2012年9月25日火曜日

民主進歩党ニュースレター159号




民主進歩党ニュースレター(日本語版)月刊

第 159 号

2012731

発行:民主進歩党本部国際事務部


台湾台北市北平東路3010F
TEL: +886-2-2392-9989
FAX: +886-2-2 393-0342
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E-mail:  foreign@dpp.org.tw
発行人:蘇貞昌
      編集人: 劉世忠


 今月の主な記事

 王閔生「馬総統は責任逃れせず、政権内の徹底調査を」 2012-07-03
 馬総統が2日、収賄疑惑が報じられて辞任した行政院秘書長林益世氏について「残念」「政権はこれを教訓に」と発言した。これに対し、王閔生スポークスマンは、行政院高官に対する汚職疑惑に対し、馬総統はあたかも評論家のごとく残念だと言いながら謝罪するばかり。総統は積極的な方法で徹底的な政権の浄化を行うべきであり、さもなけば与党は国民の信任を得られず、国家の危機に陥るだろうと述べた。

 民主進歩党声明 2012-07-17
 本党の洪智坤氏が党中常委および中執委選挙に暴力団組織が介入していると指摘した件につき、民主進歩党は声明を発表した。

 国旗撤去問題 蘇貞昌「馬総統が積極的に主権を守らなかったのは残念」 2012-07-29
 台湾国内においては、国旗に対し様々な意見があることは承知しているが、台湾はすでに民主化された国家であり、多元的な意見が存在するのは自然の現象である。しかし、国際社会においては国家の尊厳は守られるべきであり、国際社会の空間を開拓するために台湾が国旗を擁護したいとと考えるのは当然のことである。にもかかわらず、馬総統が積極的に台湾の尊厳と主権を一切守ろうとしないのは残念である。 


【目次】
林俊憲「総統は徹底調査と謝罪を 馬政権にはあと何人の林益世がいるのか」 2012-07-02
王閔生「馬総統は責任逃れせず、政権内の徹底調査」 2012-07-03
映画「宝米恰恰」鑑賞会に出席 蘇貞昌「台湾映画の成長を」 2012-07-03
林俊憲「汚職防止はスローガンだけでなく、積極的な方策を」 2012-07-04
民主進歩党・第14回第65次中常会プレスリリース 2012-07-04
蘇貞昌「民進党のイメージを固め、2014年に打って出る!」 2012-07-04
国際食品企画委員会(コーデックス)決議に対する声明 2012-07-05
林俊憲「民進党は国民の健康を守り、今後の推移を注視する」 2012-07-06
蘇貞昌主席、五項目の呼びかけに馬政府が行動することを期待する 2012-07-06
中国旗を掲げた船を護衛 蘇主席「海巡署の対応に疑問」 2012-07-06
李進勇服務処成立式典の挨拶 蘇主席「国家は正直な人材を必要とする」 2012-07-07
宜蘭こどもフェスティバル開幕挨拶 蘇主席「一緒に楽しもう」2012-07-07
「前へ進め!台湾!」民進党全国代表大会のテーマを発表 2012-07-09
民主進歩党・第14回第66次中常会プレスリリース 2012-07-11
民進党全国代表大会開幕映像「前へ進め!台湾!」 2012-07-14
羅東聖母病院60週年記念 蘇貞昌「台湾を愛する人々の賜物」 2012-07-14
民主進歩党・第15回第一次全国党員代表大会 蘇貞昌主席挨拶 2012-07-15
15回第一次全国党員代表大会宣言「前へ進め!台湾!」 2012-07-15
民主進歩党・第15回中執評議委員および中常委員選挙結果 2012-07-15
選挙費用は民進党よりも少ない? 林俊憲「馬総統は不正直」 2012-07-17
蘇貞昌主席、米国のジョン・ミード・ハンツマン前中国大使と会見 2012-07-17
民主進歩党声明 2012-07-17
民主進歩党・第14回第67次中常会プレスリリース 2012-07-18
「指揮官が無能だと軍は全滅」 林俊憲「史亞平事件の真相を」 2012-07-19
屏東・嘉義党幹部就任式典に出席 蘇貞昌「国民は清廉潔白で勤勉な政府を求めている」 2012-07-19
民進党中央と6県市長 すみやかな財画法改正を求める声明 2012-07-20
江陳会の前に鍾鼎邦事件が発生 林俊憲「馬政府は積極的な対処を」 2012-07-23
「中国事務部」設置 王閔生「民進党の積極なる第一步」 2012-07-24
民主進歩党・第15回第一次中執会プレスリリース 2012-07-25
NCCは旺中買収案を容認 林俊憲「馬総統こそ台湾の言論の自由衰退の元凶」 2012-07-26
中国が三沙に警備エリアを設置 林俊憲「馬政府は台湾の主権を表明すべき」 2012-07-26
蘇貞昌主席「本党立法委員の苦労に感謝」臨時国会を終えて 2012-07-27
国旗撤去問題 蘇貞昌「馬総統が積極的に主権を守らなかったのは残念」 2012-07-29
中国「両岸は一つの国家に属す」呉釗燮「国民党では台湾の主権を守れない」 2012-07-30
旺中買収案に対する各界の反対 王閔生「馬英九総統はどう処理するのか」 2012-07-30
編集後記


 林俊憲「総統は徹底調査と謝罪を 馬政権にはあと何人の林益世がいるのか」 2012-07-02

 収賄容疑により、検察が行政院秘書長林益世氏の操作を始めたことに対し、林俊憲スポークスマンは2日、次のように述べた。

 林氏が以前受け取った6300万元と今年要求した8300万元は3つに分けられると同時に米ドルへ換金されていた。いったいどのような共犯関係が成立しているのか。馬政権にはあと何人の林益世がいるのか。林スポークスマンは馬総統に対し、公開で謝罪するだけでなく、政治的および道徳的責任を負い、政権内を徹底調査すべきである。

 メディアによって公開された林益世の録音は、林氏が何度も馬政権の高官であることを強調し、権力が絶大だと話している。一体誰が林益世氏にこうした地位を与えたのか。林氏の発言は偽りではなく、むしろ馬英九総統に抜擢され、国民党青年団長、国民党副主席、政策会執行長、さらには立法委員落選後、行政院秘書長に任命され、馬政権の中では間違いなく高官であるといえる。

 馬総統は国民に謝罪するだけでなく、政治的および道徳的責任を負うべきであり、馬政権にあとどれだけの林益世が存在するのか徹底調査すべきである。また、録音が示すように、林益世氏が多くの人事を動かしたり、国庫の印鑑を利用できる立場にあるなど、秘書長としての立場を利用してどれだけの不法行為を行なってきたか、関連部門はすみやかに調査すべきである。

 また、メディアからは外交部が東アフリカ諸国に代表処を設置しようする計画を持っていることについて林スポークスマンは以下の通り答えた。台湾の外交ルートを形成するため、外交官が最前線で努力しているにもかかわらず、馬総統の「外交休兵」政策は結局「外交ショック」に成り下がっている。そのため、外交官たちは何のために戦うのか、誰のために戦うのか分からなくなってしまっている。

 馬総統の「活路外交」は結局出口のない一方通行であった。例えば、前回の馬総統のアフリカ訪問では、国交保有国であるはずのサントメ・プリンシペが、馬総統訪問に先立ち、接遇出来ないと宣言している。また、駐パナマ大使には、現在まで信任状捧呈式が行われておらず、カスピ海の国交保有国、セントルシアもまた台湾の前大使に不満を表明している。一連の事件が示しているのは、馬政府の外交政策の誤りであり「指揮官が無能だと軍が全滅する」のとおり、現在の台湾外交は危険水域に入っていると言わざるをえない。


 王閔生「馬総統は責任逃れせず、政権内の徹底調査を」 2012-07-03

 馬総統が2日、収賄疑惑が報じられて辞任した行政院秘書長林益世氏について「残念」「政権はこれを教訓に」と発言した。これに対し、王閔生スポークスマンは次のように述べた。
 
 行政院高官に対する汚職疑惑に対し、馬総統はあたかも評論家のごとく残念だと言いながら謝罪するばかり。総統は積極的な方法で徹底的な政権の浄化を行うべきであり、さもなければ与党は国民の信任を得られず、国家の危機に陥るだろう。

 また、林益世氏の事件は決して個人の事件ではなく、国民党の長期にわたる腐敗文化と共犯構造に起因するもので、国民党腐敗体制の氷山の一角といえる。「清廉」の二文字は、国民党が掲げたスローガンにすぎないことがはからずも証明されたかたちだ。馬総統は「誰が林益世にかくも大きな権力を与えたのか」「国営企業にこうした権限を付与したのは誰か」「国民党内、馬政権内にあとどれだけの林益世がいるのか」を検討すべきである。

 さらに、国民は馬政権内で発生した汚職疑惑に対して驚きと苦痛を持って受け止めているにもかかわらず、馬総統は「残念」との一言で謝罪するだけで、あたかも部外者のようにふるまっている。国民は総統がどのような説明をするか、公務員の道徳基準や法律規範をどのように考えているかに関心を払っており、責任逃れに終始する総統を見たいとは思っていない。国民の希望しているのは、馬総統が政権トップとして、汚職問題が発生した際にいかなる具体的な行動をとるかである。

