット人に対する抑圧をかんがみれば、台湾人よりもさらに大きな苦痛を受けていることだと思う。しかしわれわれは決して孤独ではない。それはこれまでの歴史で多くの民族が同じような道をたどってきたからである。そして将来もやはり多くの人類が同じような抑圧と暴力への抵抗を経験するかもしれない。しかし世界のいたるところにチベットを支援する声と友人がいる。それはわが民主進歩党および台湾のおおくの市民もそうである。われわれは相互協力のなかで未来の希望を見出している。


民進党代表団、ビルマにアウンサンスーチー女史を訪問 08-17

民進党シンクタンクの蕭美琴・副執行長(事務次長)ら女性だけからなる民進党の代表団が16日、ビルマの首都ヤンゴンを訪問、このほど軟禁を解除されたばかりの民主化運動指導者アウンサンスーチー女史(Aung San Suu Kyi)をたずねた。双方は1時間にわたる会談で、ビルマ民主化の展望、ビルマへの経済制裁、国際情勢について広範に意見交換した。また台湾の民主化とその過程の困難さについても議題が及んだ。
代表団は蕭美琴、高雄市副市長劉世芳、立法委員葉宜津、民主基金会(政府外郭団体)副執行長楊黄美幸、蔡英文特別助理(特別秘書)張祥慧の各氏からなる。
アウンサンスーチー女史が書記長を務める野党「国民民主連盟」(National League for Democracy, NLD)の海外(解放地域)支部組織NLD-Liberated Area (NLD-LA)と民進党は同じくアジアリベラル民主主義評議会(Council of Asian Liberals and Democrats, CALD)の会員政党であり、自由主義インターナショナル(Liberal International, LI)のオブザーバーである。アウンサンスーチー女史はLIの1995年度自由賞を受けている。



■蔡主席、対中政策について対話と安定重視

蔡英文主席:中国との間では「平穩で平和的関係を維持 」08-16

民進党主席で総統候補の蔡英文氏は16日、記者座談会の席上、民進党の両岸政策について、最も重要な原則は「平穩で平和的な関係を維持」することだと強調した。ただし中国と交流するうえで忘れてはならない両者の違いがある。それは政治制度、経済制度、社会制度、さらには国民の相手側に対する期待値が異なっているところである。中国はそうした違いを無視し台湾に対して一面的で単一の価値観や方向性を強要することはやめてもらいたい。両岸のような複雑な関係を進めるにはまずは違いや利害が異なる点が存在していること認めることである。そうしてこそ、関係を実質的に処理発展させることができるのである。違いを認めない態度では関係を処理発展させることはできない。
北京だけでなく国民党の態度も同じである。国民党は両岸関係について国民党と異なる考え方を認めないというものだ。国民党は少なくとも半分以上の台湾人が国民党とは考え方が違うことを認識すべきだ。中国も台湾との違いを理解すべきだ。しかしそうした違いがあるからこそ、われわれは平和的な関係を結び、相互交流の枠組を打ちたてることができる。それこそが私がいっている「和而不同,和而求同」である。


蔡英文主席:対中関係は「極端に走らず、バランスと安定を重視」 08-25

民進党主席で総統候補の蔡英文氏は25日、中国国務院台湾弁公室が民進党の対中政策を「現実的でなく、対話は不可能」と論断したことに対して反論した。
中国にも理性的な勢力があることを信じている。民進党の対中政策は極端に走らず、バランスと安定を重視することを原則としている。中国は台湾問題に対する際に、より大局的で高い次元から考えるよう望む。中国が現在のような態度で臨むなら、両岸が確実な関係を構築するには時間がかかるだろう。
中国は知るべきである。台湾国民が最大限の利益を得るという台湾共識(台湾コンセンサス)が重要であり、国民党だけ、あるいは国民党が掲げる「九二共識(1992年合意)」なるものでは台湾を理解できない。
対中関係については、民意の最大公約数と民主的手続きによって生まれたコンセンサスを基盤にすべきである。
現在のような国民党と共産党の間の協議には、国会による監視や国民的理解というものが得られていない。こうしたやり方は民主主義国家ではあってはならないことだ。
国民党は台湾国民の側に立つべきであり、優先順位や手続きを正しく判断すべきである。


