2012年1月1日日曜日


民主進歩党ニュースレター(日本語版)月刊
第 159号
2011年12月31日
発行:民主進歩党本部国際事務部

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          蔡英文総統選対本部:新北市板橋區縣民大道二段80號
          発行人:蔡英文
        編集人:蕭美琴

(本号は 9ページ)

目次

蔡英文総統候補、総統選挙第一回テレビ弁論会で「台湾コンセンサス」を強調 12-03
蘇嘉全副総統候補、テレビ弁論会でこれまでの実績を強調 12-10
蔡英文候補、第二回テレビ弁論会で「4つの第一」実現を約束 12-17
蔡英文候補、総統候補第一回政見発表会で中小企業・失業対策を提示 12-23
蔡英文候補、第二回政見発表会で両岸関係のさらなる安定を約束 12-30
美麗島事件32周年記念日 蔡英文主席「来年政権交代で台湾は前進する」 12-10
貯金箱募金「3匹の子豚」運動さらに拡大 12月10日・18日



蔡英文総統候補、総統選挙第一回テレビ弁論会で「台湾コンセンサス」を強調 12-03

 蔡英文総統候補は3日、総統選挙第一回テレビ弁論会で「台湾コンセンサス」を強調した。

・馬総統は良好な経済指標ばかり挙げて経済実績を自画自賛しているが、一般庶民の実感は異なる。仕事がない、物価と不動産価格が高騰する一方で所得が上がらず社会の不公正は増大するばかりであり、台湾の国家主権も喪失しつつあるという不安感も増している。
・馬政権の経済対策は三年間に一兆三千億もの起債をし、財政赤字を増大させただけだ。
・馬政権は情勢認識が欠如しているため、誤った政策ばかり進めている。
・馬総統が自画自賛している両岸交流拡大だが、対策をしないため、台湾国内の格差拡大、不動産価格高騰、産業空洞化の加速により、台湾の競争力は減退する一方だ。
・馬政権の行政能力は低い。それは核心理念がないためだ。一貫した計画がなく、責任感もない。
・民進党が政権に復帰すれば国民党とは異なり、経済成長率の数字だけを見るのではなく、国民の福利を第一に考える。マニフェスト「十年政綱」を着実に実行する。
・端的に言えば、
 (1)産業発展は世界と台湾の地方を連結させる
 (2)中国に依存するのではなく均衡ある経済関係を発展させる
 (3)経済発展の果実を一部の富裕層に集中させるのでなく、全国民に分配する。
 都市と農村の均衡、公平、世代間のバランス、格差是正に取り組み、馬政権が作り出した「一つの台湾、二つの世 
 界」という格差社会を是正する。
 (4)財政の健全化を進め、「四年で赤字半減、八年で財政均衡」を目指す
・党派を越えて人材を広く登用し、専門的で効率の高い、クリーンな政府を目指す。
・政権交代の準備期間中に産業発展戦略部会を立ち上げ、広く民間の知恵を結集し、経済を立て直す。

・台湾で初めて女性の総統候補となった。これは台湾社会の進?、多様性、寛容を物語るものである。
・今回の選挙は族群,性別で争うのではなく、国家発展戦略、政策の内容と能力が問われる。
・今回民進党は小額カンパに頼る新たな選挙戦に訴えている。その象徴がブタの貯金箱を使った「3匹の子豚」作戦である。
・政府の責任は、国民生活の苦しい部分を把握し、機会を創造することだ。
・過去四年間、貧富格差は拡大し、中間層が貧困化してきた。台湾の国家主権と尊厳も損なわれた。それを解決するには、政府を変えるしかない。

 蔡英文総統候補は弁論会の後、記者会見で次のように語った。
・弁論会では私が提案している「台湾コンセンサス」がテーマになった。コンセンサスの結集は総統の責任で行うべきで、当選後は馬総統、宋主席とただちに会談を行う用意がある。
・「台湾コンセンサス」を基盤にすることで台湾の総統が中国と交渉する場合、台湾全体の民意を背景にした強みを持つことになり、両岸関係はますます安定化する。
・宋楚瑜主席も「台湾コンセンサス」を肯定し、馬英九総統も肯定した。コンセンサス形成に向けて様々な意見が表明されるべきだ。しかし結集は必ず民主的手続きを経なければならない。
・民進党の立場は明快だ。台湾は主権独立国家であり、現在の名称は中華民国だ。