 馬総統の政権運営は無能であり、国民全般に対して失望を与えている。汚職疑惑は馬政権への信頼失墜と国民の政府に対する信任に重大な傷害を与えるものである。


 映画「宝米恰恰」鑑賞会に出席 蘇貞昌「台湾映画の成長を」 2012-07-03

 蘇貞昌主席は3日夜、映画「宝米恰恰」鑑賞会に出席した。会には、大同育幼院、天主教福利会附設台北県私立約納家園、新北市家庭扶助中心、新北市私立普賢慈海家園、台湾少年権益と福利促進聯盟、さらに監督の楊貽茜、主演の王傳宗らが出席し、蘇主席らとともに映画を楽しんだ。日常生活を取材したこの映画は、台湾の国産映画の可能性を大きく秘めた作品である。

 蘇主席は、台湾には優れた国産映画が多数あり、新鋭の監督も多数生まれてきている。国産映画に賛辞を送ることで、映画や俳優の発展の機会を提供しようと述べた。

 また、メディアからは馬総統が林益世氏の収賄疑惑に対し、わずかに「残念だ」「政権はこれを教訓とする」とだけ述べたことについて質問があり、蘇主席は次のように述べた。全国の国民は馬政権の高官がかくも重大な事件を引き起こしたことに非常に失望しており、馬総統は指導者として積極的に事件解明への行動を起こすと同時に、再発防止に努めるべきであり、評論家のように責任を行政院に押し付けることはしてはならない。


 林俊憲「汚職防止はスローガンだけでなく、積極的な方策を」 2012-07-04

 報道によれば、今週末、世論の批判に応えるため馬政府は44名の政務官を招集して「清廉政治倫理および反汚職座談会」を開催するとしたことに対し、林俊憲スポークスマンは4日、次のように述べた。
 馬総統は長期にわたり清廉を口にし、廉政署の設立や廉政委員会などの措置をとっているが、林益世氏の事件が示すように、馬総統の方策は表面的に過ぎず、意味をなしていない。馬総統が44名の政務官を集めて反汚職のレクチャーをするというのも、これまでの表面的なものと同じであり、林益世氏の再来を防ぐことは出来ないだろう。口頭で述べるばかりでなく、馬総統は積極的調査という行動を示すべきである。

 疑惑発覚から一週間が経ったものの、馬総統はいかなる具体的な方策も打ち出せず、次の汚職防止のためのいかなる制度も提案できていない。今後も表面的な対策を講じるのみでは、国民は失望し、苦痛を覚えるのみだろう。

 行政院秘書長の犯したのは大規模な汚職事件であり、悲しみと怒りを覚える。国民の期待を担った総統は責任を追うべきであり、責任逃れに終始するべきではない。林益世氏を抜擢し、寵愛してきた馬総統はその任命責任と、なにゆえ林氏を抜擢したかについて有権者に説明すべきである。

 馬総統の清廉とは口先のみであり、就任後に設立させた廉政委員会、廉政署も現在ではまったく機能していない。仮に林氏と贈賄側の企業が相反しなかったら、この事件は日を見ることはなかったであろう。この事件は政府の信用を失墜させるとともに、総統は無策であると国民に認識させ、失望させるものである。


 民主進歩党・第14回第65次中常会プレスリリース 2012-07-04

 民進党は4日、第14回第65次中常会を開き、 施俊吉研究員による「現在の経済情勢」と題する報告を行った。行政院秘書長林益世氏が汚職容疑で身柄を拘束されたことにつき、中常会では当局に対し、積極的な調査を求める決議を採択した。

 林俊憲スポークスマンによると、中常会において清廉は政治家がもっとも要求されるべき倫理であるにもかかわらず、国家最高行政機関の高官が汚職事件に関わっていたことは国民の政府に対する信頼を揺るがせ、国家の統治に危機を及ぼすものであるとの声明を採択。政局の安定と国民の信頼を取り戻すため、民進党は当局に対し、下記の積極的行動をとるよう求めた。

一、総統は、自身が無関係だとせず、全国民に対し、公開謝罪と反省を表明する。
二、憲政体制を尊重し、内閣は全面改組し国民の信頼を取り戻す。
三、事件の徹底調査および速やかな行政調査を行う。
四、国営企業は全面的に改革し、透明性のある構造とする。
五、国民党は党財産を精算し、黒社会と手を切り、民主主義の常道に回帰せよ。

 中常会では施教授の「現在の経済情勢報告」について意見を交換した。蘇主席は委員らの意見に耳を傾けた後、次のように述べた。施教授の報告からは、台湾の未来の経済情勢は楽観できるものではなく、民進党が先日行った世論調査においても多くの民衆が今後一年間における台湾の経済に悲観的な感触を抱いており、政府の経済対応能力に不信感を持っている。
 
 政府は厳粛にこの経済情勢の状況を受け止め、この状況が特に新卒者の就職状況、中小企業の営業資本、資金調達に衝撃を与えると同時に、大企業がより多くの就業機会を提供できるかという問題と密接に関連している。政府は現在、民生物価の安定を優先しているが、国民の生活ストレスを回避し、安定した生活を提供するため、行政院は即座に電力料金値上げを撤回し、民生物資の価格が正常な水準に回帰するよう対処すべきである。
 
 政府は財政上の起立を厳守し、厳密な支出管理によりEU債務危機のような万が一の状況にも対応できるよう準備しておくべきであり、政策上は台湾の産業構造を調整し、国民の実質的な需要と生活を重視し、経済発展の方向を雇用機会の創出、所得増加、生活品質向上と成長モデルを考慮すべきである。

 中央党部政策会とシンクタンクは台湾の経済発展を見据え、より深い研究と対策を適宜発表しており、本党が台湾経済の発展を重視していることは国民にも理解されているだあろう。また、政府の政策に対しても、国民の苦痛を軽減し、民衆の福祉を創造するために最大野党の力を発揮しなくてはならない。


 蘇貞昌「民進党のイメージを固め、2014年に打って出る!」 2012-07-04

 蘇貞昌主席は4日夜、基隆市党部第13回執行委員、評議委員宣誓就任式典に出席した。式典には党副秘書長の林右昌氏、組織部主任の李文忠氏のほか、多くの基隆市議員が出席。蘇主席は、党職員に対し、一層の一致団結を求め、2014念に行われる重要な地方選挙に勝利し、民意を反映することで良き監督者となると宣言した。また、国民党の汚職事件によって国民に失望が広がるなか、民進党は期待に沿った党になるため努力すべきと述べた。

 また、蘇主席は以下のようにも述べている。中央も地方も同じく、同じ民進党の党旗のもと、2014年最大の地方選挙が間もなく始まる。9名の現職議員の再選はもちろんのこと、さらなる躍進を希望する。その躍進のため、今こそ我々は努力を始めなければならないのだ。

 また、馬総統に対する支持率がワーストを記録したことについてメディアから尋ねられた蘇主席は以下のとおり述べた。最近の政局は混乱を極めており、国民は苦痛を受けているだけでなく、行政院秘書長による大規模汚職事件により、馬総統の支持率がワーストを記録したことは目新しいことではない。しかし、この支持率低下の問題は、馬総統個人の問題だけでなく、より重要なのは国家の危機であり、社会の混乱である。これらの問題について民進党は関心を抱いており、馬総統がこの事件について積極的に対応し、国民の期待に応えれば、支持率は好転すると信じている。


 国際食品規格委員会(コーデックス)決議に対する声明 2012-07-05

 林俊憲スポークスマンは5日よる、民進党は国民の健康と食品の安全を至上命題とし、これまで米国牛肉輸入解禁に一貫して反対してきた。また、米国との貿易互換関係および友邦関係をも重視してきた。民進党が問題としているのは、国際的なラクトパミン含有量の安全基準に未だ疑念があるためであり、どの国からの輸入に関係なく、政府が輸入解禁することに反対するものである。

 民進党はcodex(国際食品規格)委員会においてラクトパミンの残留量基準が採択されたことを注視している。Codexは国連およびWHOの最重要な食品安全基準を定める機構であり、民進党は政府に対し、ラクトパミン含有牛肉の輸入解禁に関し、台湾は国際標準を採用し、国際社会と同様の立場をとるべきである。

 しかしながら、民進党が国民の健康と食品の安全に関心を持つことに変わりは無く、全国の母親たちも同様の気持ちであろう。政府がラクトパミン含有量基準策定後は、民進党が強力に政府を監督し、基準を遵守させていくことで、国民の健康を守っている所存である。


 林俊憲「民進党は国民の健康を守り、今後の推移を注視する」 2012-07-06

 codex会議において昨日、ラクトパミン残留の許容量基準が策定されたことに対し、林俊憲スポークスマンは6日、再度民進党の立場を表明するため、下記のように述べた。民進党の立場は一貫しており、国民の健康を守り、国際基準を順守することにある。民進党は将来、安全基準の遵守を堅持し、国内の畜産業を保護し、政府の監督を進めていくものである。

 民進党は一貫して国民の健康と安全を最優先に考慮している。また、codexおよびWHOの策定した食品安全基準が、政府のラクトパミン含有牛肉の輸入問題処理について参考にすることを希望する。また、民進党は政府が「牛豚分離」の原則を確立し、国内の畜産業の保護にも目を向けるよう求める。

