2012年12月11日火曜日

12月10日民進党国際人権デー記者会見蘇貞昌主席スピーチ




 
 ご来賓の皆様、マスコミ関係の皆様、今日12月10日は世界人権デーです。65年前の今日、国連で「世界人権宣言」が採択されました。この日は、台湾の民主主義と人権の発展において重要な意味があります。33年前の今日、民主・自由を追求し、人権を求める台湾人がデモを行い、高雄で軍人と警察の鎮圧を受け、最後に軍事法廷へと送られました。私は当時、30歳を過ぎたばかりで、初めて軍事法廷で美麗島事件で迫害を受けた人たちの顧問弁護士を務めました。当時台湾人は国民党以外の人たちとの団結力でもって、今日の民主進歩党の誕生を促しました。

 民主進歩党は今まで、民主主義・自由・人権という普遍的な価値を追求するために、執政後、国連の「市民的、政治的権利に関する国際規約」「経済的と社会的及び文化的権利に関する国際規約」(2つの国際規約)という2つの大きな規約を国会で法制化させることに取り組んできました。しかし、当時与党が小さく野党が大きいという状況下で、始終国民党の強力な阻止にあってきました。

 国民党の執政後、この2つの規約は採択されましたが、我々は、馬総統が全く口先だけで、人々に命令を与えるだけの人物であることを、身をもって知りました。この4年来、馬政府のやってきたことは、人権の後退、民主主義を後退させるものであり、しかもこの2つの規約に合う法律の修正もまったくなされず、実際何の動きもないのです。

 民進党政策調査委員会の世論調査センターで発表した世論調査の数字や、各機関が発表した調査報告で、台湾の人々が台湾における人権の状況に心配と不満を感じているという現象がはっきりと見てとれます。国民党の馬政府のもとで、台湾の人権が少しずつ後退し、民主主義体制の発展に厳重な危機が生じている事実がくっきりと浮かび上がってきました。特に2つの面、一つは司法で一つはメディアです。

  まず「司法」です。政権が再度交代したのち、検察機関が権力を濫用した事実が数えきれないほどあります。特に、社会が注目した民進党籍の前政務官が濡れ衣を着せられ起訴された件は、検査機関は当初わざと放言をし、調査中非公開の原則に違反し、更に特定メディアを通じてこの前政務官を極悪人だと述べたのです。しかし、数年を経て労力が費やされた結果、無罪が確定しました。冤罪賠償については、すでに名誉に傷がついたのに、どうやって賠償できるというのでしょうか。

 このような、多くの政府機関による権力濫用を人々は非常に憎んでいます。人々の司法に対する信頼の程度が低いのも不思議ではありません。これは台湾の民主主義の健全な発展には非常に不利なことで、人権もあったものではありません。

 次に「メディア」です。台湾の報道の自由は厳重に侵されています。実際、去年から今年の初めにかけて、アメリカの非政府組織「フリーダムハウス」は警告を出しました。台湾は連続3年間、メディアの自由指標とランクにおいて全て後退しただけでなく、中国の台湾介入による意図的な報道は次第に深刻な状態になり、堂々とおおっぴらなものになってきているのです。メディア独占の案件について、人々が非常に懸念している中国の介入が分かっただけでなく、本来公共性のあるべきメディアの深刻な私有化や、粗暴なやり方が人々の大きな懸念を引き起こしているのです。中国の要素は既に台湾の民主主義の重大な脅威となっています。

 過去の民主、国民党の一党独裁戒厳令の時代、台湾は戒厳令を突破し、新聞発行の解禁をし、自由と人権の保障を獲得することができました。これは国際社会で多くの人権団体や、アメリカや日本など各国の友人が関心を示し、声援と支持を送ってくれたからであり、戒厳令の時代において、民主自由と人権の保障の獲得のために奔走していた人々の頑張る力となっていました。
  民主進歩党は、長い間台湾の民主、自由、人権を追求する政党として、台湾の人権の後退と民主主義発展の危機に面して、これを座視しません。世界の民主主義の力に、台湾で発生している民主主義の危機に注目してもらうよう切に呼びかけていくほか、近日、民進党は大規模な人々の集会とデモを通じて、人々と民進党が共同で台湾の民主主義を守るよう呼びかけます。私たちは、人々の力を通じて、執政者と与党国民党に、社会の心配と不満を正視するよう要求します。そして、国際社会が台湾に一層の関心と声援、支持を送ってくれることを期待しています。台湾を世界の民主主義陣営の中から消失させてはいけません。皆さんありがとうございました。



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