「群策会」設立10周年募金大会に蔡英文主席が出席、馬政権の民主化後退を批判 08-27

蔡英文主席は27日、李登輝系シンクタンク「群策会」設立10周年記念募金パーティに出席した。
群策会が台湾の民主化深化と台湾の主体性のアピールに大きな貢献があったことを高く評価。民主化を進め、平和的政権交代を実現し、「静かな革命」を進めたとして李元総統に敬意を表した。
中東の民主化が始まったように、世界的に民主化は趨勢となっているが、中東でみられたように、問題は民主主義国家にも広がる「貧富格差」をどうするかという点にある。英国でもそのために暴動が広がっている。国家と社会の安定化には、民主的な制度の下で、国家が資源を公平に分配することが必要である。そして適切な分配は民主主義でこそ可能となる。民主主義は多くの問題を解決できるし、多くの人が民主主義を信ずるならその近道となる。
中国との関係でも、台湾は民主主義を堅持し、民主的に台湾人の合意を結集し、一丸となって中国に対処し中国との間で長期的な安定・平和関係を構築しなければならない。
台湾社会は自らの貧富格差、地域不均衡、環境汚染、原発事故リスク、雇用不安、弱体産業などの問題に理性的かつ冷静に対応するべきである。
馬英九氏は対中関係について「1992年合意」なるものを主張しているが、その中身について明確に説明したことがない。そして多くの台湾国民はその中身が何であるかを知らない。



■蔡英文総統候補の活動 原住民・客家重視、公正な分配を強調

8月1日「原住民族の日」を記念して蔡英文主席 08-01

sndamac namu bale(セデック語で「みなさんこんにちは」)
今日は「原住民族の日」であり、民進党を代表して原住民族の方々に敬意を表したい。原住民は台湾の本来の主人であった。だが過去数百年来、外来移民および統治者によって長期にわたって蔑称、たとえば「番仔」、「高山族」、「山地人」、「山胞」などという呼称で呼ばれてきた。
しかし1994年8月1日に、原住民族運動の努力により「中華民国憲法追加条文」によって正式に従来の「山胞」を「原住民」と改めることになった。1997年憲法追加条文ではさらに原住民族の総体としての権利を認めるとともに、個人をさす「原住民」から総体をさす名称「原住民族」にあらためられた。そして2005年民進党政権時代には毎年8月1日を「原住民族の日」に制定した。これは「原住民族」の権利が明記された「憲法追加条文」の成立日を記念したものである。
そして今日、われわれは「原住民族の日」に霧社事件記念公園にやってきた。この事件で受難したすべての原住民を追悼し、特に原住民の英雄、モーナ・ルーダオをはじめとした人たちに献花した。原住民がこの数百年に受けてきたすべての不公平な待遇と屈辱に対する反省と見直しを込めた。
われわれは台湾の原住民が今日直面しているところの困難を直視しなければならない。原住民族はもともと台湾の主人であったのに、現在は最も弱い立場に追いやられている。民進党政権時代には、原住民と新たなパートナーシップを宣言し、いくつかの努力と進歩を図った。たとえば、モーナ・ルーダオが属していたセデック族を第十四の原住民族と認定し、20元硬貨にもモーナ・ルーダオの像を描いた。しかしもちろんこれだけでは足りない。将来は原住民族独自の文化伝承と生活方式を尊重し、パートナーとして原住民族政策を立案遂行していかなければならない。
1930年10月27日、ここセデック族の集落において霧社事件が発生した。これは原住民族の英雄モーナ・ルーダオが日本植民地政権に反抗した血みどろの歴史として記憶されている。日本政府はセデック族の男性を酷使・搾取し、原住民族を支配するために、日本男性を違法にもセデック女性と重婚させることまでした。これら精神・物質両面で傷つけられたセデック族は自らの基本的な生存権を守るために、セデック族人一人一人の尊厳を守るために、生命を犠牲にして、外来植民者である日本の不公平な待遇に抵抗の声を上げた。
民進党は改めて思う。その80年後の現政権の原住民族政策は、原住民族を差別や抑圧や搾取から自由にしたといえるのかと。この三年の間に原住民的失業率は9%に達したこともあり、いまでも平均失業率は7%前後で、全国平均よりも2%以上高い水準にある。原住民族は就学・就労・生活・介護などさまざまな面で受ける福祉サービスが、他の族群に比べて見劣りする水準に貶められている。これはこれまで半世紀にわたって行われてきた誤った同化政策によるものであり、それは原住民族の言語、文化、生活方式を破壊し、世代間の断層をもたらしただけでなく、原住民族が台湾という土地に本来もっていた結びつきをも断絶してしまったのである。
モーナ・ルーダオはセデック族の尊厳を考え、祖先が残してくれた生活方式を守るため、流血の歴史を築いた。台湾社会全体がこの点について謙虚な気持ちで反省、見直しを進め、政権担当者が原住民族との間に友好的なパートナーシップを結ぶことを求めたい。
しかしながら、不幸なことに事実は逆で、2008年に馬政権になってから、特に八八水害で原住民族の土地が多数被害にあった。馬政権は「四年間で五百億元の予算で、原住民の土地を復興させ、国土保育を推進する」といっていた公約を破棄した。国民党政権はまた国連「先住民権利宣言」、「中華民国憲法」「原住民族基本法」の規定と立法精神を破り、原住民族に財政権、土地に対する権利、司法権などを認めない官製の「原住民族自治法案」を提出し、一党寡占という圧倒的な優位の状態でもって、原住民族の自己管理の権利を否定しようとしている。
われわれの責任は、四百年来の歴史的な痕を癒すことである。2008年にカナダのハーパー首相が国会で、かつての先住民に対する同化政策について正式に謝罪したし、豪州のラッド首相も2007年選挙において、当選後、かつての白人植民者と政府が正式に先住民族に謝罪することを約束し、実際に2008年1月の就任式で過去の過ちを認めた。
そこでわれわれ民進党も、もし政権を取り戻した暁には、政府を代表して総統が原住民族に対して謝罪することを約束する。政権担当者がこれまで原住民族に強いてきた傷は簡単には癒えることはないだろうが、反省・見直し・過ちの承認によって原住民族の未来は台湾から独立したものとなる。この場におられる原住民のかたがたが証人となって、原住民族との新たなパートナーシップを改めて結ぶことになろう。そして差異を理解し相互に承認し原住民族独自の歴史と文化伝承と生活発展のニーズを尊重・保障し、ともに多様で豊かで美しいこの土地の未来を作っていくことになろう。




