2013年2月6日水曜日

蘇主席:民主同盟を打ち立て、安全と繁栄を維持する


 
 
 

 

民進党主席蘇貞昌は6日夜、随行の10数名の台湾記者と夕食会を開き、民進党の「民主平和繁栄の旅」訪日団の収穫と感想を話し合った。中国海軍が海上自衛隊の護衛艦に射撃管制用のレーダーを照射した件で、日本側が強烈な抗議を行ったことについて、蘇主席は、民進党は武力を行使して紛争を解決することに堅く反対しており、台湾人も平和を堅持し、どのような意見においても、平和的な話し合いで解決の道を探すべきであると考えている、と述べた。武力行使は、世界各国がこの地域に平和と安定を期待していることに背くものであり、民進党は地域の不安や憂いを避けるため、各方面に武力での対峙をやめようと呼びかけている、と語った。    

蘇主席が希望する、東アジア地域の安定と繁栄を維持する民主同盟の概念は安倍晋三首相が提案した自由と繁栄の弧の概念と似ており、中国包囲網を引く概念にみえる、との記者からの問いに対し、蘇主席は、民主国家はみな平和を目指し、平和は人類の共通の期待であり、普遍的な価値であり、民進党の今回の訪問は、この地域が他の地域より比較的動乱や不安が少ない状態を維持し、この成果を大事にすることを願っているものだ、と述べた。民進党は民主、自由と人権国家を主張する国家に、共にこの地域の安定を維持し、平和的なやり方で地域の繁栄をもたらすことを呼びかけており、もし平和と安定、繁栄に反対する国家があったら、各国に糾弾されるだろう、と述べた。
 
蘇主席の「民主同盟」のしくみの詳細と、東アジア新戦略が馬政府の提唱する「東シナ海平和イニシアチブ」とどのような違いがあるか、の問いに対して、蘇貞昌は、世界のほかの地域と比べて東シナ海の周辺国家は、不穏な事態を減らしたいと願っている。これは周辺国家が互いに共通の価値観を持っているからだ。この価値はつまり、民主、自由、人権、法治であり、民進党はやっと得られた平和と安定が破壊されるのを望んでいない。アメリカのオバマ大統領も「アジア回帰」を提出している。アジア地区のバランスは、これらの民主主義の仲間が責任を分担することで達成できるものである。よって民進党は、民主同盟を支持する国家とともに努力し、対話と協力を通じて、皆でこの成果を維持しようと呼びかけている、と述べた。

民主同盟と馬総統の主張する東シナ海平和イニシアチブについて、蘇主席は、重要なのは名称ではなく、どのように執行するかということだと強調し、馬総統は国家元首の立場で、国民の期待に応えるため、この地域の平和安定を守る責任がある。台湾人民が望む地域の安定と、台湾漁民の漁権の保護、漁業紛争をなくすことを期待している、と述べた。「馬総統は他の国の疑惑を避けるために、やり方を一致させなければならない」と語った。

記者が今回の訪日の収穫と感想について主席に尋ねたところ、主席は各界の協力のお陰で、民進党は順調にこのたび日本の政党、国会、シンクタンクなどの訪問を終え、三つの外交目標を達成することができた、と感謝を述べた。民進党は地域の平和安定のため、また台湾が国際的に関心を集めるため、そして台湾人民の幸せのため、この訪日の三大目標を全て達成し、国民の民進党に対する期待に応えることができた、と語った。これからも民進党は怠けることなく、引き続き努力し成果を積み重ねていく。民進党の外交活動はすぐに成功を収めるものではなく、長期の努力によるものである。民進党は国内の野党ではあるが、国際的に台湾が尊重され、信頼され、肯定されることを願っていると述べた。