 メディアからは、民進党が行政院が提出した「食品衛生管理法」改正案を受け入れないことに対して質問があったが、林スポークスマンは立法院党団はより深い討論によってコンセンサスを得るべきであり、中央党部は党団の決議を尊重すると述べた。民進党はこれまで一度たりとも米国牛肉に反対したことはなく、台湾と米国の友好関係や貿易の発展についても非常に重視している。民進党が反対しているのはあくまでも、科学的あるいは専門的な確証がなく、多くの民衆が疑問を抱いているラクトパミン含有牛肉であり、いかなる国からの輸入かということは問題ではない。

 さらに、行政院の林益世氏に対する対応についての質問については以下のとおり回答している。事件が発覚して十数日が経過し、国民は非常に関心を持ってこの事件を注視している。また、政府が積極的に行動することも期待しているが、行政院廉政署の会議内容は空虚であり、結論はこれまでと同様のスローガンに終始している。馬総統が従来口にしてきた清廉とはスローガンに過ぎず、事件発覚後も、いかなる有効的な対策を見いだせず、国民に失望が広がっている。

 行政院は司法の判断を待たずに、能動的に調査を開始すべきであり、林益世氏が秘書長の任にあった時期、いかなる許可、不許可が行われたのか、どのような公文が起草されたのか徹底調査しなくてはならない。

 さらに、世界華人保釣聯盟會長の黃錫麟ら、尖閣諸島活動家が中国の国旗を持って尖閣諸島周辺海域へ赴き、海上保安庁が護衛したことについて質問されると、下記の通り回答している。これらの尖閣諸島活動家は周辺海域へ主権を顕示するために出航したというが、どうして中華民国旗を忘れて中国旗だけを持っていくということがあろうか。非常に理解に苦しむ。海上保安庁は全行程を同行しているので、関連部門は早急に調査および検討するべきである。

 馬総統は、中国と共同で尖閣諸島問題に対処するつもりはないと発言しており、尖閣諸島活動家がどのような行動をとろうとも、台湾の立場は明確である。第三者に対し、台湾と中国が共同で日本に対峙していくという誤った印象を与えることや、尖閣諸島活動家が中国の統一作戦に利用されることがあってはならない。また、海上保安庁や外交部は、こうした理解に苦しむ事態が発生したことに対し、立場を表明すべきである。さもなくば、外交部は機能しているのか否かに疑問を持たれ、「外交休兵」は「外交ショック」になりかねない。


 蘇貞昌主席、五項目の呼びかけに馬政府が行動することを期待する 2012-07-06

 蘇貞昌主席は6日、台北市党部第14期評議委員会招集人および執行委員、評議委員就任式典に出席して挨拶した。挨拶の中で蘇主席は以下のように述べた。馬総統は林益世氏の汚職事件について鄭重に謝罪すべきであり、司法機関に対し、厳格かつ速やかな調査を命じるべきである。また、行政院は国営事業の人事について行政調査を行なわなければならない。さらに、内閣は全面改組し、国営事業の全面改革を要求するとともに、国民党は党資産を精算し、国民へ返還すべきである。

 また、民進党は民主的政党として、現在は与党ではないにせよ、その責任は重大であり、間断なく変化する国内外の情勢を直視し、やらなければならないことがたくさんある。例えば、昨日codexはラクトパミンの最高残留許容量基準を策定したが、民進党は「国民の健康保護」「国際標準を参考に」「政府を厳格に監督」「畜産業の保護」を一貫して堅持していく。

 さらに、ラクトパミン含有牛肉の輸入問題に関し、台湾ほもともと国連codexの基準策定を待って立法を進める予定であったにもかかわらず、馬政府は独断専行し、延長国会で強行採決にいたった。こうした民意を押しつぶすやり方には、国民党内部の立法委員でさえ賛成しておらず、民進党は国民の健康と食品の安全を保証する立場から、馬政府の独善的なやり方を批判するものである。

 国際基準が策定されれば、立法院での審議紛糾は避けられず、それを見越した馬政府が民意に抗って強行するようなやり方は過去の国民党のやり方そのままであり、馬政府は今後改善するように望む。

  また、林益世氏の汚職事件に関し、林氏はこれまで馬総統に抜擢され、若くして国民党副主席に就任した。また、立法委員落選後には、行政院秘書長に任命されている。しかし、これほど大規模な汚職事件が発覚しても、総統はあたかも評論家のようであり、他人ごとのように談話を発表して責任逃れをしようとしている。にもかかわらず、高官を招集してレクチャーをするのみであり、国家の危機を放置していると言わざるをえない。

 蘇主席は馬総統に対し、以下の呼びかけを行った。一、馬総統は鄭重に謝罪すると共に、厳粛に反省し、全面的な改革を行う。二、司法機関は全面的かつすみやかな徹底調査を行うべきである。行政院は、国営事業の人事に関して行政調査を行うべきである。三、内閣は全面的に改組し、国民に苦痛を強いる法案、例えばNCC人事案、電気料金値上げ、所得税法改正案など即刻撤回すべきである。四、国営事業は全面的に再編し、国営事業組織、人事を全面的に改革し、今後の不正防止とする。五、馬総統は数度にわたり、党資産の精算に言及しているが、有言実行し、民主政治の常道に回帰せよ。

 馬総統が今後も他人ごとのような態度を取り続け、問題を直視せず、改革に着手しないのであれば、将来にはより多くの林益世氏が現れるだろう。民進党中常会においても、馬総統に対し、即刻行動を起こすよう求める決議がなされている。



 中国旗を掲げた船を護衛 蘇主席「海巡署の対応に疑問」 2012-07-06

 ごく少数の「尖閣諸島活動家」が海上保安庁の護衛のもと、中国国旗を掲げて尖閣諸島へ赴いた件に関し、蘇貞昌主席は王閔生スポークスマンを通じ、大きな関心を寄せていることを伝えた。尖閣諸島奪還といいながら、中国旗を掲げて抗争を行う行為は愚かである。また、海上保安庁が一貫して現場にいたことについては、今後政府の責任を求めていかなければならない。

 以下、王スポークスマンが伝えた蘇主席の談話である。台湾は国際社会に参加すると同時に、領土主権を守らなければならない。また、国際争議は平和的に解決するのが最も正確な政治の手段である。海上保安庁が活動家の船を護衛した行為は、ただ国際的な軍事外交衝突の可能性を高めたのみであり、台湾の主権にはまったく無意味である。さらには、台湾政府が護衛しているにもかかわらず、中国国旗が掲げられたことを放置したことはいかにして解釈すればよいのだろうか。このような事件はまったく理解に苦しむものである。


 李進勇服務処成立式典の挨拶 蘇主席「国家は正直な人材を必要とする」 2012-07-07
  
 蘇貞昌主席は七日、雲林を訪問し、李進勇「正直」事務所成立茶話会に出席した。事務所は雲林県虎尾鎮光復路にあり、蔡英文前主席、雲林県長蘇治芬氏、李應元立法委員、劉建國立法委員、県党部主任委員林源泉、蘇金煌議長、呉明敏教授らが出席した。蘇主席は挨拶で、馬総統が重用してきた林益世氏の汚職事件を見ても分かる通り、この時代に求められているのは正直な人間であり、正直こそ未来があり、正直であればこそ正しいことが出来ると強調した。蘇主席の挨拶は以下のとおり。

 民進党は台湾で成立し、成長した政党であり、民進党は台湾の国民に替わって主権、地方の発展に尽力する政党である。雑誌が行った各自治体の首長満足度調査では、民進党所属首長が揃って上位を占めており、国民は民進党の地方行政に信頼を寄せているといえる。今後は中央も地方も心をひとつにして、有権者の期待に応えていかなければならない。

 メディアから、馬総統が林益世氏の汚職事件を教材として、全国の公務員に対して清廉レクチャーを行うと発言したが、これは有効だと思うかと問われた蘇主席は以下のとおり回答した。国家指導者として、高官の汚職事件が発覚した現在、総統は心から悔やんでいることを国民に示さなければならない。ただ高官を集合させてレクチャーだけしているのでは、中学生でも出来ることだ。もし馬総統が責任を誰かに押し付けるのであれば、国民の失望を招き、汚職事件の一掃どころか、より多くの林益世氏を生み出すだけだろう。もし本当に汚職を浄化したいという気持ちがあるのであれば、行動で示すべきである。


 「前へ進め!台湾!」民進党全国代表大会のテーマを発表 2012-07-09

 民進党は第15回第一次全国党員代表大会を15日に台北市国際会議センターで開催するが、林俊憲スポークスマンは9日、記者会見を開き、大会のテーマを「前へ進め!台湾!」としたことを発表した。以下、会見要旨である。
 
 国民党のこれまで5年間の政権運営は、国家を導くどころか国家の発展の妨げになっており、国民は民進党に期待をしている。そのため、今般の全代会では「前へ進め!台湾!」を会の主軸とし、蘇主席のリーダーシップのもと、組織と宣伝を強化して国民の信頼に応えることとした。また、民進党は各界から寄せられる批判や建議に対し、真摯に耳を傾け、社会の力を結集することを目指す。

