2014年1月9日木曜日

中国事務委員会 対中政策拡大会議 「2014年対中政策検討紀要」



中国事務委員会 対中政策拡大会議

 2014年対中政策検討紀要

201419

中國事務委員會
 
 


はじめに 

この20年間、東アジア地区では権力情勢が変化し、中国の台頭は既存の地域秩序と台湾軍事外交への挑戦となった。同時に、両岸には実質的な変化が生じた。行き来が容易になり、経済関係は一層密接化し、人々の頻繁な往来や各方面での交流が深化した。両岸間で多くの協定が締結され、これらの発展は昔とは比べものにならないほどである。

両岸人民の間には、基本的に互いに対する敵対的な感情はなく、言葉と文化の源は同じであり、よって双方の政府がそれぞれの体制下において、人々の身近な問題を解決し、人々の権利、福祉の向上、そして両岸関係を長く継続させる方法を追究しなければならない。民主進歩党は、かねてから台湾の人たちの期待を担っており、必然的に台湾の将来に一層大きな責任を負っている。「生存こそ王道、民主が基盤」なのであり、民主進歩党は台湾人が期待する両岸関係の安定と経済の発展を国家の課題として真剣に対応していかなければならないと考えている。また、両岸の将来の発展は台湾の人々が認めている核心価値を通じて行われていくということを遵守し、現在直面している地域情勢と両岸関係をしっかり把握しながら、自分たちの主張をし続けねばならない。

このような背景下で、民主進歩党は中国事務委員会を成立させ、過去を検討し将来の政策を策定することに取り組んできた。30名近い諮問委員による共同会議によって、201359日、第一次委員会を開催し、台湾の中国スケジュールを発表し、それを委員会議の討論の基礎とした。20131114日まで、計4回の委員会が開催された。委員と各界の助言により、201374日に第一次対中政策拡大会議が開催され、党の役職、党内のオピニオンリーダー、社会団体のリーダー及び学者専門家の参加を得てきた。20131226日まで、合計9回の対中政策拡大会議が開催されてきた。

対中政策拡大会議は台湾の対中政策の核心価値とビジョンについて、台湾の経済戦略、どのように「九二共識」に対処するか、台湾の「中国要素」、両岸市民社会交流、中国民主化と地域安全情勢などのテーマについて、中国事務委員会委員の進行により、深く討論がなされてきた。九回の対中政策拡大会議で、629名の参加と、57の簡易報告、15の書面意見、227回の発言があり、それぞれの異なるテーマで討論が行われた。これは両岸関係について台湾で最初の全面的、かつ最も深く話し合いがされたものとなったであろう。

紀要はこれまでの中国事務委員会委員会議と対中政策拡大会議の書面報告に書かれた重要な論点と、対中政策拡大会議共同意見と主席の結論をまとめたものである。紀要本文は台湾の核心価値とビジョン、政治、経済、社会文化、国家安全などにわかれており、台湾の中国アジェンダとして、深く全面的な研究分析と政策主張となることを願っている。


一 基本的立場と核心的価値に変化なし


台湾の人々の中国政策に対する立場と態度を検証すると、現在台湾の人々の国家アイデンティティと統独態度は既に落ち着いたものになっており、自分は台湾人であると考え、独立を主張する比率が、近年の世論調査からも現在の主流民意であることがはっきりしてきた。そして、台湾と中国が一つの国家に属するという両岸定位は、台湾の人々に受け入れられていないということもはっきりしている。

現在、台湾の人々の国家アイデンィティ、統独態度、及び台湾と中国の関係は、民進党が1999年に採択した「台湾前途決議文」の主張する立場と次第に一致してきており、長年の民意から示されているように、民進党の基本立場は多くの台湾の人々に受け入れられているものである。

国家主権を守り、我々が自由、民主の核心価値を堅持し、台湾人の前途は台湾人が決めるという自由選択の権利を確保するということである。両岸の将来の関係において、民進党は「独立している現状を変えるいかなることも、台湾全体の住民が国民投票のやり方で決めなければならない」。この主張を変更する必要はないのである。

民進党の「台湾前途決議文」の基本的立場と核心的価値は変える必要はないが、両岸交流の一層の密接化に鑑みて、政府間で多くの協定が結ばれ、経済、社会の往来が各層にも及んでいる中で、民進党の対中政策の戦略は 随時調整されなければならない。より実務的な態度でもって新しい問題に対応し、台湾の人々が民進党は両岸関係を好転させる能力がある、と信じてもらうことにより、我々は民意に応えていくことができるのであり、台湾を守ることができるのである。
 