蘇嘉全候補、副総統候補テレビ弁論会でこれまでの実績を強調 12-10

 蘇嘉全副総統候補は10日、テレビ弁論会でこれまでの実績を強調した。

・前の民進党政権時代には新幹線が全線開通、雪山隧道開通、基隆河治水事業完成、中部科学園区開設などに漕ぎ着けたが、馬政権は実績が何一つないだけでなく、前回の公約はすべて白紙になっている。
・前の民進党政権最後の台湾株価は9303Pだったが、馬氏は2万Pを目指すといいながら、現在まで7000P以下のレベルで低迷している。私が農水大臣だったときには農家一軒あたり所得は94万元だったのに、現在は88.5万に下落している。民進党政権時代の2007年には政府財政収支は均衡点に近づいていたが、馬政権は再び赤字を増大させた。以前の失業人口41万人が今や48万人に増えた。
・馬氏は台湾を変えるといっていたが、実際に変わった。悪い方向に。賃金水準は13年前に後退し、貧富格差は拡大、生活物価と不動産価格は高騰している。

・馬政権はクリーンだといっているのが、実際にはあらゆる不凄選挙は国民党員のしわざだ。こんな政党が台湾を良くし、世界と競争できるように導けるだろうか?
・台湾は中国とだけ付き合えばよいのではない。中国は台湾が付き合うべき国の一つに過ぎない。中国とは平和と安定を維持する。そして台湾はさらに広い世界と付き合い、連携しなければならない。そうした思考が今の馬政権には欠けている。
・未来の蔡英文政権はクリーンで効率と能力が高い政府となることを約束する。


蔡英文候補、第二回テレビ弁論会で「4つの第一」実現を約束 12-17

 蔡英文総統候補は17日、第二回テレビ弁論会で「4つの第一」実現を約束した。

・最近メディアで暴露されたように、馬政権は政府の調査局を悪用して野党の動静を監視、ネガティブキャンペーンを行っている。これは行政の中立性を損ない、無視するもので、民主主義を後退させるものだ。
・私は台湾の将来について「四つの第一」を約束する。それは民生第一、公平第一、持続性第一、民主主義第一である。
 (1)民生第一:弱者・高齢者の福祉サービス充実、公共託児システム整備、社会福祉住宅整備、12年義務教育、高校入試免除。
 (2)公平第一:貧富格差と都市・農村格差の是正、税負担の公平化、1000億元の郷村発展基金設立、派遣労働者の同一労働・同一賃金実現。
 (3)持続性第一:財政健全化、2025年脱原発、グリーンエネルギー産業育成。
 (4)民主主義第一:市民・専門家の政策形成参加促進、司法改革、「台湾コンセンサス」による両岸関係安定。

・今回の選挙は、政策内容と能力以外にも、誰が社会的コンセンサスを結集し、台湾を国民を団結させる能力があるかを問う選挙だ。
・2008年民進党は下野してから徹底的に自己反省してきた。
・蔡英文を支持する人たちは一般庶民であるが、馬総統の支持者は自家用飛行機を持つ金持ちばかりだという違いがある。
・市民の力が台湾と民進党と蔡英文を変えた。「3匹の子豚」はその象徴だ。
・この3年あまり草の根の声はいずれも新たな政治、新たな社会、新たな経済を求めるものだった。激情と対立はやめて、理性と成熟さが民主主義に必要だ。民主主義によって台湾を団結させ、台湾を守るべきだ。
・将来蔡英文の政府は(1)党派を越えて広く人材を集め、(2)両岸政策など重大な政策には民主的手続きを重視した安定した政治運営を進め、(3)絶対的にクリーンな政府となる。