 民進党は政策テーマを主導する役割を担うのみならず、政権を取り戻し、台湾を発展させていく。そのため、民進党は人材育成を現在の重要な任務のひとつと考えている。

 また、全代会は15日午後1時半に開幕式を行い、午後2時から会議を開始。午後3時からは、中執委、中評委、中常委および中評会主任委員の選挙を行い、午後8時半には選挙関連業務および開票作業を終了する予定である。


 民主進歩党・第14回第66次中常会プレスリリース 2012-07-11

 民進党は11日、第14回第66時中常会を開催した。林スポークスマンによると、会では陳水扁元総統の刑務所外治療を求める決議を採択、蘇主席は近日中にも266名の民進党籍各県市民意代表に対し、署名運動の開始と陳元総統の刑務所外治療実現を支持する立場を表明するよう通達する予定。また、45名の社会団体代表者に対し、社会各界の意見を集約するとともに影響力を発揮し、一日も早く陳元総統の刑務所外治療を求めるよう依頼した。すでにインターネット上では柯文哲医師らによる署名活動が始まっており、多くの署名を求めていく次第だという。

 以下、会見要旨である。
 本日の中常会では715日に開催される第15回第一次全国党員代表大会の議事が決議され、議案および大会宣言である「前へ進め!台湾!」の草案が決まった。

 蘇主席は、陳元総統の身体状況に強い関心を持っており、一日も早い治療を実現すべく、中執会における決議後、決議文を民進党の各民意代表に送付しており、一緒に努力していくこととした。また、 柯文哲医師らの団体がすでに署名活動を始めており、ともに陳元総統の医療人権に関心を持って一日も早い治療実現を目指したい。


 民進党全国代表大会開幕映像「前へ進め!台湾!」 2012-07-14

 民進党は14日、短編映像「前へ進め!台湾!」を発表した。映像には、門諾委員総執行長・黄勝雄、非核家園大聯盟執行長・李卓翰、金曲獎入賞創作歌手・大支、「給我報報」創設人・馮光遠、世聯倉運董事長・黄仁安ら、5名の社会を代表する人物が登場する。映像は、社会各界の民進党に対する期待や、政党の社会責任、人権と弱者保護、環境保護、国際上の地位と尊厳など、関心あるテーマについて言及している。「前へ進め!台湾!」は国民の台湾に対する期待を表現している。

 王閔生スポークスマンによれば「前へ進め!台湾!」は国民の意見を映像という方法で表現、台湾が有する現実問題を提起した内容となっている。彼らの心のなかには、台湾に対する責任感があり、米国の高給与を放棄して台湾へ戻った者、人権のために声を上げる者、黙々と台湾を守るために力を注ぐ者がりう。彼らは孤軍奮戦するだけでなく、民進党がこれらの問題を重視し、一緒に努力することを望んでいる。それによって台湾にはよりよい未来と、次世代の幸福が得られるだろう。

 「前へ進め!台湾!」は715日に開催される全国党員代表大会で流され、民進党が国民の声に耳を傾け、社会に関心を寄せてきた象徴となる。民進党はこの土地の住民のために努力する必要があり、党内のコンセンサスを固めて民進党をより大きく、より良く、より国民の期待に合致させることで国民生活に幸福を与えるものである。

 映像の内容は以下のとおり。
 ・米国での高給与を放棄して花蓮に戻る 門諾委員総執行長 黄勝雄
  「Dr.Brown(花蓮門諾医院創立者)曰く、貴方たちは台湾の医師でありながら、米国の方が近く、花蓮の方が遠いようだ。誰も花蓮に行こうとしない。こう言われたとき、心がチクリとしました。」「民進党には大きな社会的責任があります。理性をもって我々社会の問題を解決していく必要があります。」「民進党には東洋のスイスになってほしいと希望しています。

 ・長年にわたり環境保護に尽力 非核家園大聯盟執行長 李卓翰
 「同じ旅行でも、豪華なグループ旅行もありますが、我々の旅は非常に苦しい旅行です。この仕事は、もしかしたら自分自身を慰め、自己満足だけにすぎないのかもしれません。我々の努力は、未来の台湾によりより環境を残すためのものだからです。」「民進党が考えるべきは、経済をいかに良くするとか、社会を良くする、環境保護をどうするかということではありません。台湾をどのような方向へ進めていくか、台湾をどのような国家にしたいのかということです。」「私の希望は次世代の子々孫々により美しい台湾を残してやることです。

 ・ジャーナリスト「給我報報」電子報創設者 馮光遠
  「長年にわたり、社会的な責任を果たそうと思ってコツコツと続けてきたのみ。ブログでは、人権や平等など、尊重されるべきテーマにスポットを当てた記事を掲載している。

 ・台湾コンテナ運輸業第一人者、現在は世聯倉運董事長 黄仁安
 「単純な考え方。地方で、小さな何かをするときに、一つの基金会を作る。小さな援助に過ぎない。これもまた社会に対する責任で、やるべきこと」
 「感動させることが重要。感動に予算はいらない。だけど、心のなかからの支持を取り付けられる」
 「小さな幸せ、大きくする必要はない。ただ、みんなが幸せなのがいい」


 羅東聖母病院60週年記念 蘇貞昌「台湾を愛する人々の賜物」  2012-07-14

 蘇貞昌主席は14日午前、宜蘭羅東聖母医院の60周年および老人医療ビルの着工式典に出席した。会場には、林聡賢・宜蘭県長、陳欧珀、田秋の両立法委員、呉念真、黄春明ら文化人も出席した。
 蘇主席は挨拶で、台湾が苦しい時代、国外から台湾へやってきた神父が、助けを必要とする台湾の人々に手を差し伸べてくれた。その行いが60年間休むことなく続けられたのは大変偉大なことだと述べた。

 また、自身の党主席就任式典で言及した「台湾は台湾人の台湾」「台湾はすべての台湾人の台湾」「台湾は子々孫々までの台湾」というフレーズは、国外から来た異郷の人々であっても「台湾を愛する」のであれば「台湾人」である、と述べた。

 今日の台湾では、統計によれば、高齢者人口比率が10.89%から11%となっており、その人数は2528千人を超過している。4年後には、高齢者人口は14%に、13年後の2025年には20%に達し、その成長速度はさらに加速する見込みだ。これは、5人に1人が高齢者となる計算になる。そのため、高齢者医療は非常に重要であり、政府に先駆けて羅東聖母医院が老人医療設備を整えたことに敬意を表する、と述べた。

 また、メディアから蔡英文前主席と王金平立法院長が会談したことを問われた蘇主席は、二人は以前からの友人であり、会うことは珍しいことではないため、詮索する必要はないと答えた。
 馬英九総統が国民党主席選挙に出馬すると表明したことについては、国民党内部の問題であり、馬総統にはご自分の考えがあるのだろうと答えた。


 民主進歩党・第15回第一次全国党員代表大会 蘇貞昌主席挨拶 2012-07-15

 呂副総統、台聯党の黄主席、元主席の皆さん、来賓の皆さん、同志の皆さん、テレビの前の国民の皆さん!

 26年前、民進党は戒厳令下に結党されましたが、当時の戒厳令に基づき、逮捕や勾留、死刑といった運命にさらされました。しかし、当時のメンバーは恐れることはありませんでした。というのは、当時の社会は変革を期待しており、国民が変化を求める声を聞いていたからです。社会の声、国民の声を聞き、民進党のメンバーは結党禁止を破り、さらには戒厳令も破ったのです。その10ヶ月後、25年前の715日、つまり25年前の今日、台湾で38年の長きにわたって敷かれていた戒厳令がついに解除されました。民進党は台湾のために時局をひっくり返し、新しい時代の幕開けを切り開いたのです。

 今日の台湾では、国民の期待はそれほど多くありません。ただ、安定した収入で家庭を養い、雨風を避けられる家を持つことです。しかし、ここ数年来、若者の就業機会はだんだん難しくなり、大卒者の給与も低下が続いています。また、子供を産みたがらない人が増え、不動産購入を諦める人もいます。国民に対する生活圧力の増加に対し、執政者は対処しなければならないのが本当であるのに対し、現実には電力料金値上げを断行し、国民の負担を増加させているのが現実です。

 国民は仕事が出来て清潔な政府を望んでいるに過ぎません。しかし、政府の行政効率は年々低下しており、国民の苦痛は増すばかりです。執政者は国民の苦痛を取り除けないのみならず、汚職や政治倫理失墜によってさらに頭の痛い問題を生み出すばかりです。先日も、行政の最高機関であるはずの高官の汚職がメディアによって暴露されました。

 また、国民は台湾が国際社会において、矮小化されることなく生き残る空間を求めています。しかしここ数年、中国との関係において、台湾は国家の尊厳を守ることに努力しているとは思えません。外交休兵は外交のジョークとなり、中国はあらゆる国際舞台において台湾を矮小化しているにもかかわらず、台湾からの声は聞こえてきません。さらには、尖閣諸島へ赴き、中国国旗を掲げた船を、台湾の海上保安庁の船が護衛するという事態は、台湾の国家的地位を矮小化し、主権を損なうものです。

 台湾は台湾人の台湾であり、台湾はすべての台湾人の台湾であり、台湾は子々孫々の台湾である。これは、台湾社会最大のコンセンサスであり、民進党が国民に対して約束したことでもあります。民進党は驕ることなく、国民が困難に直面している現在に、より大きな責任を背負っていると認識しています。