記者が、蘇主席が「113」のデモで提出した「政権交代」の主張について、今回馬政府は内閣改造を行ったが、引き続き民進党はどのような行動をとるのか、また去年の年末に成立が採択された中国事務委員会について、現在どのような問題と障害に遭遇しているか、将来はどのように進めていくか、について尋ねた。これについて蘇主席は、民進党は怒りのデモのあと、「国会のチェックアンドバランスと国民運動を平行して進めること」「選挙と罷免を並行すること」で、主席は反原発を例にとり、民進党は立法院で今年度の第四原発の予算削減を提案しているが、国民党の人数が優勢であることにより阻止された。このように、国会における権力の平衡の目的はまだ達成されていないが、民進党は新北市の脱原発国民署名運動を並行して推進していくことで、「国会における権力の平衡保持と国民運動を並行して行う」、と語った。 

選挙については、この前の補欠選挙は選挙の一つであり、将来の国会の改選もそうである。罷免は選ばれた公職の人や民意の代表者が民意を代表しているか、それとも、「馬意」(馬総統の意思)か?人々の期待と一致しているか?それを見て罷免するかを決めるものである。蘇主席は、人々は罷免権を使って、不適任者を辞めさせることが出来、これは関連部門が進め、台湾に帰国後には、既に作った計画により少しずつ進めていくと述べた。 

中国事務委員会について、台湾と中国の関係は非常に複雑であり、非常に長い時間をかけて争うことで、一時のことではない。少しずつ確実に戦略を練ってから行動することだとし、「民進党は 障害やネックに遭遇しているわけでなく、落ち着いて対応している」、委員会は目下のところ、当初の計画に基づき準備中で、完成した後、タイミングを待って成果は自然に出るだろうと述べた。

尖閣列島の主権問題について、民進党は日本にどのように台湾の立場を伝えたか、とのメディアの問いに、蘇主席は、民進党は尖閣列島の主権は台湾に属するとの主張を堅持しており、日本の各界の人々と面談した際には、民進党は重ねて同じ主張を申し入れている。日本も日本の主張と見方があり、これは両国で食い違っている点だ、と述べた。民進党は、双方は対話で相違を解決する必要があると考えており、これは一朝一夕で解決できる問題ではない。しかしこの件について、台湾と日本は更なる共通認識を持っており、それはこの地域の平和と安定を維持するということである。これは両国が現在最も努力すべき点であると考えている、と述べた。蘇主席は、現在時間的に緊迫している問題は、台湾漁民の漁権であり、すなわち台日両国の漁業権の話し合いと漁業紛争の解決であり、急いで円満な解決が求められる。この結果が、この地域の平和と安定に有益なものになる、との考えを示した。「平和と安定を前提として、双方の違いを話し合い、第3者が横から口を出す機会を防ぐことだ。これはこの地域の緊張を高める可能性を防ぐことでもある」と述べた。

記者が蘇貞昌主席に、民主同盟が日米韓台などの民主国家の民主戦線同盟であるのに対して、共産主義国家の北朝鮮や中国は東アジアの不安定要素を引き起こす可能性があるが、主席は民主同盟を提唱した後で、「中国問題」についてどのような見方と呼びかけがあるか、と尋ねた。これに対し蘇主席は、この地域の長期的な平和と安定は、民主・自由国家の努力の成果であり、最近の不穏な動きは少数の国家のやっていることだと述べ、日本に出発前に、米国在台協会Raymond Burghardt理事長と会見した際、この地域の安全と共通認識について話しあったこと、また安倍総理が提唱した「アジアの民主主義セキュリティダイヤモンド構想」もこの共通認識を呼びかけているものだ、と述べた。蘇主席は、民主国家が同じ価値を追求して、この地域の平和と安定を共同で分担し維持をする必要があり、他の勢力が介入して緊張情勢を増加させ、衝突の可能性を高めることを防がねばならないとし、主席は、民主同盟を打ちたて安全と繁栄を維持すること、これが今回の訪日団の2つの大きな目標であり、このような主張はこれらの国家の利益と合致することで、皆が共に努力することを願っていることだ、との考えを改めて強調した。

蘇貞昌主席が率いる訪日団は、5日間連続で日本の各政党や国会、シンクタンクを訪問した後、7日の夕方台湾に帰国した。

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