2012年8月5日日曜日

民主進歩党ニュースレター(日本語版)月刊 第 158 号



民主進歩党ニュースレター(日本語版)月刊
第 158 号
2012531
発行:民主進歩党本部国際事務部

台湾台北市北平東路3010F
TEL: +886-2-2392-9989
FAX: +886-2-2 393-0342
HP: http://www.dpp.org.tw (日本語版あり)
E-mail:  foreign@dpp.org.tw
発行人:陳菊
        編集人:蕭美琴



 今月の主な記事

 馬英九総統の不満度70.2%で記録更新 林俊憲「国民からの信頼基盤が崩壊」
 馬英九総統の不満度は、記録更新となる70.2%で、満足と答えたのはわずかに25%だった。最近のラクトパミン含有食肉問題や民生物資の値上がりが民衆の怒りを引き起こし、60.6%がデモによって政府に対する不満を表明することに賛成と述べた。デモに賛成する割合はこれまでの調査で最高を記録している。
 
 民進党 第14代党主席選挙結果
 蘇嘉全秘書長は本日夜、蘇貞昌候補が55,894票を獲得して民進党第14代主席に当選したと発表した。投票率は68.62%で、党員の誰もが党の発展に関心を持ち、積極的に選挙に参加した結果だとした。また、選挙の終了は同時に団結して努力するスタートであり、党員が結束して蘇主席を支持し、台湾のより美しい未来の為に共同で奮闘することを求めた。

 蘇貞昌主席 就任挨拶
 民進党第14代主席に当選した蘇貞昌氏は30日午後、就任式を行った。蘇氏は、民進党は全ての台湾の人々の幸せのために力を尽くし、国民への3つの保障として「台湾の民主の価値を護り、台湾の未来は台湾人が決める」「全ての台湾人の権利を護る」「台湾の永続的な発展のために努力する」との3点を挙げた。



目次
林右昌「失政であらゆるものが値上がり、馬総統は公開謝罪を」 2012-05-01
民進党 第1459次中常会プレスリリース 2012-05-02
「苦しい生活に総統は責任を」。各界に519デモへの積極参加を呼びかけ 2012-05-03
林俊憲「陳光誠氏の安全を確保するとともに、違法な人権侵害をやめるよう呼びかけ」 2012-05-03
馬総統の満足度25.8%で低記録を更新、57.9%の回答者がデモによる抗議を支持 2012-05-04
馬総統に抗議する「台湾義民軍」が始動 2012-05-08
民進党 第14回第60次中常会プレスリリース 2012-05-09
林俊憲「内閣の全面改造を。陳冲氏は最組閣してはならない」 2012-05-10
林俊憲「検察は速やかに『夢想家』事件に関する呉敦義氏の調査を」 2012-05-10
陳菊代理主席「陳水扁元総統に迅速な病院での治療を」 2012-05-10
「官の逼迫に抵抗・青年の不満」記者会見プレスリリース 2012-05-10
林俊憲「財政部長に劉憶如氏は不適任」 2012-05-11
「民衆の心の声」映像募集 林俊憲「馬英九に民衆の声を聞かせよ」 2012-05-15
蕭副総統「日中韓FTAは台湾に大きな圧力」 林俊憲「任期満了前に吠えても無意味」 2012-05-16
香港学生に対する暴行、陳菊代理主席が大きな関心 2012-05-16
民進党 第14回第61次中常会プレスリリース 2012-05-16
馬英九総統の不満度70.2%で記録更新 林俊憲「国民からの信頼基盤が崩壊」 2012-05-17
怒りを!原住民も519デモに参加を! 2012-05-17
「秩序を守って参加を!」 519デモの規則を発表 2012-05-18
519デモ集会、陳菊代理主席 演説全文 2012-05-19
馬英九総統の就任演説に対する陳菊代理主席談話 2012-05-20
林右昌 「一国二区」は現状を変更し、国家主権に深刻な影響を与える 2012-05-21
馬総統「時期を過ぎれば値上がりもおさまる」 林俊憲「事実と乖離、荒唐無稽」 2012-05-23
民進党 第14代党主席選挙結果プレスリリース 2012-05-27
蘇貞昌主席 就任にあたっての挨拶 2012-05-30
編集後記



 林右昌「失政であらゆるものが値上がり、馬総統は公開謝罪を」 2012-05-01

 馬総統が1日深夜、電力価格の調整を三段階にすると発表したことについて、民進党の林右昌スポークスマンは、問題はいくつかの段階に分けて調整することにあるのではなく、そもそもこの時期に政府は石油・電力価格を値上げするべきではないということにある、と述べた。また、一連の誤った政策によって国内のあらゆる物が値上がりし、経済に打撃を与えている。民進党は馬英九総統が公開で謝罪することを要求するとともに、関与した部会のメンバーは責任を負って辞任するべきと強調した。

 また、馬政府の施政は無能であり、結果的に国内景気の持続的な低迷を招いており、国民の実質所得は13年前の水準に後退した。石油・電力価格の問題について、馬総統の進退はきわまっており、馬政府の閣僚に執政能力がなく、密室で政策を決定していることが明らかになったのみである。

 民進党は景気や国民の所得に改善されるまで、政府は石油・電力価格を据え置くべきだと考える。馬政府は民意の反対にもかかわらず、独断で値上げを断行することは、政府が全面的なインフレを引き起こし、あらゆる物資の値上がりを誘引する。そして経済発展と消費者信頼感指数に打撃を与え、国民生活の苦しさを拡大させる結果となるだろう。こうした誤った政策に対し、民進党は馬総統に公開謝罪を要求するとともに、陳沖行政院長、施顔祥経済部長、陳貴明台湾電力董事長に対してもその政策決定が停滞性インフラを引き起こした責任を負って辞任すべきである。


 民進党第1459次中常会プレスリリース 2012-05-02

 民進党は2日、第1459次中常会を招集し、「519デモ」の主題を「日子歹過、總統踹共(苦しい生活に総統は責任を)」に設定し、馬総統に対し、520日の就任演説の中で具体的に国民に対し、石油・電力価格の値上げ停止、ラクトパミン混入食肉輸入の禁止、「一国2区」発言の撤回を求めることとした。民進党の林右昌スポークスマンは、「519デモ」は民進党一党で行うのではなく、台湾全体の国民が怒りを表現するためのもので、社会団体や世代、職業などにかかわらず参加を呼びかけており、当日は一緒に立ち上がることを強調した。

 馬総統が前日深夜に電力価格の値上げを三段階にすると発表したことについて、林スポークスマンは陳菊・代理主席のコメントとして「石油・電力価格の問題は、1段階や3段階といったところにあるのではない。問題の所在は、値上げするかしないか、のみである。我々の経済、国民に値上げを受け入れられる余裕があるのか。一国の元首が重大政策を発表する場合、公明正大に行われるべきであり、こっそりとされるべきではない。国家元首である馬総統が深夜に重大政策を発表したことは、国家元首でありながら、密かに発表することで、メディアと国民の監督による非難の突き上げを回避しようとしたもので、決して受け入れられるものではない。これは明らかに馬総統が国民の非難を受けるのを知りながら、それでも独断と矛盾にあふれた政策を強行する証拠である。

 民進党は再度、馬総統に呼びかける。これほど景気が低迷し、国民所得が13年前の低水準の現在、石油・電力価格を大幅に値上げした場合、必ず停滞性インフレを引き起こし、経済に打撃を与えるとともに、国民の基本生活に大きな影響を及ぼす。馬総統はこのことについて真摯に考えるべきは、誤った経済政策をどのように調整するべきかよく検討することであり、すでに困窮を極めた国民生活をより一層追い込むことではない。