拡大輔選(選挙支援)会議 蔡英文主席 08-04

4日午前、拡大輔選(選挙支援)会議が開かれた。
2012年の総統・立法委員同時選挙に向けて選対チームの「全線配置」を確認し、「勝利に向かって邁進」することを目標として開かれた。
蔡英文主席は挨拶で、社会の公平正義を重視することを改めて強調した。そのうえで
「後世の歴史は2012年の選挙を台湾史上の転換点だと記載するだろう。それはこの選挙が、台湾が自由で民主的な生活方式を継続できるかどうか;そしてそれはこの社会で最も支援を必要としている人が政府による適切なケアを受けられるかどうか;社会の公平と正義が実現されるかどうか、つまりあらゆる人が努力さえすれば成果を受けとることができ、しかも一定の努力をすれば成功することができるかーーの分け目となるからである。そしてさらに重要なことは台湾の生態および環境がこれ以上破壊されず、この土地の人々が持続的に経営・発展してゆけるかどうかである」と指摘。
「こうした試練や挑戦に対して、われわれはだからこそ政権を奪還しなければならない。そして台湾発展の方向性を改め、台湾を正しい方向に向かわせる必要がある。政府の効率と良きガバナンスこそが、次の世代により良い発展機会を残す最大の条件である」そして最後に選対チームの「全線配置」と「勝利に向かって邁進」することで、来年1月14日の同日選挙での勝利を訴えた。


蔡英文総統候補、政策CF「彼らの距離」で貧富格差拡大を指摘 08-18

蔡英文総統選挙対策本部は18日、政策に関する初めてのCFとなる「彼らの距離」を発表した。同じとしかさの若い男性が、生活環境や収入面で天地の差があることを描写。台湾で広がっている貧富の格差問題を浮き彫りにし、公平な社会実現には責任ある政府が必要だと訴えるものだ。
貧富格差拡大によって希望や安定感を失いつつあり、中間層の貧困化も進んでいるなかで、富の分配政策の重要性が高まっている。
賃金所得の最上位および最下位5%の格差は2008年の10倍から75倍にも広がっている。実質経常賃金は12年前の水準に落ちており、月給三万元以下の人口は360万人に達し、これは雇用者全体の半数に達している。さらに月給2万元以下は2年連続で百万人を超えている。