蔡英文候補、総統候補第一回政見発表会で中小企業・失業対策を提示 12-23

 蔡英文総統候補は23日、第一回政見発表会で中小企業・失業対策を提示した。

・台湾は中華民国であり、中華民国は台湾である。私のいう中華民国とは、台澎金馬であり、淡水河、濁水渓、高屏渓,嘉南平原,タロコ峽谷からなるこの土地である。
・台湾と呼ぼうが中華民国と呼ぼうが、この土地で奮闘しているのは2300万の台湾人民であり、安身立命の場所である。
・しかし馬総統の眼中の中華民国とは北京が主張するのと同じく、長江、黄河、黒龍江、青康蔵高原からなる「一つの中国」のようだ。
・総統の責任は、国家主権の防衛であり、台湾の自由と民主主義の現?を守り、国民が将来も安心できるようにすることだ。
・しかし馬政権下で国民の不安は増大している。一つの中国という思考の下で両岸平和協定なるものを持ち出し、台湾の自由で民主的な現状の改変をもくろんでいる。もし馬氏が再選されたら最終的統一に向かうことになる。
・馬政権下で主権と民主主義が損なわれた以外にもガバナンスと経済運営の能力不足から国民の不安は増大している。
・馬政権の経済対策は二通りしかない。(1)対中傾斜と対中経済協定ECFA。しかしこれによって台湾経済はますます悪化した。(2)大量の起債、国家予算の浪費。
・台湾の産業は内外さまざまな困難に直面している。これに対してわれわれは「産業固本(台湾本国で基礎を固める)」戦略、つまりグリーンエネルギー化、知識化、在地化を提示している。
・TSMCの張忠謀会長が述べた「政府は台湾の産業を大事にすべきだ」ということの実践である。
・政府は二つの原則が必要だ。(1)指導者が政策内容を把握し、誇張や隠蔽をしないこと。(2)問題に立ち向かい解決する勇気と知恵を持つこと。これが馬政権には欠けている。私にはできる。
・民生問題について、政府がやるべきことは
 (1)台湾産業のパートナーとして、新たな輸出市場を開拓する
 (2)土着在地経済と連携し、グローカル化を進める
 (3)財政健全化を進める
中小企業・伝統産業について
 (1)中小企業が安心できる経営環境を整備する
 (2)為替とエネルギー価格の安定性に気を配り、政府が緩衝材となる
 (3)大学など研究機関が中小企業を全面的に支援する仕組みをつくる
 (4)中小企業のための国際マーケティングチームをつくる
失業・労働者対策として
 (1)失業した若者への短期的「失業手当」支給
 (2)失業者認定基準の緩和
 (3)雇用保険基金を財源として無給休暇労働者に「短期労働手当」支給

・馬総統は「もし1992年合意を認めなければ両岸関係は後退する」などと脅迫しているが、これは北京の主張と同じであり、台湾人の将来の選択権を奪う暴言だ。
・馬総統に逆に聞きたい。国家主権と民主自由がなくなれば、台湾が残るのか?
・私がいう「台湾コンセンサス」とは重要な政策を民主的手続きに合致するよう多数派の合意を結集することだ。しかし馬政権のいう「1992年合意」は民主的手続きを経たものではない。
・台湾社会のコンセンサスは次の4点がある。
 (1)台湾の国家主権と民主主義の確保
 (2)台湾海峡の恒久的平和の確保、それには中国が台湾武力発動を放棄すべきだ
 (3)両岸政策は持続的で安定的であるべきで、拙速は禁物だ
 (4)多元的で相互尊重、民主主義と寛容によって台湾と国民の力を結集する
・選挙勝利の暁には国内各界、中国などと対話を行う。中国側も台湾人の選択権を尊重するものと信じる。将来の両岸関係は前進すれども後退しない。
・政権交代準備期には現政権・国会と「安定経済対策小組(経済対策安定部会)」を設立し、国内経済・金融情勢に対応する。
・「両岸対話工作小組(部会)」を設置し、中国と対話を行う。
・女性政治家として、女性の社会的な働きにより強い関心を持つ。


蔡英文候補、第二回政見発表会で両岸関係のさらなる安定を約束 12-30

 蔡英文総統候補は30日、第二回政見発表会で両岸関係のさらなる安定を約束した。

・2008年台湾人760万票の支持で馬氏を総統府に送り込んだうえ、四分の三という圧倒的多数の国会の議席を与えた。当時馬総統は六三三政策,すぐに良くなる、完全執政、完全責任といっていた。
・だが2009年に八八水害が発生した際、馬総統はすべての責任を地方政府に押し付けようとした。しかも総統自身は水泳に行き、高官の一人は父の日の宴会に参加していた。天災は非情だが、馬政権の対応はそれ以上に非情だった。
・経済悪化にあたって政府が支援すべきなのは中小企業、中下階層,労働者、農民、サラリーマンだが、馬総統が支援したのは大企業、および少数の「お友達」だった。
馬総統は自ら強い「優越感」を持ちつつ国民には「連帯感」を持たない。
・今国民は問題のすべては「適格でなく、責任感もない」総統に起因していると悟るにいたった。
・馬主席は最近「1992年合意」なるものをしきりに強調し、それを使って国民を脅迫している。しかし「1992年合意」なるものを強調した結果、台湾は何を失い、何を犠牲にしたか?
・そこで私は「台湾コンセンサス」の重要性を指摘している。民主的手続きで台湾の多数の合意を形成することこそが、台湾国内と対中関係を安定化させる。