 また、多くの経済学者が憂いていることは、市場の予測心理により、馬総統の三段階値上げは、物資の値上げ状況を悪化させる結果しか生み出さない。馬総統にもう一度伝えたいのは、国民の所得、景気の状況が好転するまでは石油・電力価格を値上げするべきでないということだ。それでも馬総統が独断専行するのであれば、国民はついには最大の怒りをぶちまける結果になるだろう。「519デモ」において、我々民進党は国民とともに街頭を歩き、馬政府に対して強烈な責任追及を表明する。」


 「日子歹過、總統踹共(苦しい生活に総統は責任を)」。各界に519デモへの積極参加を呼びかけ   
 2012-05-03

 民進党「520特別案グループ」の潘孟安・招集人と林俊憲スポークスマンは3日、「日子歹過,總統踹共(苦しい生活に総統は責任を)」デモの規則を発表した。19日のデモは3路線に分かれ、「生存」隊は旧松山タバコ工場、「公平」隊は台湾大学、「安全」隊は萬華駅をそれぞれ出発する。午後3時集合、4時出発、5時には終点の北平東路と林森北路の交差点に到着し、集会を行う。予定終了時間は午後9時である。

 潘孟安・中常委員は沈痛な面持ちで519デモの内容を発表した。というのも、民進党は2012年の選挙において有権者の信頼を獲得することが出来なかったために今日、あらゆる業種が不景気で、安心して日常生活を送れない状態を惹起したと語る。馬英九は独りよがりで政権を思うままにしているにもかかわらず、責任逃れの発言を繰り返している。執政者は国民の声に耳を傾けようとせず、有権者の怒りも馬の耳に念仏。鳥インフルエンザの発生を隠蔽し、ラクトパミン含有食肉の輸入解禁を強行、さらに石油・電気料金の値上げを断行した。「選挙前のスローガン『居住の正義』『黄金の十年』『台湾国民に換骨奪胎を』は、蓋を開ければ台湾国民を陵辱するものでしかなかった。民進党は台湾国民と共存共栄する立場に立ち、有権者が声を挙げる場を築かざるをえない、と話した。

 また、潘孟安委員は、今般のデモは政党の活動を超えたものであり、政治上のブルー陣営とグリーン陣営の対立とは異なるものとし、民進党は各社会運動団体、公民団体、その他の政党にも共同参加を呼びかけており、馬英九総統に国民の声を聞かせることで、その態度を変えさせ、手遅れにならないようにするものとした。民進党は馬英九総統に対し、114日以来執政は乱れきっており、朝令暮改、独断専行の政治責任を具体的に負わなければならないとし、国民に対する公開の謝罪と、陳沖行政院長の更迭を求めると語る。民進党は520日の就任演説で、馬英九総統が石油・電気料金の値上げを停止し、ラクトパミン含有食肉の輸入を解禁せず、「一国二区」の主張を撤回することを国民に約束することを望むと話した。

 520日、総統府内で行われる馬総統の就任式典のため、政府は27平方キロにわたる広大な交通管制エリアを設定し、国民が不満を表明する権利を剥奪するとともに、民進党が管制エリア外で集会を行わざるをえないようにしている。民進党では520日の当日も、各県市で同時に抗議活動を行うことにしており、519デモに参加できない民衆も、これによって馬政府に不満をぶつけられるとしている。

 潘孟安委員と林俊憲スポークスマンは紫地に黄色で「怒」と書かれた横断幕を掲げ、紫は「正義」を表すと説明した。検察官の法服は紫色であるし、国内外の多くの社会団体が紫をシンボルカラーとしている。そのため、紫は抑圧された国民のシンボルカラーとしている。台湾では、紫はブルーとグリーンを超越する象徴であり、今回のデモの要求である石油・電気料金の値上げ反対、ラクトパミン含有食肉の輸入反対、「一国二区」の撤回要求など、多くの国民の声を代表しており、政党を超越し、政治を超越するものだと語った。

 メディアから質疑のあった、中常会で前日に成立した「罷免グループ」について、林スポークスマンは以下のように話した。
 中常会の席上、ラクトパミン含有食肉の輸入解禁を支持した立法委員の罷免支持、総統の罷免などの声が上がった。そのため、陳菊代理主席の指示により、罷免要求の意見について一歩踏み込んだ研究を進めるためにこのグループが結成されている。罷免は憲法によって賦与された国民の権利であり、最終決定権は国民の手中にある。


 林俊憲「中国政府に対し、陳光誠氏の安全を確保するとともに、違法な人権侵害をやめるよう呼びかけ」 
 2012-05-03

 中国の人権活動家である陳光誠氏とその家族が違法に監禁や暴力を受けているなどの件に対し、民進党の林俊憲スポークスマンは「民主、自由、人権は普遍的な価値であり、政府によって侵害されることは許されない」と語った。また、中国政府に対しては、陳氏とその家族の人身の安全や自由を確保するとともに、国民の民主自由や人権保障に対する切望を正視し、署名した2つの国際人権規約を遵守して非法、不当な手段による国民の基本的人権の侵害を停止するよう呼びかけた。


 馬総統の満足度25.8%で低記録を更新、57.9%の回答者がデモによる抗議を支持 2012-05-04

  民進党の林右昌、林俊憲の両スポークスマンは4日午前、「民衆の怒りは頂点に、総統は責任を負うべき」と題した世論調査の結果を公表した。調査結果によると、馬英九総統に対する施政満足度はワーストを更新し、満足と回答したのはわずかに25.8%、不満と回答したのは65.4%にのぼった。政権与党への不満に対し、57.9%の回答者がデモによる抗議で不満を表明することを支持したという。

 また、米国で発生した狂牛病の病例に関し、68.1%が「狂牛病の危険性の高い部位をコントロールすれば、米国牛肉は安全」との政府見解は信用出来ないと答え、75.0%が米国からの牛肉輸入を禁止するべきと答えている。さらに、三段階による電気料金値上げ政策については、68.9%が物価上昇の抑制には無意味と考えており、67.6%が三段階値上げは、三度の物価値上がりを誘発すると認識しており、国民生活はより一層不利になるとしている。
 この調査は、52日と3日の夜に行われ、訪問対象は20歳以上の投票権を持つ台湾公民で、1303のサンプル取得に成功、信頼区間は95%で、抽出誤差は±2.7%。内政部が20121月に行った人口統計の年齢、性別、戸籍を参考にしている。
 
 林右昌スポークスマンは、世論調査機関の追跡調査によれば、35日から現在まで、馬英九総統の施政満足度は持続的に下降を続けており、51日に電気料金の三段階値上げを発表すると、満足度はワーストを更新、この政策が国民から全く支持されていないことを明示していると語った。

 320日以降の、街頭デモに対する世論調査でも、馬英九総統が三段階の電気料金値上げを発表した後、デモに賛成する民衆の数値は57.9%と急上昇している。林右昌スポークスマンは、世論調査は馬英九総統の三段階調整措置が国民に認められていないだけでなく、火に油を注ぎ、民衆の怒りを買う結果になったと強調、もはや政権運営全般がデタラメだと評した。

 馬総統に抗議する「台湾義民軍」が始動 2012-05-08

 北部6県市の客家団体による「台湾義民軍」活動が始動し、8日午後10時から苗栗市義民廟において式典が行われた。式典には、客家人作家の李喬氏ら6名の客家団体代表が出席、客家人の故郷を守る精神を発揮し、519反馬政府デモに協力するとともに、台湾国民の権益、主権、尊厳を守ろうと訴えた。

 馬総統は政権発足以来、客家に対する公約をことごとく空手形にしてきた。「言語法制度の確立」「客家特色産業発展基金」「客家文化重点発展区の設置」「全国客家テレビ局の設立」「台湾を全世界における客家文化と産業交流の中心とする」など、馬政府が実現出来ていない公約の横断幕を掲げ、馬総統を風刺した。