総統選挙対策で桃園客家連絡所を設置、「客家文化を台湾のシンボルに」 08-18

蔡英文総統候補は18日、客家人地区の桃園県平鎮市および楊梅市の後援会設立、および客家連絡站(連絡所)の設置式に出席した。
蔡候補は「民進党は綱領にも多元文化の発展をうたっている。民進党政権時期には客家人に対して数多くの仕事を行ってきた、たとえば行政院客家委員会、客家テレビ、客家学院などの設立である。さらに客家文化の継承のために、客家語の検定認証制度も設けた。民進党の客家文化に対する関心は今後とも不変である。来年民進党が政権を奪還すれば、以前にも増して客家文化の発展を重視するだけでなく、客家人地域における雇用・産業の創造にも力を尽くす。客家文化を台湾文化のシンボルにする」と述べた。


■馬政権の問題点 財政悪化・対中政策失敗

世論調査:72%が「1992年合意」の中身を知らず、「台湾コンセンサス」が主流に 08-27

民進党は27日、馬政権が強調している「1992年合意なるものに関する世論調査結果を発表した。
それによると、72%が「1992年合意」の中身を知らないと答えた。
さらに「一つの中国をそれぞれが解釈する」の「一つの中国」について、馬英九氏が強弁している「中華民国のことである」という点に対して、13.8%だけが賛成。逆に「台湾は中華民国、中華民国は台湾」について69.3%が支持した。
これは民意の主流が「台湾=中華民国」(台湾コンセンサス)と考えていることを示すものだ。
調査は25、26日に実施、成功標本1025、95%信頼水準で、標本誤差は約±3.1%。


農漁品種改良技術が中国に流出 08-02

陳其邁スポークスパーソンは「台湾の農漁業品種改良技術が中国に流出しており、これが台湾の農漁民の生計を直撃している。このままでは台湾の農漁業は全滅になりかねない」と警告を出した。
馬英九氏は「農民のためになる商売をする」「台湾の果物を売るのであって台湾を売ることはしない」などといってきた。しかし実際には品種改良技術が大量に中国に流出している。たとえば

茶:台茶12號、臺茶14號、烏龍;
蓮霧(果物レンブー):黑金鋼、黑珍珠;
ナツメ:印度棗、蜜蚤;
釋迦(シャカトウ):台東1號、鳳梨釋迦;
魚:龍膽石斑、金錢斑、虱目魚、七星鱸;
茸類、蝴蝶蘭

などの品種改良技術が流出している。
中国側は品種保護をするどころか、台湾側の政府機関(農業委員会の七つの改良場、農業試験所)が開発した品種の保護申請を拒否している。さらに1990年代国民党政権時代に農業委員会主任委員を経験した孫明賢氏らが中国農業部の外郭団体によって15の農民創業園顧問に招聘されるなどして、技術流出に拍車をかけている。
また台湾の農産品の海外でのシェアも年々低下しており、たとえば日本で1999年に「食料品、動植物生産品」のシェアは台湾が2位で中国が4位だったのが、2010年には中国産のシェアが13.05%に増えた一方で、台湾は1.49%でしかない。
2010年の台湾の農産品の対日輸出額は前年の92.25億米ドルから86.54億米ドルへと減少している。
主に日本に輸出されているウナギの輸出実績も悪化している。
台湾はかつては「ウナギ王国」の称号すらあったが、馬政権になってから台湾ウナギの対日輸出量は年間8千トンあまりでしかなく、民進党政権時代の年間1万8千トンから1万トンも減っているのである。


2年前の「八八水害」から復興進まず、馬氏は被災地訪問のパフォーマンスより実質を進めるべきだ 08-06

陳其邁スポークスパーソンは6日、2009年のモーナコット台風によって甚大な被害がもたらされた「八八水害」2周年を前に、馬政権の被災地復興事業がほとんど進んでおらず、特に原住民族委員会が管轄する復興事業は7月末現在で進度がわずか37%(117件中34件)に過ぎない現状を指摘、「馬英九氏は選挙の半年前であることを意識して、被災地訪問のパフォーマンスを行ったりしているが、そんなことよりも関係官庁に指示して、復興の進度をあげるなど実質的なことをすべきだ」と指摘した。
馬氏は2年前のCNNインタビューで被災者の避難措置の遅れについて「被災者が避難しようとしなかったからだ」、また先月開かれた復興委員会国際シンポでも「2年前に誰も逃げようとしなった」「復興2年について簡単に総括するとすれば『予防不足、救援は骨が折れ、安置は迅速で、復興は適切な速度』といえる」などと、被災者に責任転嫁し政府を自画自賛する発言を繰り返している。