 今日、さらに激化するグローバルな経済競争に直面すると同時に、国内政治はより複雑となり、台湾は新たな試練を迎えています。この局面を打開し、国民のために問題を解決することが民進党に与えられた光栄な使命であり、避けられない責任なのです。

 台湾はひとところにとどまらず、沈むことなく団結して前進しなければなりません。台湾社会のあらゆる街角で、国民の声に耳を傾け、一緒に前進していきましょう。ありがとうございました。


 第15回第一次全国党員代表大会宣言「前へ進め!台湾!」 2012-07-15

 今年は戒厳令解除から25年にあたる。党外から結党し、与野党どの立場にあっても台湾国民の政党として台湾国民の利益、自由、民主のため無私の精神で難関に挑んできた。これが民進党の誇る精神である。

 台湾へいつ来たか、族群、性別、宗教、職業に関係なく台湾に根を下ろし、この土地に貢献してきた歴史が今日の台湾を形づくり、自由かつ民主的な生活方式があり、豊かで多元的な文化の累積を持ち、経済的にも世界で上位の実力を持っている。これは台湾が持つ貴重な資産であり、民進党とすべての台湾国民はこの資産を基礎として、子々孫々に伝えるために、美しい台湾を守る努力をして行かなければならない。

 しかし、今日の台湾はグローバル競争に巻き込まれ、国内的にはこれまで累積した負の遺産に苛まされている。経済の転換から国土の企劃まで、政治の革新から世代間の正義の実践まで、台湾は強力なリーダーシップを求めている。しかし、この国家発展の鍵となる時代に、執政者は統治能力を欠き、国家は空転し、政府は進むべき方向を見失って社会は不安に陥っている。国民も未来に対する期待を失っている。

 台湾や国民の困難に直面し、民進党は国民の期待に沿った政党として、その痛みを理解し、問題を解決し、台湾の経済競争力を向上させ、未来に期待を持たせることが、民進党の追うべき責任であり、使命である。

 グローバル化の時代、民進党は世界の進歩したパワーと結合し、世界の政党となる。
 多元化する時代、民進党は社会の各パワーと結合し、懐の深い政党となる。
 信頼に価値を置かれる時代、民進党は党の核心的立場を顕示し、民主化された政党となる。

 同志の皆さん、ここから私たちは再び奮起しよう。民主の力を守ろう。安定した台湾のパワーになろう。台湾の進歩を後押ししよう。前に進もう、台湾!
同志們,從此刻開始,讓我們一起奮起再奮起,成為守護民主的力量,成為穩定台灣的力量,成為推動台灣進步的力量,讓我們一起前進,前進吧,台灣!


 民主進歩党・第15回中執評議委員および中常委員選挙結果 2012-07-15
 
 民進党は15日、第15回第一次全国党員代表大会を開催。同時に、中央執行委員、中央評議委員、中央常務執行委員の選挙を行った。開票結果は下記のとおり。

 中央執行委員立候補人数42(うち女性15)から30人を選出(男女ともに公平を期すため、男女各7人以上は必ず当選しなければならない)。当選者は下記のとおり。
李清福、謝長廷、蔡同榮、游錫堃、蔡憲浩、邱莉莉()、邱議瑩()、呂孫綾()、林佳龍、何志偉、洪平朗、陳茂松、蔡易餘、賴儀松、王孝維、鍾鎮宇、陳亭妃()、管碧玲()、黃玉欣()、王定宇、李文正、段宜康、潘孟安、林武忠、羅文崇、洪智坤、劉曉玫()、呉思瑤()、顏曉菁()、鄭文燦。繰り上げ当選候補一位は劉世芳()、二位は劉建國、高嘉瑜()、李慧筠()

 中央評議委員立候補人数15(うち女性7)から11人を選出(男女ともに公平を期すため、男女各2人以上は必ず当選しなければならない)。当選者は下記のとおり。
陳奕瑄、葉宜津()、黃俊哲、林世宗、陳怡珍()、許銘春()、許錦構、賴美惠()、陳勝宏、謝志忠、許淑華()。繰り上げ当選候補一位は陳明澤、二位は陳昭南、三位は呉亞蓁()。主任委員は陳勝宏。

 中央常務執行委員立候補人数30人から10人を選出(男女ともに公平を期すため、男女各2人以上は必ず当選しなければならない)。当選者は下記のとおり。
李清福、謝長廷、游錫堃、蔡憲浩、何志偉、陳亭妃()、管碧玲()、段宜康、顏曉菁()、呉思瑤()


 選挙費用は民進党よりも少ない? 林俊憲「馬総統は不正直」 2012-07-17

 監察院が前日に公布した「2012年総統選挙、国民党および民進党の経費報告」について、林俊憲スポークスマンは17日、「馬英九陣営の選挙収入は本当に4億元だけなのか」と述べ、馬総統の報告金額に強烈な疑義を表明した。収入があるのに報告しないとなれば、違法な政治献金となる。また支出方面に関し、馬陣営の経費はわずか44千万となっており、「現在の政府は汚職秘書長がいるが、不正直な総統もいる」と批判した。会見は以下のとおり。

 収入面からいえば、民進党候補者の87%の経費は小額寄付でまかなわれており、党財産や財団に頼ることなく選挙を行えたことに対し、国民の支持に感謝する。しかし、馬英九陣営が報告した44千万元の収入の半分以上は、国民党資産から提供されたものだ。「馬総統は党資産を精算し、国民党資産を選挙に投入しない」と発言していたが、真っ赤な嘘であった。

 支出面では、民進党の候補者は一度の収入もしくは支出につき、その都度報告している。蔡英文陣営の支出は7億元あまりだったが、馬英九陣営はわずか44千万元あまり。この数字の差はいったい何であろうか。

 馬英九陣営は、選挙時に組織動員、宣伝活動など、手厚い財力を誇っている。選挙前、国民はあらゆるメディアにおいて馬陣営の広告を見たことであろう。この広告費について、馬陣営は経費を28千万元と申告しており、民進党の36千万元よりも少ないのだ。広告業者によれば、およそ馬陣営が申告した数字は信じられないものだという。


 蘇貞昌主席、米国のジョン・ミード・ハンツマン前中国大使と会見 2012-07-17

 蘇貞昌主席は17日、中央党部において美国のジョン・ミード・ハンツマン前中国大使と会見した。会談はおよそ1時間におよび、中国の民主化問題、両岸関係、米台関係、台湾経済政策などの重要なテーマに及んだ。

 会談では、インターネットが中国の民主化に与える影響力に言及し、蘇主席とハンツマン大使は、インターネットが社会に対して有する強大な影響力について意見を交わした。蘇主席は、戒厳令の時代、米国に行かなければ台湾での禁書を読むことは出来なかったとし、ハンツマン大使も初めて戒厳令下の台湾を訪れた際、自由なメディアは存在せず、書店へ行っても一部が切り取られた新聞や本が売られており、現在の台湾とは全く異なると述べた。

 中国との交流については、蘇主席は民進党と中国の対話に関し、前提を設ける考えはないとし、機会があれば中国へ行き、多方面での交流を通じて理解を深めたいとした。

 両岸関係最大の問題について、民進党は1999年、全代会で決議された決議文において、台湾はすでに主権独立国家であり、憲法によってその名称は中華民国とすることが決められている。もし台湾の現状を変更するならば、国民投票により、民主的な方式で変えられるべき、と蘇主席は述べている。

 また、民進党は台湾を主権独立国家としているが、馬総統もかつてはそのように主張していたものの、総統就任後は一国二地区の主張を始めた。あらゆる世論調査でも、多くの人が台湾を主権独立国家と認識しており、中国の一部分ではないとしている。しかし、中国との経済交流は必要というのが主流の民意である。中国は人権保障が不透明であり、最も重要なことは、民主自由と人権の尊重を維持することだと指摘した。

 南シナ海の問題については、民進党は平和協議を主張しており、中国とともに共同戦線をはるつもりはない。ましてや武力の行使には反対である。尖閣諸島については、これまで日台間で漁船保護などについて話し合ってきたが、現在の与党はそうした努力をしておらず、この点が心配されると指摘。

 米国議会に話題が及ぶと、蘇主席は将来的には米国議会との交流を活発化させ、米国に民進党の代表処を置く準備をしたいと表明。米国は台湾にとって最も重要な盟友であり、国民党の声だけでなく、より多くの声を米国に届けたいというのが民進党の考えだと述べた。

 蘇主席は午後、政策会の呉釗燮執行長、国際事務部の劉世忠主任、民進党ワシントンDC連絡人の彭光理(Michael J. Fonte)氏らとともにハンツマン前中国大使に会見している。



 民主進歩党声明 2012-07-17

 洪智坤氏が党中常委および中執委選挙に暴力団組織が介入していると指摘した件につき、民主進歩党は以下の通り声明を発表する。

 一、    本党党員が党規に違反したか否かについては、紀律評議裁決条例に依るものとし、いかなる違反事項の非難告発も、告発や放言すべきものではない。紀律違反に対しては、党内に対応する部門がすでに存在しており、この部門を経由せずしてインターネットや記者会見などを通じて行うことは、党に損害を与えるばかりだけでなく、党規違反に抵触する可能性がある。