  「台湾義民軍」活動の現場には、北部6県市から集まった100名を超える客家団体代表、客家籍立法委員の呉宜臻、彭添富前立法委員、詹運喜苗栗県議員、民進党客家部の楊長鎮主任らが駆けつけて支持の声援を送った。また、客家籍作家の李喬氏は、馬英九政権下、国内外の政治は不安定で、石油・電気料金の値上げ、あらゆる業種の不振が極まり、台湾の主権を顧みず、「一国二区」を主張するなど、台湾国民の尊厳を貶めている。そのため義民爺が台湾の人々を守り、自由台湾を死守するのだ、と語った。

 苗栗県で行われた「台湾義民軍」活動を発起した客家団体代表によると、苗栗義民廟は創建220年の歴史を誇るほか、苗栗は馬政府の腐敗政治による被害を最も被っている自治体の一つだと指摘している。ショベルカーで稲田を掘り起こした「竹南大埔事件」やスイカの故郷が消えた「後龍湾宝事件」など、苗栗県はこれまでいくどとなく農業滅亡の危機に晒されており、今日では石油・電気料金値上げの困窮に直面している。苗栗県民の境遇はますます深刻化しており、庶民の苦痛は倍増している。このため、苗栗県民は立ち上がり、519デモに合流して国家を守る歴史的精神を発揮する、と話した。


 民進党 第14回第60次中常会プレスリリース 2012-05-09

 民進党は9日、第14回第60次中常会を開き、元EU代表の高英茂氏を招き「フランス大統領選挙およびEU発展の展望」の報告を行った。
 林右昌スポークスマンによると、12日には第14代党主席選挙の最後のテレビ政見発表会が行われることになっており、蘇嘉全秘書長は席上、陳菊代理主席の「すべての候補者が事実に基づき、人格攻撃をすることないよう期待するとともに、この機会を通じてすべての台湾国民に対し、共同で民進党の品格と視野の広さを見せようではないか」とのメッセージを伝えた。
 このほか、2010年の五大都市選挙が行われた際に、一部の候補者の出場登録に違反があったのではないかとの質疑に対し、蘇秘書長は、当該選挙の候補者はすべて党が正式に決定した候補者であり、何ら違反はなかったと述べた。


 「馬英九総統四年間の執政無能の濃縮版」林俊憲「内閣の全面改造を。陳冲氏は最組閣してはならない」 
 2012-05-10

 10日、陳冲内閣は憲政の慣例により総辞職した。民進党中央党部の林俊憲スポークスマンは、今年2月、陳沖氏は「安心内閣」と称して組閣したが、これまでの3ヶ月あまり、陳内閣は改革に着手できないばかりか、施政はデタラメで民衆の苦痛を増大させていると述べた。また、「責任政治」の精神によって、民進党は今般の内閣総辞職を「形式的総辞職」とするばかりでなく、実質的な「引責辞任」とするよう要求するとともに、現在の行政に関する人選が全面的に改組されるべきであり、世論の支持率が2割にも満たない陳冲氏が再組閣するべきではない、とした。

 さらに、これまでの3ヶ月、陳冲内閣はいかなる改革の実績も残せなかっただけでなく、ラクトパミン含有食肉の輸入開放政策、鳥インフルエンザの隠蔽、石油・電力料金値上げの強行など、デタラメにも程があり、あたかも民衆不安の一大要因となっている。国民の目から見れば、この内閣はまさに「馬英九総統の4年間の無能な政権運営濃縮版」とも言え、520日に再び陳冲氏が組閣するような事態になれば、「責任政治」の民主憲政精神に違背するばかりでなく、次の「無能な4年間」の幕開けを宣言することになるだろう、とした。

 林スポークスマンによれば、これまで馬政府による一連の無能な政権運営によって国民は苦痛を受けており、民進党は間もなく第2期目が始まる馬総統が520日の就任演説で国民に対し、公開謝罪することを求めている。また、「責任政治」の実現のため、陳冲氏は再組閣してはならず、内閣は全面改組するべきである、とした。


 林俊憲「検察は速やかに『夢想家』事件に関する呉敦義氏の調査を」 2012-05-10

 昨年発生した「夢想家」事件は、当時行政院長だった呉敦義氏の主導によるものというメディアの報道について、林俊憲スポークスマンは、民進党は昨年来、幾度となく「夢想家」事件の金額は大きすぎるため、当時の文化建設委員会の盛治仁主任委員の独断による決定はありえない、背後に必ず政府高官の主導がある、と指摘していたと話した。

 民進党は当時、2010820日付、中央社の李佳霏記者が書いた記事を証拠に挙げている。その報道によれば、820日に総統府で開かれた「中華民国建国百年、年越しと元旦活動」記者会見の席上、馬総統は建国百年に関連する祝賀活動の準備過程では経費不足が生じたため、呉敦義氏が経費の一部を確保してくれたことに感謝すると述べている。また、蕭副総統も当時、建国記念の集会は台中劇場で行われ、頼聲川氏の演出によるものと発言、続く201010月には盛治仁氏が国民党の中常会で関連内容の報告を行なっている。これらの事実から明らかになることは、祝賀活動が決定する以前に、すでに頼聲川氏の主導が決まっており、「夢想家」事件は総統府から行政院、馬英九から呉敦義までが参加および主導したものである、と昨年の時点で民進党は指摘していたはずだ。

 「夢想家」事件は盛治仁氏の独断で行われたものではない。しかし、文化建設委員会主任委員の盛治仁、曾志朗、現任の龍應台まで、誰一人として「夢想家」事件について明確な説明を行なっておらず、現在でも疑惑は深まるばかりである。検察は、民進党が昨年すでに告発した証拠を以て速やかに呉敦義氏らを調査し「夢想家」事件を文芸界の悪夢としないよう望むとした。


 陳菊代理主席「陳水扁元総統に迅速な病院での治療を」 2012-05-10

 台湾大学病院、栄民総合病院の医師が9日、陳水扁元総統を診察し、陳元総統は適切な医療待遇を受けておらず、かつ病状は深刻で病歴も錯綜しているにもかかわらず、主治医もおらず、基本的な投薬も行われていないと声明を出したことに対し、林俊憲スポークスマンは10日、陳菊代理主席の談話を発表した。現在、すでに多くの医師が陳元総統の診療後、厳正なる警告を発しており、法務部は医療人権と人道に鑑み、すみやかに陳元総統に病院での治療を受けさせるべきである。

 また、林スポークスマンは、陳菊代理主席は陳元総統の健康状況に強い関心を持っているとし、代理主席就任後、常々立法院の三役を面会に派遣していた。今般、台大病院および栄総病院の医師による診察結果に陳菊代理主席は深く憂いており、本日午前には再度、立法院党団に対し、台北監獄および法務部へ厳正なる対処を求めるよう指示したという。


 「官の逼迫に抵抗・青年の不満」記者会見プレスリリース 2012-05-10

 民進党青年部は10日午前、「官の逼迫に抵抗・青年の不満」記者会見を開いた。ヒップホップグループの「拷秋勤」がオリジナル曲「官逼民反(官の逼迫に抵抗・青年の不満)」を披露し、メンバー3人がそれぞれの言葉で政権与党に対し、現在の困窮を訴えた。青年部の李政毅主任委員は記者会見で、馬政府はこの4年間、国民の感情を無視し、政権運営は独断専行であると述べ、拷秋勤が歌った「官逼民反」が今だけでなく、今後4年間、政府が我々の声を聞くまで、歌い続けなければならないのは間違いないとした。また、すべての若者に対し、519デモに参加し、政府への不満を表明するよう呼びかけた。
 
 現在、高校生の陳志瑜さんは「投票権はないけど、積極的に公共のテーマに参加していきたい。馬総統は若者の苦痛に関心を払っておらず、物価や石油価格、果ては弁当までが値上がりし、同級生たちは満腹感を得られなくなってきている。投票権の有無にかかわらず、たくさんの学生たちがデモに参加して声を上げて欲しい」と話した。