国民党は民進党の政策の猿真似をするばかり 08-14

2012年の総統・立法委員選挙に向けて民進党は次々と政策を打ち出しているが、これに対して国民党は民進党の政策の猿真似をするばかりで、独自の政策を一切打ち出せていない。
これは特に昨年末の5都市長選挙からはじまったことで、民進党が2007年5月に打ち出した農業基本法、昨年5月の社会住宅、今年3月の国光石化プラント停止と非核家園(脱原発)、今年4月の土着経済にいたる政策である。
首投族(今回はじめて選挙権をもった若者)の支持を訴えるために、今年3月蔡主席は首投族を伴って民進党予備選挙の登録を行ったが、馬英九氏も4月末に同じことをいた。8月になって蔡主席が9月の訪米を発表すると、次の日には国民党が訪米団を派遣することを発表するなど、国民党のやり方には何の創意もない。
しかも民進党が提示している政策はいずれも現在の馬政権が行っていることと反対の場合が多いのに、国民党政権は臆面もなく、ただ真似をしている。逆にいえば国民党が行ってきたことが不評で国民の声に反していることを国民党自身が認めたことにほかならない。

政策     民進党が提示した日付             国民党が後追いした日付
農業基本法 民進党立法院内会派2007/05/11      国民党会派2007/11/07
社会住宅  陳節如2010/05/09・蔡英文2010/08/27  朱立倫2010/09/13・馬英九2010/10/14
国光石化プラント中止 蔡英文2011/03/24        馬英九2011/04/23
非核家園    蔡英文2011/03/24             呉敦義2011/06/30
土着経済    蔡英文2011/04/13             馬英九2011/08/10
非自家用住宅実質課税   蔡英文2011/08/02      呉敦義2011/08/03
首投族     蔡英文2011/03/21              馬英九2011/04/21
訪米団     蔡英文2011/08/10              金溥聰2011/08/13


F-16C/D戦闘機を米国が売却拒否、馬英九に最大の責任がある 08-15

米国が台湾に対してF16C/D戦闘機の売却を拒否していたことが明らかになった。これに対して陳其邁スポークスパーソンは次のように指摘した。
民進党が独自で得た米国筋の情報によると、F-16C/D戦闘機売却問題では馬政権になってから雲行きがおかしくなり、ついに破談となってしまった。
民進党はこれまでF-16A/B改良型とF-16C/D購入の両面戦略をとることを主張してきた。政権担当時に三度にわたって米国に対してF-16C/D戦闘機の購入計画見積書を提出してきた。それにたいして馬英九政権は20回にわたって公開で要求したといっているが、見積書を一度も出していない。これでは米国側が台湾からの正式の購入の意思を確認できるわけがない。
馬英九が野党主席時代、国民党は立法院において兵器購入特別予算案とF-16C/D予算案に何度も反対してきた。馬英九政権になってから中国との交流強化とECFA締結を優先させるあまり、米国に対して武器購入の一時延期を伝えたり、国民党立法委員たちも国防予算を凍結するなどした。さらに米国の学者が明らかにしたとおり、外交部および駐米代表部は米国におけるロビイング活動に消極的になっていた。これでF-16C/Dの購入計画が少なくとも5年は遅れ、購入の絶好の機会を逸してしまったといえる。
すでに両岸の軍事力バランスは喪失しており、台湾の安保は重大な欠落が発生している。民進党が来年政権を奪還した暁には、米国に対して両岸軍事バランス喪失の事実と台湾の国防装備の必要性について説得する。そして米国に対して高性能の武器裝備売却を要請し、国防改革を進め、台湾の「自己防衛の決意」を明らかにする。





馬政権3年で国債が1兆3千億元に急増、「馬氏は敗者の総統」 08-17

民進党の陳其邁スポークスパーソンらは17日会見を開き、馬政権の三年間国債発行高は一兆三千億元を超え、財政を不均衡にしており、馬氏は「敗者の総統」だといえる、と指摘した。
またこの3年間に富裕層への減税総額は1800億元を超えており、政府の財政不足は台湾の国際競争力の最大の障害となっている。フィッチ・レーティングスは今年1月台湾のソブリン(長期国債)の評価を従来のAAからAA-に引きさげた。
基隆河治水工事において、国民党政権は1500億元の予算を編成したが、これは民進党政権時代ならわずか320億元で完成できたものだ。
「中部第二高速道路」でも5000億元の予算編成をしているが、民進党時代には2400億元だった。大潭電器工場も国民党政権の4000億元に対して民進党政権時代は1100億元。この三つの個別案件だけを見ても民進党なら総計6680億元もの予算節減ができたはずである。
国民党の行政能力の低さ、財政政策のまずさこそが、財政赤字拡大の要因となっている。