 二、    この件に関し、本党はこれまでいかなる告発資料も受け取っていないが、具体的な名前も挙がった場合には党の規定に基づき、速やかに処理するものとする。

 また、この件に関し蘇主席は次のように述べた。陳菊市長とは30年以上の付き合いだが、陳市長はその一生を民主主義のために犠牲にし、台湾のために働いてきた。現在、高雄市長の任にあり、有権者の高い支持率ばかりでなく、党内からも尊敬を集めており、陳市長が暴力団組織の介入を許すばかりか、屈服するなどありえない。


 民主進歩党・第14回第67次中常会プレスリリース 2012-07-18

 民進党は18日、第14回第67次中常会を開催。林萬億教授を招き「青年就業情勢と対策」について報告を受けた。林俊憲スポークスマンによると、本日の中常会では第15期中執委、中評委および中常委の選挙結果が公布されたことにより、最後の会議となり、蘇主席は委員各位に感謝するとともに、2年間の労をねぎらった。

 林スポークスマンによると、林萬億教授の報告後、蘇主席は台湾の青年就業問題は深刻であり、政府によるおよう政策は明らかに不足と指摘。民進党としては、行政院が青年層の雇用機会を創出するべきであるが、短期的、断続的なものであってはならないと述べた。

 また、林スポークスマンによる林錫耀・党秘書長の党務報告では、民進党は財政分割法改正は急務かつ重要だと考えており、724日の立法院臨時会議において民進党版の改正法案を提出する予定。民進党では前日に民進党籍主張の自治体から財政局長や学者を招き、専門家による討論会を開催。蘇主席は20日に首長、党団三長を招聘し、民進党が臨時国会で提出する財政法修正案についての要求を表明するという。

 また、洪智坤中執委員が中常執委員選挙に暴力団が介入していると発言したことにつき、今日の中常会開会前までに党中央本部には洪中執委員からの文書は届いていない。ただし、中常委員は席上、当内部の検挙制度を用い、予め具体的な証拠を挙げるのであれば、制度に基づいて中央党部は処理をするのであるから、インターネットや記者会見によって自由気ままに意見を述べるべきではない。さもなくば、党員の相互攻撃となり、党全体に影響を及ぼすことになると指摘した。


 「指揮官が無能だと軍は全滅」 林俊憲「史亜平事件の真相を」 2012-07-19

 前駐シンガポール代表の史亜平氏が失職した件について、林俊憲スポークスマンは19日、次のように述べた。史亜平氏は先日、汚職容疑で身柄を拘束された前行政院長の林益世氏と同様、馬総統の寵愛を受けており、林氏が立法委員に落選したにもかかわらず、行政院秘書長に抜擢されたのと同様、史亜平氏は駐シンガポール代表を失職しても、外交部の常務次長に就任している。馬総統の密室人事は国家の内政および外交推進に大きな損害を与えている。

 国民は史亜平氏事件の真相に大きな関心をいだいているが、外交部は一向に説明責任を果たさず、伝聞によるスキャンダル報道は台湾とシンガポールの国家関係に影を落としている。史亜平氏事件は外交休兵の一環ではなく、むしろ外交危機であり、馬総統の外交政策がもはや外交関係に損害を与えている証左である。台湾の前セントルシア大使の周台竹氏によるペルソナ・ノン・グラータを被り、パナマ大使は現在でも未だアグレマンを得ていない。今年4月、馬総統はアフリカ友邦歴訪の旅に出たが、大統領の接遇がキャンセルされたり、昨年にはフィジー代表処で汚職疑惑が報じられたりと、様々な事件が発生している。これらの事件を、馬総統は外交休兵政策というのであれば、台湾の外交関係や在外公館の職務は混乱を来たし、まさに「指揮官が無能ならば軍は全滅」のとおりになる。

 馬総統が若手を育てたいのであれば、公平な審議を受けるべきで、密室で決めるべきではない。また、個人の好みだけで人事を動かせば「内には林益世、外には史亜平」と、悪貨は良貨を駆逐するのごとく、制度が破壊され、士気に影響を及ぼす結果となるだろう。


 屏東県、嘉義県党幹部就任式典に出席 蘇貞昌「国民は清廉潔白で勤勉な政府を求めている」  2012-07-19

 蘇貞昌主席は19日、屏東県党部幹部就任式典に出席。また、屏東県長曹鴻、屏東県党部主委鍾佳濱、屏東県党部執行長陳文亮や多くの新任党幹部も出席した。蘇貞昌主席は挨拶の中で、故郷の屏東に帰ると、温かさは倍となり、非常に嬉しいと話している。午後には嘉義県の党部幹部就任式典にも出席、嘉義県長張花冠、立委陳明文、嘉義県党部主委黄麗貞や、市議員李俊毅、中執委員蔡易餘らも会場に姿を見せた。蘇主席は挨拶で、張花冠県長が5つ星級の県長に選ばれたことを絶賛、政治的成績も優秀であり、民進党はこうした基礎を元にして嘉義県長、議員、郷鎮市長、代表、村里長にいたるまで、その実力派非常に堅牢だと述べた。挨拶要旨は以下のとおり。

 国民は清廉で勤勉な政府を求めている。国民の希望は政府が困難を解決してくれ、苦痛を和らげてくれることにある。このため、民進党はこうした方向に向けて努力をしなければならない。地方、中央にかぎらず、政府は有権者との橋渡し役であり、党は政権運営の機会を勝ち取り、国民に大きな幸福を贈りたいと願う。野党である現在は、監督の力量を発揮し、国民の幸福を守るよう監視を続けていく。


 民進党中央と6県市長 すみやかな財画法改正を求める声明 2012-07-20

 立法院臨時国会が来週招集されることとなり、民進党の蘇主席は20日、雲林県長蘇治芬、嘉義県長張花冠、台南市長頼清徳、屏東県長曹鴻、高雄市副市長李永得、宜蘭県副県長呉澤成、立法院党団総招集人柯建銘、幹事長潘孟安を招集し、中央政府は地方政府の財政問題を正視すべきであり、都市と地方の貧富の差是正に有効な財政収支画分法を臨時国会の優先審議法案とするよう求める声明を出した。

 人間は生まれながらにして平等であるが、台湾では生まれた場所によって不公平、不平等が生じている。こうした不平等は山河といった地理的な制限ではなく、中央政府による制度や法令、資源分配による不平等であり、その影響は年々深刻化している。2009年に地制法が改正された際も、自治体合併時も、立法院は明確に2ヶ月以内の財画法改正要求を決議していながら、すでに3年が経過している。

 こうした生まれながらの不公平は、老い、病気になり、死ぬ際に使う社会設備や福祉制度にまで及んでおり、統計の数字を見るだけで一目瞭然である。地方政府は財源がないことに困惑しており、富める者はますます富み、貧しい者はますます貧しくなっている。財源を創出出来ないため、地方政府も分配するうえで非常に困惑している。

 蘇主席が民進党の改正案として挙げた3点は以下のとおり。
 第一、中央と地方財政の平等システムを建立
 中央と地方政府の財政的な平等を確保するうえで障害なのは、行政院の持つ財政裁量権が大きすぎることである。修正案では、現行の方式を改正し、公平な分配および地方財政の自主性強化を目指す。
 第二、財源拡大により、メリットを最大限に
 各自治体は財源不足に苛まされているが、法改正により税収分配規模が修正され、確実に地方政府に分配される財源は増加する見込みとなる。自治体により、増加額は異なるが、減収となることはない。
 第三、都市と地方の差を縮め、地域の発展を目指す
 国民公平の原則に基づけば、居住する自治体によって差別待遇を受けることは許されない。法改正により、都市と地方の差が是正され、地域の発展が促進されるだろう。中央政府は税収の分配基準を人口に設定しているが、高齢者人口、土地面積、各家庭の可処分所得、営利事業の事業学、農林水産畜産業の生産高、基本インフラの需要などを指標に取り入れることで、公平な税収分配が実現する。

 声明では、現在の各自治体の財源状況はかなり逼迫しているにもかかわらず、税収分配がうまく機能しておらず、地方の基準財政需要も満たしていない。そのため、地方では満足な施政が行えず、国家における貧富の差のように、都市と地方では差が広がっており、是正を早く行わなければ国家の発展に重大な危機をもたらすだろうと結んでいる。


 江陳会の前に鍾鼎邦事件が発生 林俊憲「馬政府は積極的な対処を」 2012-07-23

 林俊憲スポークスマンは23日、中国大陸でビジネスを行っていた鍾鼎邦氏が中国で身柄を拘束されて1ヶ月以上が経ち、家族や弁護士も連絡が取れなくなっていることに対し、民進党は強く関心を寄せていると述べた。国民の声明財産や安全を保護することは、政府の基本的な職責であり、鍾鼎邦氏が中国で身柄を拘束されてから1ヶ月以上が経つにもかかわらず、馬政府は何ら積極的な行動に出ていないことから、政府に対し、責任を果たすよう呼びかけるものである。以下、林スポークスマンの会見要旨である。

 8月には「江陳会」が行われ、「台商投資保障協定」が締結されるかに関心が集まっているが、皮肉なことに会談実施前に台湾国民である鍾鼎邦氏が中国政府によって身柄を拘束される事件が発生した。中国政府がこの事件をどのように処理するかについて、台湾国民は台商投資保護が具体的に実施されるか否かの試金石になるものと見て注視している。もり中国政府が鍾鼎邦氏事件を処理できないのであれば、将来の「台商投資保護協定」は全く無意味なものになる。