 2012年の総統選挙で初めて投票した林逸茹さんは、「国民党のすべてに失望した。あらゆるものが値上がりする中、馬総統は『何が値上がりしているのか』と嘯いた。このような指導者は野放しにしておくべきではなく、519デモでは若者の苦痛を表明し、馬政府にその声を聞かせたい」と話した。

 最後に青年部の林鶴明前副主任によれば、馬総統の一期目の任期はまだ終わっていないにもかかわらず、満足度は20%も落ちている。選挙前、馬総統は「安心を与えられる候補者」のスローガンで戦ったが、ふたを開けてみれば、石油・電力料金の値上げ、米国牛肉問題により、馬総統が決して安心を与えられる総統どころではなく、民の痛みの分からない総統だということが分かる。台湾の民衆の力は社会の困窮を転換できる力を持っていると信じている。また、国民の力は4年に一度発揮されるものではなく、今般の519デモを通して、馬政府にお灸をすえようではないか、と述べた。


 林俊憲「財政部長に劉憶如氏は不適任」 2012-05-11

 民進党の林俊憲スポークスマンは11日、監察院が交付した最新の政務官財産申告資料によると、劉憶如財政部長は過去10年に9度の財産申告を行なっているが、毎回の申告が不動産の買い替えとなっており、明らかな不動産財テクである。財政部長が不動産を転がして私腹を肥やしている状況に、不動産を購入できない民衆はどう感じるだろうか。馬総統は選挙前「居住の正義」を掲げていたが、選挙後は不動産に対する課税を行っている。劉憶如氏は不動産財テクで私腹を肥やしており、財政部長には不適任である。

 林スポークスマンの指摘では、細心の申告資料によれば、劉憶如氏と娘で4筆の土地、3筆のマンションを所有し、4200万元のローンを組んでいる。そのうち1030万元が信用ローンであり、3000万元が不動産ローンである。信用ローンの利率は6%であり、もし特別割引がなければ、一ヶ月の利息は6万元以上となる。さらに不動産ローンの返済を加えると、月々の返済額は10万元以上となるが「部長の一ヶ月の給与はいくらか。どの銀行が不動産財テクに融資してくれるのか」と指摘した。

 民進党は519デモを通じて、国民の苦痛を生み出した政府に声を上げるべきである。劉憶如氏のような部長に公平な租税行政が出来るのであろうか。馬政府は一刻も早く、国民に苦痛を与える閣僚を更迭すべきであり、陳冲内閣のような庶民の生活を顧みない内閣は責任を負って全面改造すべきであるとした。


 「民衆の心の声」映像募集 林俊憲「馬英九に民衆の声を聞かせよ」 2012-05-15

 民進党は15日午前、「馬総統よ、民衆の声が聞こえますか」の映像を発表すると同時に、自作の「民衆の心の声」映像作品を募集するとした。林俊憲スポークスマンによれば、カメラもしくは携帯電話を用い、馬英九総統に対して伝えたいメッセージを撮影し、sysop@dpp.org.twのアドレスまで送付してほしいとのこと。民進党では、寄せられた映像作品を整理し、519デモの集会の際、現場で放映する。

 民進党中央党部が午前に発表した映像作品は、学校を卒業したばかりの若者や在学中の学生、専業主婦、嘉義の養豚場経営者や農民、屋台で麺を売る人々を取材したもので、真実の庶民の声を集めている。この映像は、民進党公式サイトに掲載されているだけでなく、519デモの際にも放映する。林スポークスマンによれば、映像に出てくる人々は、我々の周囲にいる市井の庶民である。馬英九総統の政権運営に対し、彼らは伝えたいことがたくさんあり、馬英九総統が国民の越えに耳を傾け、庶民の暮らしの苦悩に関心を持つとともに改善を求めている、とした。


 蕭副総統「日中韓FTAは台湾に大きな圧力」 林俊憲「任期満了前に吠えても無意味」
 2012-05-16

 先日、日中韓3国が今年中に自由貿易協定(FTA)締結に向けた話し合いを開始することに同意した件に関し、蕭萬長副総統は3国間のFTAが締結された場合、台湾に対する重大な圧力になると語った。これに対し、民進党の林俊憲スポークスマンは、馬政府はこれまでの4年間、すべての玉子を中国の籠の中へ置いてきた。その一方で、中国以外の主要国とのFTA協議については全く推進する姿勢を見せておらず、結果的に台湾の輸出競争力は韓国の後塵を拝している。馬政府において経済の舵取りを担うはずの蕭副総統は、この4年間、台湾の経済を正確な方向へ導くこともせず、任期満了直前になってFTAの重要性を説いても何ら意味がない。

 林スポークスマンが指摘するところによれば、民進党はこれまで対外貿易戦略の均衡を一貫して主張。グローバル化する枠組みのもと、台湾は両岸貿易と世界各国との多角的な貿易関係の両方を同時に推進することで、海洋経済の活力を遺憾なく発揮し、台湾が鎖となって各地域の経済発展のカギを握る役割を果たせるとしてきた。民進党が政権運営していた時代、政府はシンガポールやニュージーランドなどとのFTA交渉を積極的に行ったものの、当時中国の強力な妨害により頓挫した経緯がある。
 
 韓国政府は米国、EUASEANなど、主要経済体とのFTA締結を積極的に計画しており、現在では日中韓の3FTA交渉を進めている。しかしながら、馬政府は中国とのECFA以外、他の主要な経済体とのFTA交渉は空転しており、むしろ台湾経済は中国に縛られ、完全な周辺化が進んでいる。馬総統は国民に対し、ECFAは国際経済への突破口に過ぎず、将来的には米国、日本、EU、東南アジアとのFTAを目指すとしながらも、現在では空手形に過ぎなかったことは明白である。

 当初、民進党は台湾と中国がECFAを締結する前提として、まず米国、日本、EUASEANなどの主要国家とのFTA締結が先決であり、それによって台湾全体の国際競争力を確保すべきだと主張してきた。現在、ECFAは馬政府が喧伝していたほどの効果はなく、台湾の資金が国内投資へ使われず、中国へと流れたばかりか、台湾製品の中国における占有率も衰退させる結果となった。また、主要国家とのFTA交渉についても全く進展がない。馬政府の経済部門の舵取りであったはずの蕭副総統は、この4年間、台湾経済を正しい方向に導かず、任期満了直前になって、FTAの重大性に言及するのは笑止千万である。


 香港学生に対する暴行、陳菊代理主席が大きな関心 2012-05-16

 16日、台湾が香港に設置している政府機関「香港経済貿易文化弁事処」で香港人学生が陳情した際、暴行された事件に関し、民進党の陳菊代理主席は大きな関心を持っていると表明した。陳菊代理主席は、政府が学生の意見表明の権利や人身の安全について適切な処置をとらなかったとし、来台留学を希望する香港学生の人権に危害を与えたばかりでなく、台湾の民主の看板にも泥を塗ったと批判。立法院において、関連部署の責任を追求するほか、事件に関連した3名の学生に関心を払うと語った。


 台湾は2300万の国民が共同で努力して民主の土壌を築きあげたのであり、異なる意見や考え方も自由に表現することが可能である。それゆえ、政府も率先してこれらの権利を保護する努力を払うべきである。しかしながら、これまでの4年間、我々には馬政府が十分な努力をしてきたようには見えない。むしろ、国際機関の調査によれば、台湾の民主自由は年々後退しているという。昨日、香港学生が、香港における台湾の政府機関で暴行された後も、政府は何ら対処していない。こうした人権侵害の行為が行われたことは、台湾の民主に対する侮辱である。

 陳菊代理主席は、立法院党団に対し、関連部署および担当者の責任追及を指示するとともに、馬政府に対し、両岸交流および香港・マカオとの交流を進める際には、必ずや自由、民主、人権の立国原則を堅持し、同様事件が再び発生することのないよう厳正に要求すると語った。


