2011年12月3日土曜日

蔡英文候補、総統選挙第一回テレビ弁論会で「台湾コンセンサス」を強調


 蔡英文総統候補は3日、総統選挙第一回テレビ弁論会で「台湾コンセンサス」を強調した。

・馬総統は良好な経済指標ばかり挙げて経済実績を自画自賛しているが、一般庶民の実感は異なる。仕事がない、物価と不動産価格が高騰する一方で所得が上がらず社会の不公正は増大するばかりであり、台湾の国家主権も喪失しつつあるという不安感も増している。

・馬政権の経済対策は三年間に一兆三千億もの起債をし、財政赤字を増大させただけだ。

・馬政権は情勢認識が欠如しているため、誤った政策ばかり進めている。

・馬総統が自画自賛している両岸交流拡大だが、対策をしないため、台湾国内の格差拡大、不動産価格高騰、産業空洞化の加速により、台湾の競争力は減退する一方だ。

・馬政権の行政能力は低い。それは核心理念がないためだ。一貫した計画がなく、責任感もない。

・民進党が政権に復帰すれば国民党とは異なり、経済成長率の数字だけを見るのではなく、国民の福利を第一に考える。マニフェスト「十年政綱」を着実に実行する。

・端的に言えば、

 (1)産業発展は世界と台湾の地方を連結させる

 (2)中国に依存するのではなく均衡ある経済関係を発展させる

 (3)経済発展の果実を一部の富裕層に集中させるのでなく、全国民に分配する。

 都市と農村の均衡、公平、世代間のバランス、格差是正に取り組み、馬政権が作り出した「一つの台湾、二つの世 

 界」という格差社会を是正する。

 (4)財政の健全化を進め、「四年で赤字半減、八年で財政均衡」を目指す

・党派を越えて人材を広く登用し、専門的で効率の高い、クリーンな政府を目指す。

・政権交代の準備期間中に産業発展戦略部会を立ち上げ、広く民間の知恵を結集し、経済を立て直す。

・台湾で初めて女性の総統候補となった。これは台湾社会の進?、多様性、寛容を物語るものである。

・今回の選挙は族群,性別で争うのではなく、国家発展戦略、政策の内容と能力が問われる。

・今回民進党は小額カンパに頼る新たな選挙戦に訴えている。その象徴がブタの貯金箱を使った「3匹の子豚」作戦である。

・政府の責任は、国民生活の苦しい部分を把握し、機会を創造することだ。

・過去四年間、貧富格差は拡大し、中間層が貧困化してきた。台湾の国家主権と尊厳も損なわれた。それを解決するには、政府を変えるしかない。

 蔡英文総統候補は弁論会の後、記者会見で次のように語った。

・弁論会では私が提案している「台湾コンセンサス」がテーマになった。コンセンサスの結集は総統の責任で行うべきで、当選後は馬総統、宋主席とただちに会談を行う用意がある。

・「台湾コンセンサス」を基盤にすることで台湾の総統が中国と交渉する場合、台湾全体の民意を背景にした強みを持つことになり、両岸関係はますます安定化する。

・宋楚瑜主席も「台湾コンセンサス」を肯定し、馬英九総統も肯定した。コンセンサス形成に向けて様々な意見が表明されるべきだ。しかし結集は必ず民主的手続きを経なければならない。

・民進党の立場は明快だ。台湾は主権独立国家であり、現在の名称は中華民国だ。



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