 また、NCC委員会が本日、旺中集団による中嘉優先電視を買収する案について審議することに対し、民進党は言論の自由を守ることを堅持し、特定の財閥がメディアを牛耳ることに反対する。旺中集団による買収金額は760億元となり、118万戸の家庭に影響を与える。この戸数はテレビ視聴家庭の4分の1にあたり、もし買収案が許可されれば、特定の財閥がメディアを独占することになり、言論の自由や国民のテレビ視聴品質に重大な影響を与えるとともに、台湾のメディア環境や発展に悪影響を及ぼす。

 呉敦義副総統が林益世事件に関わっているのではないかと報道されていることについて、林スポークスマンは次のように述べた。はっきりしていない事柄について推測の程度で述べるべきではないが、確かなのは、呉副総統が真実を話していないということである。特捜部には、積極的な捜査を求めるとともに、呉副総統に対しては、国民に対してはっきりと説明することが副総統の尊厳と責任を果たすことになる。


 「中国事務部」設置 王閔生「民進党の積極なる第一步」 2012-07-24

 王閔生スポークスマンは24日、前日開かれた民進党中央党部において「中央党部組織規程条例」修正草案が可決し、中執会での決議を待って、「中国事務部」の設立が決まったと述べた。王スポークスマンの発言は以下のとおり。中国事務部の設立は蘇貞昌主席の党主席選挙公約であり、 715日に新しく選出された中執委員による初めての中執会席上、修正案が可決されれば、公約が早くも実現することになる。

 中国事務部の設立は民進党の自信、積極性を体現するものであり、将来的には中国事務部に主任一名、副主任一ないし二名を置き、中国に関する事務や台湾の安全保障、戦略などの問題を処理することとする。更に、民進党では、「中国事務委員会」の設置準備も進めており、中国政策座談会などの開催を拡大し、対中関係や中国政策の方面についてより深い討論や交流を目指していく。

 蘇主席は正解は変わっており、中国も変わっている。台湾も変わらないままではいられないとし、中国事務部の設置にこぎつける。特に、中国による対外投資総額は世界第5位になっており、中国の成長に直面し、民進党は両岸交流において専門部署である中国事務部を置いて、さらに中国との関係を処理したい考えである。

 蘇主席はさらに、民進党は政治的もしくは経済的に中国と交流したいだけではなく、将来的には民間レベルの交流も拡大させたいとしている。将来的な中国事務部の主要業務は、中国事務資料の収集及び分析、中国事務の推進と連絡、そして最も重要なのは台湾の安全保障と台湾海峡の平和のための戦略研究であると述べている。

 「中国事務委員会」がいつ設置されるのかというメディアからの質疑に答え、王スポークスマンは、事務委員会は中国とのプラットフォームであり、各会の専門家の意見を聞き、中国事務部の業務開始後に決めたいとしている。

 また、中国が民進党の設ける中国事務部あるいは中国事務委員会の名称問題について圧力を加えたという報道に関し、王スポークスマンはそのような圧力がかかった事実はないと返答。民進党はこれまでも「中国」を、対中国事務処理部門で使用しており、問題はないとの味方を示した。


 民主進歩党・第15回第一次中執会プレスリリース 2012-07-25

 民進党第15回中評委、中執委および中常委は25日、就任の宣誓を行い、第一次中執会を開催し、中央党部に「中国事務部」を設置する組織規程修正案を可決した。蘇貞昌主席は会終了後、中国事務部の設置は民進党では中国事務を専門的に処理する部署が必要との見方を体現したもので、国民の期待に応える第一歩だと述べた。会見要旨は以下のとおり。

  台湾の国家利益を追求し、台湾海峡の平和、地域の安定、両岸関係の更なる発展となる中国政策をいか建立するか、これはここ数年来非常に関心を集めたテーマである。それと同時に、民進党が野党から与党になり、再び野党になった民進党がどのように対応するか、国民の関心ごとでもある。そのため、私は党主席選挙の際、公約として中国事務部と関連する委員会の設置を掲げたのだ。

 世界は変化しており、中国も変化している。台湾と民進党も変わらないということは出来ない。民進党は既存の価値観と立場を堅持しながら、対中国戦略を調整していくが、特に留意すべき点は以下の3つである。

 一、国内面:世論の支持を失った馬政府は、中国による政治的協議開始の圧力に晒されている。こうした状況下で、いかにして台湾の主権を維持するべきか、民進党は台湾国民の利益に符合し、期待される政策を主張しなければならない。また対話の強化によりお互いの理解を深め、平和的関係を確保しながら民主的な発展を目指す。台湾の未来は民主的なコンセンサスによって決せられるべきであり、それが台湾の主流の民意である。

 二、国際面:中国の発展は世界に複雑なチャンスと挑戦をもたらした。民主的価値観を有する陣営は、中国が責任ある国家となることを期待して、民主化、軍事透明化、経済自由化、他国への武力脅威の減少を求めてきた。しかし、中国は一向にそれらの期待に応えず、やきもきさせられている。ここ数年来、米国の対中国政策は非常にソフトなものからハードなものへと転換している。たとえば、南シナ海の領土問題の主導やTPPの発起など、外交経済貿易戦略に変化が見られる。シャングリラ会議以降、米国国防長官も2020年までには、60%以上の軍艦をアジアに配置すると発言している。こうした情勢の変化は、アジア太平洋の周辺国家がすべて米中二強の間でバランス外交を求める要因となっている。このような状況のもとで、台湾は自身の位置、役割、政策を追求しなければならず、国内だけに目を向けるのではなく、また、両岸だけを見るのでもなく、地域の安定という角度から見るべきである。

 三、両岸面:民進党がもし中国とまったく交流を持たないとすれば、中国による台湾の理解はすべて国民党を通じた偏ったものになる。そうなれば、台湾も中国のことを理解出来はしないだろう。中国は共産党のみにあらず、経済の中国だけでもない。その他の部分の存在するのだ。中国の変化はより早く、より大きい。台湾はそんな中国の隣りに存在しており、あたかも巨象の足元に位置するようなものだ。もし巨象が突然暴れだした場合、台湾は慎重に行動しなければならない。踏み潰されたら一巻の終わりである。

 将来成立予定の「中国委員会」の名称に関しては、名称はそれほど重要ではなく、どのような名前でも尊重する。討論されて決まったものならなんでも良い。委員会の主要目的は党内の専門家や外部の学者、専門家を招いて意見を聞くことである。中国に対しては各人がそれぞれ異なる意見を持っているだろう。委員会はその交流のプラットフォームになりうる。忌憚のない意見をお互いに出し、最終的には党内のコンセンサスを得て、決められた手順で決議されることになる。

 また、党主席はコーディネーターの役割をするとし、委員会はすなわちプラットフォームである。民進党には民進党の立場、考え方、価値観がある。しかし、変化する中国に対しては、予め立場を決めることはせず、一方的でなく相互信頼出来る関係を目指す。

 中国に拠点を設けるかというメディアからの質問には、現段階ではそういった計画はなく、もし設置するとしても、民進党と中国双方のすり合わせが必要であり、将来的な計画にはまだ時間を要するであろう。


 NCCは旺中買収案を容認 林俊憲「馬総統こそ台湾の言論の自由衰退の元凶」 2012-07-26

 NCC委員が任期最後の一週間で旺中による中嘉買収案を通過させたことにつき、林俊憲スポークスマンは26日、この案件は不要不急のものであり、正当性もない、なにゆえ任期最後の一週に通過させたのか疑問が残ると述べ、馬総統を支持する財閥に対する政治介入が働いたのではないかと疑義を呈した。

 民進党は強烈に買収案に反対しており、NCCに対し、4名の委員および旺中集団による密室会議の内容をすべて公開するよう求めている。発言内容、会議記録を公開して精査させるべきであり、国民党がいかにして強行成立させたかを明らかにすべきだとしている。

 NCCによる買収案審議では、一つの焦点としてメディア経営者の特質と条件があった。旺中集団の蔡衍明氏による過去の言動を見ると「天安門事件の死者はそれほど多くなかった。それほどの事件ではない」と発言してみたり、「なぜ新聞で儲けてはいけないのか」との発言が見られる。すでに経営している新聞社が中国の怒りを買うような記事を書いた際、編集長さえ首をすげ替えられており、こうした人間がメディアを経営し、コントロールすれば、台湾の言論の自由と言論環境は大きな傷害を受けるだろう。


 中国が三沙に警備エリアを設置 林俊憲「馬政府は台湾の主権を表明すべき」 2012-07-26

 林俊憲スポークスマンは24日、中国が南シナ海において三沙警備区を設置し地域の安定を著しく乱した行為が、ベトナム、フィリピン、米国など周辺国家の強烈な反対と抗議を引き起こしているが、馬政府は全く反応を示していないと指摘し、馬総統に対し、国家元首として国家主権を守る立ち場を表明するべきと批判した。

 また、三沙警備区には太平島が含まれており、太平島は台湾の領土である。馬総統は中国に対し、三沙警備区設立に抗議すべきであると述べた。また、民進党は南シナ海の問題は平和的協議によって解決すべきであり、中国のこうした挑発行為が再び起こらないよう、国際的な共同設立行為準則を設定する必要にも言及した。