 民進党 第14回第61次中常会プレスリリース 2012-05-16

 民進党は16日、第14回第61次中常会を開いた。土曜日に予定されている519デモのため、会に先立って陳菊代理主席が記者会見を行い、正式にデモ動員命令は発動、すべての台湾国民が当日、ともに立ち上がるよう呼びかけた。

 陳菊代理主席は挨拶で、民進党および100を超える民間団体がともに発起した519デモまであと3日となった。地方支部を含む民進党全体に対し総動員令を出し、当日は指定された3地点に集合、ともにこの重大な意義のある荘厳な活動に参加するよう求めた。
 また、民進党が非常に遺憾なのは、2012年の総統選挙で政権与党の座を取り戻すことが出来なかったため、今日の台湾社会の不安を引き起こし、馬英九総統の独断専行でデタラメな政権運営を引き起こしているとした。この間、馬政府は国民の意見に耳を傾けず、鳥インフルエンザの隠蔽、ラクトパミン含有食肉の輸入開放を宣言し、国民の健康に注意を払わないばかりか、石油・電力料金の値上げを推し進めている。国民の後ろ盾となるはずの政府が、馬総統の一連の失策により、反対に国民に苦痛を与える側にまわっており、全国民の怒りを買っている。

 民進党はデモ当日、馬英九総統に対し、114日以来の無策、朝令暮改、独断専行などについて政治責任を負い、国民に対し公開謝罪すると同時に、陳冲行政院長の更迭を要求する。また馬英九総統には、20日の就任演説において、国民に対し、石油・電力料金の値上げを停止し、ラクトパミン含有食肉の輸入を解禁せず、「一国二区」の主張を撤回するよう、具体的に約束することを要求する。
 
 さらに、陳菊代理主席は、民進党は台湾国民と共存共栄するとの立場から、国民が声を上げるための場を提供しなくてはならないのだと強調。また、デモのテーマカラーを紫に決定。紫は「正義」を表し、検察官の法服、神父、宗教家の衣服に使われている。事実上、紫は抑圧された国民の色であり、国内外の多くの社会団体が紫をシンボルカラーにしている。紫地に黄色で染め抜かれた「怒」の文字は、台湾国民が馬政府に対して最も伝えたい文字であろう。

 今回のデモの要求は、石油・電力料金の値上げ、ラクトパミン含有食肉輸入解禁反対、「一国二区」撤回などであり、多くの台湾国民の声を代弁するものであって、政党や政治を超越したものである。民進党は社会団体や公民団体、他政党など、広く共同参加を呼びかけており、国民の声を聞かず独断専行で政権運営を行う馬総統の目を覚まさせるものだとした。

 陳菊代理主席は、民進党を代表し、すべての台湾国民がともに立ち上がるよう呼びかけた。また、「立ち上がろう!執政者に我々の声を届けよう!」「立ち上がろう!我々と次の世代が生存できるチャンスと空間を!」などと強調し、これは国民にとってのチャンスであり、執政者に国民の声を必ず聞かせるため、すべての国民が民進党とともに立ち上がるよう結んだ。


 馬英九総統の不満度70.2%で記録更新 林俊憲スポークスマン「国民からの信頼基盤が崩壊」
 2012-05-17

 民進党の林俊憲スポークスマンは17日、世論調査機関による馬英九総統2期目就任直前の調査結果を発表した。馬英九総統の不満度は、記録更新となる70.2%で、満足と答えたのはわずかに25%だった。最近のラクトパミン含有食肉問題や民生物資の値上がりが民衆の怒りを引き起こし、60.6%がデモによって政府に対する不満を表明することに賛成と述べた。デモに賛成する割合はこれまでの調査で最高を記録している。

 さらに、この調査の結果は、最近行われた主なテレビ局、新聞、シンクタンク、基金会などが行ったものと趨勢や数値等が似通っており、馬総統の政権運営に対する失望や不満は、ブルー陣営・グリーン陣営の区別なく、台湾社会全体に広がっているとした。

 馬総統の2期目に対する信頼度調査では、1期目が始まった20085月が78.2%だったのに対し、今回の調査では大幅に下落して30.6%となっており、有権者の馬英九総統に対する信頼度が全面的に崩壊していることを伺わせる。

 世論調査によると、65.2%の回答者が馬総統の今後4年間の政権運営を信頼出来ないとし、その中で「まったく信頼出来ない」と回答した割合は4割にものぼった。このほか、66.7%が今後4年間の台湾経済に期待出来ないと考えており、希望があると回答したのはわずか29.9%だった。特筆すべきは、86.1%の回答者が今後4年間の「貧富の格差解消」に悲観的な見方をしているということである。今後4年間の生活について問われた回答者のうち58.7%が現在よりも悪くなると答え、良くなると回答したのはわずかに25.9%だった。また、変わらないとしたのは7.8%で、今後4年間の生活に対し、民衆は悲観的な見方をしていることを表している。

 この調査は514日、15日の夜に行われたもので、対象は20歳以上の投票権を有する公民。1334のサンプル取得に成功し、信頼区間は95%、誤差は±2.73%で、内政部が20121月に行った人口統計資料の年齢、性別、戸籍に依拠している。


 怒りを!原住民も519デモに参加を! 2012-05-17

 2012年、馬英九総統は2期目を迎えるが、2008年の政見が一切達成されていないにもかかわらず、善良なる原住民の有権者たちは再度馬総統にチャンスを与えたが、結果的には大きく失望させられることとなった。石油・電気料気値上げに加え、原住民は土地や仕事を失い、より困窮する事態となっている。
1万人失業、2万人の健康保険剥奪、6割の原住民が貧窮 

 行政院原住民委員会が20115月に交付した「2010年限住民経済状況調査」の統計によれば、原住民一人あたりの毎月の生活費が、生活に必要な最低限の物を購入することができる最低限の収入水準にあることを表す「貧困線」を下回る割合は58.2%で、全国の6割近い原住民が貧困に喘ぎ、一人あたり月1万元の生活費に満たない生活をしている状況を示している。困窮のため、26千名もの原住民の健康保険カードが停止状態となり、健康にも影響を及ぼしている。2000年から2008年までの民進党執政期間中、原住民の最低失業率は4.27%だったのが、馬政府政権発足後には上昇し、1万名以上の原住民が職を失った。この4年間における原住民の失業率は最高で8.85%20099月)にも達し、最新の失業率も5.27%となっている(201112月現在)。原住民の失業率は、民進党執政期間と比べ、はるかに高くなっている。長期の失業により、不動産を購入することが出来ず、都市と地方の間を漂流し、悲劇が次々と生み出されているのだ。

 10万票を得ながらも「原住民自治」は空手形に!

 2008年、国民党が与党となり、立法院では4分の3の議席を国民党がおさえた。そのため、立法院では野党の意見は考慮されず、国民党は思うままに法改正や、立法を行い、4年間で合計800の重大議案を通過させた。しかし、原住民が期待していた「原住民自治法」は結局立法されることがなかった。2011年、馬政府は土地も財政も実質的な権力もない自治法を推進し、総統続投を狙ってか、行政院原住民委員会の政務官を何度も原住民居住地へ派遣して公聴会を開いた。結果的に、馬総統は原住民地いいだけで10万票を獲得したが、4年前の「原住民自治」の政見は現在においても実現されずにいる。他の法案は、絶対多数を誇る立法院に提出されて強行採決されているのに、なにゆえ原住民が期待する「原住民自治法」草案は提出されないのだろうか。さらに、「原住民土地および海域法」草案は未だ起草されておらず、馬政府が原住民の自治を阻んでいる現状とともに、 馬政府が原住民の自治を望んでいないことを表している。

 馬英九総統になってから5族の原住民が罠にはめられた!