■陳水扁前総統と家族の司法の人権

陳水扁前総統の長男・陳致中氏が議員解任、「憲法の下の平等」原則に違反した不当な措置」 08-18

高雄市議員陳致中氏が最高裁判所で「偽証罪」で3ヶ月の実刑判決と公民権剥奪が確定したことを受け、17日陳氏の高雄市議員資格が剥奪された。
これに対して莊瑞雄スポークスパーソンは「憲法の下の平等」原則に反した不当な措置だと厳しく批判した。
そもそも刑事事件判決は二重基準になっており、国民党系には甘く民進党系には過度に厳しい。2007年に国民党所属立法委員邱毅氏が抗議で裁判所に車を突っ込んだ事件では有罪判決が確定しながら、裁判所は国会議員ということで民意の基盤があるからという理由で1年2月の有罪判決だったら、公民権剥奪はせず、議員職を解かれることもなかった。
ところが今回は3ヶ月の微罪にもかかわらず執行猶予も与えず、議員職まで剥奪するというもので、これほどの差別待遇はあろうか。子が親の「偽証」をしたからといって法の実務としては罪を過度に追及することはしない。子が親を告発することは期待されないからである。また刑期が短い場合は普通は執行猶予をつける。
ところが今回は陳致中氏に対して執行猶予をつけるどころか、微罪に対してさえ公民権剥奪を決め、3万票あまりの民意の支持で当選した高雄市議員職を剥奪した。
その動機はあまりにも政治的であり、不当である。


陳水扁国務機密費事件の再審で汚職について無罪判決 08-26

陳水扁前総統の国務機密費事件について再審判決で汚職・横領について無罪が言い渡された。これに対して陳其邁スポークスパーソンは26日、「民進党は一貫して司法の人権を擁護する立場に立ってきた。今後とも当事者の人権がまもられるかどうか注視してゆきたい」と述べた。


■中央常務委員会・執行委員会

第14期第36次中央常務委員会 08-03

第14期第36次中央常務委員会が3日開かれた。
台湾大学職業医学および工業衛生研究所教授詹長權氏に「第六ナフサ工場の安全問題および管理」について報告してもらった。これはここ数ヶ月に7回も事故を起こしている第六ナフサ工場について、会社側および中央政府の監督責任について専門の立場から分析してもらったものだ。
蔡主席は、「この問題で政府の対応は遅れに遅れた。政府は現行法規の見直しをする必要があり、専門家などからなる特別部会を設置してさまざまなセクター間の協調を行い、業者と地方政府とともに補償問題にあたるべきだ」と指摘した。


第14屆第37次中央常務委員会 08-10

第14屆第37次中央常務委員会が10日開かれた。
中央研究院の胡勝正院士に「最近の国際金融情勢分析」と題して報告してもらった。
その後政府債務が増えている問題について議論し、政府は効果的な債務管理プランを提示し、財政均衡を目指すべきだ、民進党が政権に復帰したあとは政府債務を着実に減らすプランを実施していく、とした。


第14期第38次中央常務委員会 08-17

第14期第38次中央常務委員会が17日開かれた。劉建忻副秘書長が「十年政綱(マニフェスト)」について進行状況を報告。24日から順次公表していくことを明らかにした。




第14期第17次中央執行委員会 08-24

第14期第17次中央執行委員会が24日開かれた。
当選困難選挙区の立法委員候補として、新北市第九区許又銘、桃園県第五区彭添富、山地原住民曾智勇の各氏を決定した。
またこの日提出された「十年政綱」、党大会に提出される「台湾新世代社会経済決議文」などの重要文書についても承認した。


第14期第39次中央常務委員会 08-31

第14期第39次中央常務委員会が31日開かれた。
徐佳青委員が、問題が多い北部高校統一入試制度の現状について分析報告した。
蔡主席は、この問題は国民党政権全体の統治能力の低さを示すものだと指摘した。
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