 メディアから、前日に民進党内で通過成立した「中国事務部」あるいは将来的な「中国事務委員会」について問われると、林スポークスマンは「中国事務部」は党内の研究部門であり、「委員会」は党内の学者や専門家の討論に必要な交流のプラットフォームとなるものだとし、このプラットフォームが民進党と中国共産党のプラットフォームになる可能性については「違う」と返答している。


 蘇貞昌主席「本党立法委員の苦労に感謝」臨時国会を終えて 2012-07-27

 立法院の第8回第一次臨時会が前日に閉会となり、蘇貞昌主席は27日、以下のとおり述べた。
 一、ラクトパミン含有牛肉案はすでに可決したが、馬総統や行政部門は国民の要望を確実に履行すべきであり、民進党は今後も厳格に政府を監督する。
 二、贅沢税法案は名ばかりの改革であり、財政の健全化には財政收支分割法改革を経てはじめて世代や地域の公平正義が達成される。
 三、立法院がNCCの人事異動を行う間際に旺中買収案を可決させた。これは立法院をまったく尊重していない現れである。この後、NCCは国民の信頼を失い、台湾のメディア環境と言論の自由は重大な損害を受けるだろう。
 四、不信任案は憲法によって立法院に賦与された権力であり、立法院職権行使法に優先するものである。このたび、立法院が不信任案を処理しなかったことは、立法権に自ら制限をかけるものである。

 また、民進党籍の立法委員に対しては、これまでの苦労を労い感謝する共に、「財政収支分割法案、政党法案、集会デモ法案、非核推進法、台湾と大陸地区の国民関係条例、離島建設条例」など6つの改正案を、第二期与野党郵政ん共同法案としたことを評価した。


 国旗撤去問題 蘇貞昌「馬総統が積極的に主権を守らなかったのは残念」  2012-07-29

 蘇貞昌主席は29日、超越基金会一周年記念式典に出席した。蘇主席は、現在の台湾は、これまでとは異なり、一部のエリートや政権による執政ではなく、多くの力を集結させ、最大限の力を発揮させるべきであり、それによって正義の社会を形成し、台湾を健全な国家にすべきだと話した。

 メディアから、オリンピックが行われるロンドン市街で中華民国旗が撤去された事件が発生し、馬総統が何の対応もしなかったことに対し、蘇主席は1999年に党最高機関である全国代表大会において「台湾は主権独立国家であり、その名称は憲法に則り『中華民国』とし、中華民国旗を国旗とする」と決議している。しかし、オリンピックの参加に際し、台湾は中華台北の名を用い、中華オリンピック委員会の会旗を持ちなければならない。台湾国内においては、国旗に対し様々な意見があることは承知しているが、台湾はすでに民主化された国家であり、多元的な意見が存在するのは自然の現象である。しかし、国際社会においては国家の尊厳は守られるべきであり、国際社会の空間を開拓するために台湾が国旗を擁護したいとと考えるのは当然のことである。にもかかわらず、馬総統が積極的に台湾の尊厳と主権を一切守ろうとしないのは残念である。 


 中国「両岸は一つの国家に属す」呉釗燮「国民党では台湾の主権を守れない」 2012-07-30
 
 中国政協主席の賈慶林氏が第八回・国共フォーラムの席上、「両岸は一つの国家に属する」と言及したことにつき、民進党の呉釗燮・政策会執行長は30日、これまで中国は「両岸は一つの中国に属する」と述べてきたにもかかわらず、現在ではより一歩踏み込んで「両岸は一つの国家に属する」と表現した。このことから、中国の対台湾政策は一歩一歩確実に進んでいるといえる。中国が「両岸は一つの国家に属する」と発言した後、台湾はこの問題に関し、中国の内政問題としているが、この問題は台湾のすべての国民および国際社会の生存空間や他国との関係において重大な影響を与えるものである。以下、呉執行長の会見要旨である。

 中国の対台政策は常に「胡六点」によって進められており、最も重要な基礎は「台湾は中国に属する」「台湾は中国の一部分」あるいは「台湾は中華人民共和国の一部分」という一つの中国の原則である。しかし、もっとも不思議なのは馬英九政府の態度である。馬政府は選挙前、台湾民衆に向かって「台湾は主権独立国家である」「中華民国は主権独立国家である」「台湾の前途と未来は2300万人の国民が決める」と言っていたのである。しかし、選挙終了後、呉伯雄氏を中国へ派遣し、胡錦濤氏と会見させた際に「台湾と中国は一つの中国に属する」「台湾は中国の一地域」と言わせ、国民の反感を買ったのである。さらに深刻なことは、賈慶林氏がすでに「台湾と中国は同じ国に属す」と言及したことである。現場にいた呉伯雄氏は一切反応せず、あたかも中国が決めた台湾の立場を受け入れたかのようである。

 呉伯雄氏は出国前、馬英九総統と特別に懇談したが、その内容を明らかにすべきである。台湾国民は馬政府の選挙前と選挙後の変化に対して怒るべきであり、民進党はこの件について重大な関心を寄せているほか、全国民に対し、国民党は台湾の地位を守る気のない政府だということを見極めるよう呼びかける。

 記者から、民死のつは「両岸は同一の国家に属する」という表現が「両岸は一つの中国に属する」という表現よりも台湾の生存空間をより一層狭めるものだと考えているのかと問われた呉執行長は下記のとおり答えた。これまで国民党は「一中各表」を掲げ、一つの中国の枠組みの中で、お互いが定義すればよいという姿勢であった。しかし、両岸が「一つの国家」に属するということであれば、台湾は中国に属することになり、もはやいかなる表現の出来る空間は残されていないことになる。両岸関係が密接化する中で、中国はひたすら「台湾は中国に属する」の表現を強化しているが、馬政府による反応は一切見られない。

 国共フォーラムでは初めて「両岸和解制度化」などの政治的議題についても話し合われたが、呉執行長によれば、現在の発展度合いから見て、国共両党は「胡六点」に沿って経済方面での協力から現在の台湾の地位といった政治的テーマまで一歩一歩着実に歩んでいるようにみえる。中国のこの方面に関する立場は非常にはっきりしており、両岸は「一つの中国」の原則にもとづいて敵対状態を終了させ、平和協議を通じて軍事同盟を結び、台湾と中国の政治的枠組みの中で祖国の完全統一を成し遂げようという腹である。

 中国高官は最近、「一つの中国の枠組み」の確立によって政治的相互信頼を確立しようと話しているが、この点について国民党は全く抗議しておらず、国民の疑心暗鬼を引き起こしている。また、国共両党が敵対状態の終了や平和協議の締結など、性急に政治的なテーマに立ち入ることは、台湾の独立自主的な国家の地位を深刻に貶めることになるのではという懸念もある。

 台湾は主権独立国家であり、台湾の名前は「中華民国」である。いかなる現状の変化も、台湾の2300万人の国民の民主的手続きに依った同意が必要であり、それが「台湾コンセンサス」となる。馬英九総統が選挙前に提示していた内容も同様であり、馬英九総統は以前の立場に立ち返るべきである。


 旺中買収案に対する各界の反対 王閔生「馬英九総統はどう処理するのか」  2012-07-30

 王閔生スポークスマンは30日、旺中グループによる中嘉買収案につき、反対するという民進党の立場を再度表明した。王スポークスマンは、NCCによる現実に乖離した行為はメディアの混乱を招き、国際メディアでも報じられている。馬政府は速やかに対処し、国民党は態度を明らかにすべきだと述べた。以下は会見要旨である。

 これまで、学術界では多くの反対の声が挙がっており、黄国昌、管中祥、張錦華らの学者にかぎらず、王小棣監督などの文化人が反対を表明し、国際メディアはこの件について大きく報道している。英フィナンシャル・タイムズは特に学者による蔡衍明氏の親中的立場に言及し、BBCも学者による台湾は戒厳令解除後、党や軍はメディア運営に関わってはならないという批判を掲載した。中正大学の管中祥教授は、台湾の新聞は中国経済にかなり紙面を割いている、しかし、中国の人権侵害や官僚腐敗についてはほとんど報じず、負の情報はメディアのなかで消失しまっていると批判する。明日には、学生までもが自ら発起して中天新聞へ抗議を行う。これは、NCC7名の委員中、すでに3名が辞任し、残った4人が任期の最終週に、旺中の買収案という重大な決定を行ったことで、メディア界にモンスターが登場することについて講義するためである。

 NCCは独立した機関であり、旺中の買収案に対し、あらゆる新聞学者が反対する状況のもと、なぜこのような馬鹿げた決議を行ったのか。メディアの健康的な環境は完全に損なわれたといってよい。民進党としては、メディアに対し、公正かつ自由な空間が提供されることを要求するもので、馬英九総統はこの件を対処しなければならず、国民党もこの争議に対する態度を表明するべきである。

 【編集後記】
出張や取材などで台湾全島を駆け巡る日々が続いています。
思いがけない場所に日本時代の遺構が残されており、地元の人々に大切に保存されている光景に出くわすこともあります。こうした何気ないように見えて、実は深い歴史を秘めた風景の一片に日本と台湾が築きあげてきた密接な関係を垣間見た気がします。
ご要望、ご質問などは、foreign@dpp.org.tw までお願い致します。

担当:早川友久


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