 2010年、馬英九総統は選挙前の公約であった五大都市の合併昇格を行った。その結果、原住民が自治権を有していた5つの地域が失われたのである。新北市烏来区、台中市和平区、高雄市茂林区、桃源区、那瑪夏区で、合計23千人以上が自分たちの手で原住民の郷長を選ぶことができなくなり、制度変更後、区長は自治体からの派遣となった。このため、基本的な自主管理、政府予算の運用などの権利一切が馬政府によって剥奪されたのである。

 貧窮拒絶、失業拒絶、馬英九に謝罪を要求する!519日、原住民よ立ち上がれ!


 「秩序を守って参加を!」 519デモの規則を発表 2012-05-18

 519デモを翌日に控えた18日、民進党青年部の 李政毅主任は記者会見を開き、ドラマ形式でデモに関する8つの遵守事項を発表した。遵守事項は「動きやすい服装」「土地を愛し」「平和的に」「効率良く」「結束して」「健康に留意し」「秩序を守り」「観察しよう」である。

 李政毅主任によれば、今般のデモは馬政府の無能に対する怒りと台湾の将来に対する不安から、民進党が呼びかけて行われるものであり、デモの目的は馬総統に国民の怒りを見せ、怒りの声を聞かせることにあるとした。また、デモに参加するすべての民衆が8項目の遵守事項を守って行動することを希望すると話した。さらに、デモ参加者がこれらの事項を守れば、519デモは必ず成功するとし、国民の要求はより一層力を得ることになるだろうと述べた。


 519デモ集会、陳菊代理主席 演説全文 2012-05-19

 民進党が主催した「日子歹過,總統踹共(苦しい生活、総統は責任を)」デモは19日、十万を超える民衆が参加。民進党の陳菊代理主席、蔡英文前主席、台湾団結聯盟の黄昆輝主席、謝長廷元行政院長、游錫堃氏や、民進党幹部、民間団体代表などに率いられ、3つの路線にわかれたデモ隊は、夜になって北平東路の集会会場に集結した。
 陳菊代理主席の演説は以下の通りである。

 参加者の皆さんが先ほど、最大限の情熱で蔡英文前主席を歓迎する光景を目の当たりにしました。蔡前主席と馬総統が選挙戦を戦っているさなか、大変残念だったのは、我々と袂を分かち、我々を支持してくれなかった方々の存在です。
 確かに民進党は選挙戦でミスも犯しましたが、選挙が終わってから現在まで、わずか4ヶ月という短い期間にもかかわらず、台湾社會は民主の転換という事態に直面していることがわかります。
 これまでの20数年間で、私はこれほどまでに台湾社會が空前の困難に陥っている状況を見たことがありません。天を仰いでも無意味であり、頼れるべき政府もないような状況では、国民は日々の生活もままならず、非常に苦痛を強いられています。

 総統は国民に語りかけるべきであり、口をつぐんでいる場合ではありません。総統は責任を負わなければならないのです。総統は民主のプロセスを経て、台湾社會が国家の指導者として選んだのですから、今日の国民が感じる苦痛、北から南まで多くの人が苦しい生活を送っている状況に、総統は責任を持ち、責任を果たさなければならないのです。

 今日午後、総統は有権者が不満を抱えている4つの事がらについて語りました。それは、雇用機会の創出不足、平均給与増加ペースの遅れ、貧富の差の縮小不足、政策に関するコミュニケーションと説明不足です。今日、台湾社會のすべてがこうした不満に満ちており、我々は未だ国家の指導者を目にしておりません。あらゆる世論調査で支持率が20%台となり、不満度は70%近くにも達しています。

 有権者が不満を抱えている点について認識できていると述べましたがが、馬総統は明日の就任演説で、これらの実現出来ない政策、誤った不十分な政策を撤回する用意があるのでしょうか。
 石油・電力価格の値上げにより、生活はより苦しくなるが、馬総統は国民に対し、石油・電力価格は値上げしない、安心して生活して下さいと言えるのでしょうか。
 皆さん、馬総統は交代させなければなりません。けれどもそんなに簡単なことではないのです。台湾の労働者と若者の失業率はかくも深刻です。馬総統はこの点について、誤った政策はとっていないと言い張っています。
 私たちが国家の指導者に語って欲しいと期待するのは、社會をいかにして絶え間なく進歩させるかであり、雇用機会をいかに広げるかです。そして、若者に未来を与え、苦しい生活を送る労働者を食わせることなのです。これこそが国家の指導者としての責任であるはずなのに、馬総統の言葉は軽過ぎて、民進党は受け入れることが出来ません。もちろん台湾の社会も受け入れることは出来ないでしょう。
 馬総統は、過ちはないと抗弁しますが、では方法はどこにあるのでしょう、未来はどこにあるのでしょう。馬総統は責任を負わなければなりません。

 政策についてのコミュニケーションは不足していないでしょうか。皆さん、考えてみてください。政府は正しいのでしょうか。政策は大多数の国民に有利だと言います、そうでしょうか。政策に誤りがあった場合、どのように再びコミュニケーションを取るのですか。影響を受ける人のほとんどにとっては無意味でしょう。
 我々民進党は、政策というものは台湾の社会が公平正義に符合するものだと感じていなければならないと考えます。今日はどしゃ降りですが、この雨も我々を試しているのです。雨風の中、私たちは意思を貫き、意見や抗議の声を上げられるかどうかの試練です。民進党はこの大雨の中、びしょ濡れになりながらも参加してくれた皆さんに感謝します。私の服も濡れたり乾いたりの繰り返しです。
 今日のデモには十万人を超える参加者がありました。3つに分けられた路線には、どんな職業かに関係なく、お父さんもお母さんも、労働者も学生も、そして苦しい毎日を送るたくさんの人々が立ち上がり、民進党とともに台湾の意見を叫んでくれました。国民の声を上げてくれました。

 民進党は多くの我々とともにある人たちを守る責任があります。基本的な意見は十分に伝わりました。また、民進党は台湾社会がこれほどまでに困難を抱え、多くの人々が苦しい生活を送っている時には、国民とともに立ち上がり、政府に知らしめる責任があります。
 民進党はラクトパミンが混入した米国牛肉の輸入に反対です。民進党は健康な牛肉を要求します。EUと同じく、健康に対して危険があるものはいかなるものも受け付けられないのです。

 民進党はここにもう一度強調します。経済が合理的に改善されるまで、国民の苦痛が取り除かれるまで、石油・電力の値上げを国民は決して受け入れられません。馬総統に希望することは、明日の就任式典では、台湾の社会に新しい希望をもたらして欲しいということです。
 経済や社会の富がこれほど不足している時に、石油・電力料金を値上げしてはなりません。国民生活のために、庶民の生活のために、石油・電力料金は努々値上げしてはならないのです。

 民進党は今日、台湾社会とともに戦う責任があると考えます。ここにいる参加者の皆さんに理解していただかなければならないのは、台湾は民主で自由な社会であると同時に、多元的な意見を持つ社会です。台湾の国家主権は2300万の社会の共同意思を尊重しなければならず、台湾のコンセンサスを確立させなければなりません。馬英九総統が独断で決めることは出来ません。私たちに替わって決めることも出来ません。
 ここで皆さんに申し上げたいのは、これからの台湾はやはり苦しい日々が続くかもしれないということです。これまでの4年間、馬政府の無策により、生活は困窮を極めました。しかし、今後の4年間はさらに辛くなるかもしれないのです。皆さん、国民が主人です、国民が最も大きいのです。今日、馬総統は我々の意思とは合致しません。皆さんにお願いです。皆さんも民進党とともに馬政府を監督して下さい。