・最近メディアが暴露したところでは国民党は国家機関と資源を悪用し、選挙への介入をおこなっている。特に諜報機関を動員している。これは選挙の公平性と民主主義を毀損する行為だ。
・民生問題についてだが、現在多くの若者が収入と雇用が不安定で、結婚と子女の養育費が高つくため、将来に希望が持てない状態だ。
・馬政権は政府の予算を無駄なイベントに浪費するだけだ。私は政府の予算をこうした若者や弱者のために使う。
・若者だけでなく、多くの家庭で高齢者や心身障がい者の面倒を見る必要性が高まっている。これに対して民進党は、四年で四百億の予算を計上して町内ごとの長期的ケアシステムを整備、専門の人材を育成・投入する。

・以前国民党は言っていた。民進党が政権をとると中国が侵略してきて、株式市場は崩壊し2000Pに落ちると。民進党8年の政権で実際にそんなことは起こらなかった。逆に株価は上昇した。馬総統になってむしろ株価は下落している。
・ところが現在国民党は自らの失政を棚に上げるべく再び同じことを繰り返している。馬総統が落ちたら両岸関係は悪化し、株は下落し、台湾はフィリピンになると。これは国民の知性と知恵をみくびった物言いだ。
・蔡英文の政府は両岸関係を安定化させる。
・台湾は生命力であり、意志の力の源泉だ。
・残念なことに、馬政権は台湾の強みを理解してこなかった。
・私は馬総統とは違う。台湾国民とともにあって困難な時期にある台湾を新たな方向へと導くことができる。


美麗島事件32周年記念日 蔡英文主席「来年政権交代で台湾は前進する」 12-10

 蔡英文主席は10日、「美麗島事件32週年守護台湾人權之夜─用?心?e光 守護自由民主e台湾(美麗島事件32周年台湾人権守護の夜-われらの胸中の光で自由と民主主義の台湾を守ろう)」活動で演説した。
・台湾の民主主義はまだまだ完全に成熟したものではないが、今後アジアで最も民主的な国になる潜在力を持っていると思う。
・馬政権下3年あまりで台湾の民主主義と人権は後退した。2008年の陳雲林台湾訪問時の事件が好い例である。
・1979年の美麗島事件と2008年陳雲林事件とでは32年の隔たりがあるが、いずれも共通しているのは執政者の非民主性である。
・台湾の人権は後退することもあったが、有権者がより理性的で成熟しつつあることは事実である。理性的で成熟した国民は来年神聖な一票で政府を換えるだろう。市民の力で、国民の政党を支持しともに台湾を変え、三度目の政権交代を実現し、台湾はさらに前進するだろう。


貯金箱募金「3匹の子豚」運動さらに拡大 12月10日・18日

 庶民がブタの貯金箱への小額の募金を持ち寄り蔡英文総統候補を支える「3匹の子豚」運動が「Save money,Save TAIWAN」を掛け声に拡大の一途を見せている。
 10日には主会場である台北市凱達格蘭(ケタガラン)大道(総統府前広場)をはじめ全国各地で午前9時半から「子豚大集合」集会が開かれた。
 資源も党財産もない民進党を庶民の味方の義賊ロビンフッドに擬して「ロビンフッドが暴虐腐敗の強権政治を打倒したのは多くの庶民の支持があったからだ。子豚は3匹だけでなく何千、何万と集まり、公平正義の力となることで強大な国民党権力を凌駕することができる」という趣旨。
 10日台北市の会場には氷雨の中、5万人以上が参加。
 蔡英文総統候補は「3匹の子豚で国民党という大怪獣を倒そう」と呼びかけた。
12日の集計では、主会場、各地の選対本部などに7万個の貯金箱が集まった。

 18日には「全国小豬回娘家」(実家に戻る)と題して各地に届けられた10万個の貯子豚の貯金箱が全国選対本部に集められた。
 114人の若者ボランティアがさらに1万8千個あまりの貯金箱を満杯にし、「公平正義で台湾を一杯に」「蔡英文当選」などと気勢をあげた。
 蔡英文主席は20日、「子豚は全部で十二万個以上にのぼり、まだ続々と全国本部に向けて輸送途中だ。これは小額献金を集めた台湾史上最高記録となった」と成果を語った。


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