 今日、民進党中央党部、立法院党団などがここに集まっています。10万人を超える参加者を集めたデモも、もうすぐ正式に終了します。民進党は明日520日の馬英九総統就任式の日も、至るところで抗議の声を上げ、国民の怒りを表明します。
 すべての参加者の皆さん、台湾のどこにいようとも、引き続き民進党とともにあり続けて下さい。そして我々の声を全世界に届けようではありませんか、執政者に届けようではありませんか、そして台湾社會の政府に対する堪忍袋の緒も間もなく切れるということを知らしめようではありませんか。
 皆さんも民進党と同様、最高の水準で引き続き政府を監督していって下さい。民進党も皆さんとともに努力し、政府が我々国民の側にあるのか否か見つめていきます。これからも戦っていきましょう。

 最後にもう一度、皆さんに感謝申し上げます。今夜の集会はこれで終わりますが、明日からまた台湾各地で引き続き声を上げていきます。明日、友党の台湾団結聯盟は台北で声を上げ、我々民進党は台湾各地で引き続き活動していきます。
 私は民進党を代表して皆さんに申し上げます。頑張りましょう!ありがとうございます!
 どうか皆さん、引き続き我々に力を与えてください。皆さんのびしょ濡れの姿を見ると切ない気持ちです。しかし、国民の声や不満は伝えなければなりません。抗議は我々国民の権力です。ありがとうございました。

 
馬英九総統の就任演説に対する陳菊代理主席談話 2012-05-20

 党団委員各位、メディアの皆さん、国民の皆さんこんにちは。
 昨日、数十万の人々が我々の519デモに参加してくれた。参加者の中には若いサラリーマン、子供を抱えたお父さんお母さん、お年寄りから障害者の人々の姿もあった。参加者がどこから来ようと、どんなバックグラウンドを持とうと、台北の街を歩いたのは、国民の意思を表現し、馬英九総統に対して施政の不満をぶつけたかったからである。
 これまでの4年間、数々の失政により、国民生活は困窮を極めただけでなく、これからの4年間に対しても、国民は馬総統を信任出来ず、不安に苛まされている。

 昨日のデモの際、数十万の参加者は、景気が回復せず、経済に改善が見られない現在、石油・電力価格を値上げしてはならないと馬総統に要求した。値上げが断行されれば、通貨膨張を引き起こし、国民生活はより一層苦しいものになるだろう。
 また、国民の健康かつ安心な食生活のため、ラクトパミンが混入した食肉の輸入を許可しないようにも求めた。
 そして、参加者がもっとも期待するのは、馬総統が両岸関係に対処する際、民主の原則を堅持し、台湾コンセンサスを維持することであり、台湾の未来についての安心感を与えて欲しいというものであった。
 我々は馬総統が国民のこうした声に真摯に耳を傾け、誤った政策は改善するとともに、今日の就任演説の中で正面から取り上げ、反省に言及するものと期待した。

 しかし、非常に残念なことに、この4年間の失政によって国民に苦痛を与えたことに対し、馬総統は一言の謝罪もなかったばかりか、昨日数十万の人々が上げた声に耳を傾けることもなく、誤った政策を撤回しようともしないのだ。
 それどころか、新しい任期が始まったこの日に、馬総統は再度、誤った政治の責任者の一人でもある陳沖氏に組閣を命じ、数々の失政の延命を図ったのだ。

 馬総統がこのように、国民の権益や国家の将来を無視した独断専行を続けるのであれば、民進党は台湾国民の政党としての忠義を果たすため、馬政府の監督と抑制にあらゆる努力を惜しまず、国民の福祉を保障する。ここに私は民進党主席として、以下の2つの重要な点について宣言する。

 第一に、責任政治の精神を実行し、国民の権益を保障するため、我々は鳥インフルエンザの隠蔽、ラクトパミン混入食肉の輸入解禁、石油・電力価格の値上げ実施をした陳沖内閣に対し、不信任案を提出する。陳沖氏はこれまでのあらゆる失政の責任をとって辞任し、内閣を完全改組しなければならない。

 第二に、立法院の職責は憲法によって定められた政府の監督であり、盲目的に政府を庇護することではない。民進党は、民間団体がラクトパミン混入食肉の解禁を支持し、国民の健康を蝕もうとした立法委員の罷免運動について全力で支援する。

 国民の皆さん、選挙によって選出された総統が、国民の呼びかけにも全く応じないような状況では、我々の国家と次世代の子々孫々を守るため、これからの4年間、より一層団結し、さらに努力し、頑張っていくしかないと悟らなければならない。

 私はこの場で皆さんに保証する。民進党のメンバーは常に国民の皆さんとともにあることを。崖っぷちの我が国を引き上げること、それが我々に課せられた次なる使命である。台湾の同胞たちよ、我々に力を貸してください。

 ありがとうございました。


 林右昌 「一国二区」は現状を変更し、国家主権に深刻な影響を与える 2012-05-21
 
 馬英九総統は就任演説の中で、台湾と中国の関係は「一国二区」であり、この関係は李登輝元総統の時代から定まり、民進党執政時期にも継続していたと言及した。これに対し、民進党の林右昌スポークスマンは21日、台湾は主権独立の民主国家であり、その国号は中華民国である。「台湾は中華民国であり、中華民国は台湾である」、これは民進党の一貫した立場であるだけでなく、台湾国民全体の認識とコンセンサスであると指摘した。
 また、馬総統は国民の同意なく、民主的手続きなく、自身のイデオロギーのみによって台湾と中華人民共和国が一つの国家および二つの地区だと決めつけており、これは現状を変更し,国家主権に深刻な傷害を与えるものである。また、馬総統は無責任にも個人の意思によって歴代総統の立場を捏造している。

 馬総統が再三主張している「一国二区」は中華民国憲法の枠組みに依拠しているものであるが、憲法の修正条文にある「二つの地区」とは、事実上台湾と中国の往来に関する権利義務関係を規定したものであり、中華民国と中華人民共和国が政治的に従属しあうことは決して意味していない。
 少なくとも、台湾は民主国家であり、その主権者は2300万人の台湾国民である。選挙で選ばれた総統といえども、憲法の義務違反であり、台湾を一地区に矮小化する行為である。個人のイデオロギーを国家政策とするやり方はまさに不可思議としか言いようがない。

 「一国二区」の主張に対しては、多くの国際法学者が再三警告を発している。というのは、国際法の様々な観点から見て、世界各国においては「一つの中国」とは「中華人民共和国」を指している。馬総統いかなる修辞で「一国二区」の表現をしようとも、国際社会に対しては、馬政府自ら「台湾は中国の一地区である」と認めることになる。その結果、台湾の主権は著しく損なわれるであろう。民進党は馬英九総統に対し「一国二区」の主張撤回を厳正に要求する。


 馬総統「時期を過ぎれば値上がりもおさまる」 林俊憲「事実と乖離、荒唐無稽」 2012-05-23

 今日、政府の石油・電気料金値上げの影響により、あらゆる重大な民生物資が引き起こされたが、馬英九総統と行政院の江宜樺副院長はそれぞれ「時期を過ぎれば値上がりもおさまる」と発言した。林俊憲スポークスマンは23日、馬政府の執政4年来「あらゆるものが値上がりし、給料だけが上がらない」状況が続いている。馬総統は誤った石油・電気料金値上げ政策を撤回しないばかりか、言を左右にして失言を糊塗し、事実から目をそらしている。こうした状況はこれからの4年間の馬政権に対し、国民の不安をよりかきたてるばかりであるとした。

 また、現在民衆が実際にあらゆる物資の値上がりに直面しているのは事実であり、生活は徐々に困窮している。国際的に小麦粉の値段が下がっても、国内のパンの価格は反対に上昇しているのが実情だ。これは馬政府の物価安定政策が完全に失敗していることを表している。不思議なことに、これほどまでに景気が低迷し、所得が後退しているにもかかわらず、馬政府はなおも石油・電気料金値上げを断行しており、火に油を注ぐ結果となっている。それによって物資の全面的な値上がりを誘発するばかりか、民衆が物価上昇に抱いている不安心理を助長することとなり、日常食品やエネルギー価格の高騰は失業者や貧困家庭の生計にとってより大きな打撃となる。

 これまでの4年間、馬政府の政権運営の結果、国民はあらゆるものが値上がりし、給料だけが上がらない日々を過ごしてきた。実質的には給与水準は14年前に後退し、月の収入が3万元に満たない労働者数は350万人を超えている。馬総統は先日、2期目の就任演説で、台湾により大きな幸せを生み出すと述べた。しかし、我々が目撃したのは、1期目の馬総統の政権運営の結果、高い失業率、買えないマンション、拡大する貧富の格差、増加する国家債務が残されただけであり、国民の馬政府に対する信頼は完全に崩壊している。

 EU債務危機や韓国などの新興国による競争激化で、現在の台湾経済は過去に比べて厳しい状況が続いている。今 年第一季の経済成長率は0.36%に落ち込み。1月から4月までの海外輸出は昨年同時期と比べて4.7 %低下、近隣諸国と比べても台湾の衰退度は最大かつ最悪であった。馬政府が景気低迷するこの時期に石油・電気料金値上げを断行すれば、疑いなく経済に大きな打撃を与える結果となる。愚かな政策の結果、むしろ「停滞性インフレ」の危険が高まり、台湾経済全体を悪化させるのみならず、国民生活を悪化させることになるだろう。馬政府は真実の国民生活に背を向けずに失言を謝罪し、即刻石油・電気料金値上げ政策を停止するべきである。


 民進党 第14代党主席選挙結果プレスリリース 2012-05-27

 蘇嘉全秘書長は本日夜、蘇貞昌候補が55,894票を獲得して民進党第14代主席に当選したと発表した。投票率は68.62%で、党員の誰もが党の発展に関心を持ち、積極的に選挙に参加した結果だとした。また、選挙の終了は同時に団結して努力するスタートであり、党員が結束して蘇主席を支持し、台湾のより美しい未来の為に共同で奮闘することを求めた。

 本日の投票結果は以下のとおり。
 蔡同栄12,497票  得票率11.28
 蘇煥智23,281票  得票率21.02
 許信良2,763票   得票率2.49
 呉栄義16,315票  得票率14.73
 蘇貞昌55,894票  得票率 50.47
 (立候補届出順)

 蘇秘書長は、5名の立候補者は高い民主的態度を持ち、民進党と台湾の発展のために多くの提言をしてくれただけでなく、民主政治が立脚するべき規範を見せてくれたことに感謝すると述べた。また、本日の投開票の過程は順調に行われたが、いくつかの投票所では投票する党員数があまりにも多かったために投票時間を延長することとなり、ご不便をお掛けした党員の皆さんにはこの場を借りてお詫び申し上げたいとした。

 「党職選挙投開票監督グループ」の徐佳青委員は、本日の投票率がこれほどまでに高かったのは、多くの党員が党の未来の発展に感心を持っている結果だとし、台湾の民主政治の過程における民進党の記録すべき一日だとして、すべての党員に感謝すると語った。また、各県市党部の主任委員も本日行われた選挙によって順調に選出され、平均年令50歳前後と全体的に若返っただけでなく、博士号所有者が2名、修士号所有者が8名と学歴、経歴ともに相当優秀な人選となった。これは、地方選挙の基礎力が上昇過程にあることを示している。特に、今回の投票率は高かったのにもかかわらず、いかなる不愉快な事態も発生しなかったことには大変満足している。党を代表し、選挙事務に協力してくれたスタッフに感謝すると述べた。

 
 蘇貞昌主席 就任にあたっての挨拶 2012-05-30

 立会人の陳継盛主任委員、陳菊代理主席、呂秀蓮元副総統、黄昆輝主席、林中森秘書長、歴代主席の皆さま、ご来賓の皆さま、民進党の同志の皆さま、メディアやテレビの前の皆さんこんにちは。

 これは歴史的な瞬間です。民進党の新しい主席のポストに結党時のメンバーの一人が就きます。私はその責任の重大さを深く受け止め、自分自身に対して、そし皆さんに対しても、任務に全力であたることを誓います。

 まず初めに、陳菊市長に感謝申し上げます。陳市長は多忙な公務にもかかわらず、我々の要請に応えて代理主席を努めて頂きました。その期間のご苦労はいかほどばかりか、我々はここに敬服し、感謝の意を表します。皆さま、陳前主席に熱烈な拍手をお送りください。

 我々にとってこれまでの3年間というものは忘れられるものではありません。2008年、総統選挙に敗れた艱難辛苦の時期、蔡英文元主席が就任し、落ち込んでいた党勢を鼓舞し、士気を盛り上げて下さいました。これはおそろしく容易なことではありません。皆さま、蔡元主席にも大きな拍手をお願い致します。

 日前、馬総統の就任演説がありました。馬総統の一期目は謝罪の言葉の中で終わり、二期目は抗議の声の中で始まったのです。就任演説には国民の期待に応えたものではなく、台湾はどこへ進むのか、どうなるのか、憂いは増すばかりです。

 国民が苦痛に彷徨っている現在、民進党はすべての国民に対し、三つのことを保証します。

 一、台湾は台湾人の台湾であります。台湾の地位、台湾の前途、台湾の民主かつ自由な生活に関し、たとえ誰がなんと言おうと、為政者がどう釈明しようと、すべては台湾の国民が決めるものであり、国民の心のなかにあるものなのです!民進党は永遠にこの民主の価値を堅持することを保証します。

 二、台湾はすべての台湾人のものであり、台湾へ先に来たか後に来たか、性別、年齢、エスニック・グループ、信仰について何びとも差別されることなく、公平な取り扱いを受け、基本的な生活の保障を享受されるべきです。民進党は永遠にこうした公平かつ正義の姿勢を堅持します。
 
 三、台湾はあらゆる世代の人々のものです。台湾は永続的な成長、知的な成長、全面的な成長が必要です。そうすることで、我々の次の世代はより美しい未来を享受することでしょう。民進党は永遠にこうした成長の信念のために努力します。

 19世紀以来、世界はアメリカンドリームに湧き、100年経った今日でもその夢は語り継がれています。アメリカンドリームとは、社会が公平な競争のチャンスに恵まれ、自身が努力さえすれば生活がより一層潤うというものです。アメリカンドリームによって、アメリカは移民が最も憧れる国となり、結果的にアメリカを世界最強最大の国家に押し上げたのです。

 台湾にも台湾ドリームがあります。我々が期待する台湾ドリームとは、公平な社会、チャンスがないと心配する必要のない社会であり、次世代の子々孫々に不安を抱く必要のない健全な教育、国民が信頼出来る盤石の政府、平穏な毎日を送れる永続的な経済のことです。

 台湾は強大な国家ではありません。しかし、豊かで公平な大国になることは出来ます。民主的で健全な大国になることは出来ます。多元的かつ幸福な大国になることは出来ます。台湾にはこうした台湾ドリームを見る資格があるのです。民進党はこれらの台湾ドリームが実現するまで、永遠に努力を続けます。

 同志の皆さん、我々とともに国家の永遠の安泰と国民の幸せ、喜びのために努力していこうではありませんか!もっと大きな、もっと素晴らしい、国民の期待にもっと応えられる民進党のために力を貸してください!

 皆さまどうもありがとうございました。


編集後記
5月は19日にデモ、20日に総統就任式典と、台湾が新しい局面に入った月でした。そのため、今月の記事は分量が多くなっています。
台北はすでに連日30度を超え、すでに真夏の気配です。サービス過剰な冷房が身体を芯から冷やします。
ご要望、ご質問などは、foreign@dpp.org.tw までお願い致します。

担当:早川友久

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