二 両岸政治関係と交流において、台湾の自由と民主を確保する

<背景>

21世紀以来、台湾は既に2度の政権交代を経験している。人々の政治意識は一層強固となり、特に 民族アイデンティティと国家アイデンティティにおいて、多数の民衆の見方は一致し、明らかに安定した主流の民意が形成されてきた。我々は台湾人である。台湾は一つの独立した国家である、国号は中華民国であり、中華人民共和国に属さず、将来の台湾の前途は2300万人の台湾人によって決定される、これが現在の台湾人のもっとも共通した認識である。しかし台湾の政治変革とは対照的に、対岸の中国は依然として権威体制の政府であり、高度な経済成長力でもって、中共政権を更に強固なものにし、実際の台湾の脅威となり影響を及ぼしている。互いの交流を開放して以来、交流の進展は加速し、特に中国が台湾の最大の貿易相手国となった後、台湾と中国の様々な交流がより密接なものとなり、中国が台湾に対して様々企みを持っている状況下で、台湾と中国の政治関係は必然的にますます複雑となってきている。
<現在の課題>
両岸政治定位に対する台湾人民の主流な態度は明確なものであり、台湾と中国は互いに属さない国であると考えられているが、現在の執政者はそれを知っているにも関わらず、意図的にそれを捻じ曲げ、繰り返し「両岸は一つの国家、2つの地域」という発言をしている。対岸の中共も台湾の民意を無視し、台湾を一つの中国の枠組みに入れようとしている。しかしながら、台湾の憲政民主の成果は誰の目にも明らかであり、台湾の自由、民主主義、自由な暮らしを大切に守ることは、既に台湾最大の共通認識になっている。両岸交流は民主を基盤として交流がなされるべきである。よって、台湾人民の両岸政治関係に対する主流な民意は、中共の脅威をどのように免れ、どうすれば台湾の民主体制を確保できるか、ということであり、これが現在の最も深刻な課題なのである。更に進んで言えば、台湾と中国の交流は、どのようにすれば少数の人たちに操られず、前向きで健全な関係を築いていけるか、台湾の対中政策は、どうすれば主流民意から外れないか、またいかに台湾の最大多数の人たちの最大利益と合致させていけるか、ということである。これらは克服しなければならない切迫した課題なのである。

<主張と対策>
1.台湾と中国の政治関係の定位は、台湾の全住民の意思と民主の決定が尊重されねばならない。どのような個人、政党、もしくは他の国家の一方的な主張もこれを否定する資格はない。
2.グローバルなに流れおいて、両岸交流は必然的な趨勢であり、民進党は積極的、自信をもってシンクタンクや地方都市交流などにおいて、対話を進めていく。
3.両岸の交流は、台湾の主権と安全に傷を付けてはならない。そして台湾の自由、民主主義、自由な暮らしを守らねばならない。積極的に台湾内部の共通認識を集めながら両岸対話の基礎としていく。
4、両岸交渉は民主の手続きと情報の透明化を原則にしなくてはならない。「両岸協議監督条例」を制定し、条例の中にはリスクの評価、利益対立回避の仕組みを作るほか、公聴会という順序を経て、どの両岸協議も台湾の最大利益と合致させるようにしなければならない。
5.両岸交流は、進んだ考え方が必要で、特に双方は自由民主、人権保障、環境保護、市民社会の向上などについて、積極的な行動をとるべきである。

三、強みを強化し、利益を分かち合い、バランスのとれた発展という経済戦略

<背景>
現在台湾は、グローバル化、地域主義の盛り上がり、及び中国経済の躍起という3つの大きな衝撃に面している。対中経済戦略は台湾のグローバルな総合戦略の下で考えられねばならず、目的は、台湾の主体性の確保と経済産業のバランスよい発展の促進である。中国経済は次第に形を変え、大量投資と輸出による成長モデルから、国内消費市場を重視する政策へ転換してきた。このような傾向は深刻に両岸経済貿易の形と内容に影響を与えている。将来、両岸経済貿易関係の展開は、双方向性の投資が鍵となる。どのように台湾の産業政策を両立させるか、並びに経済活動から生み出された政府と企業の関係をどう適切に管理するか、これらは台湾が避けて通れない問題である。

<現在の課題>
近年、台湾の経済は振るわず、主な原因は国内投資が少なく、受託製造輸出が主だった経済成長モデルがボトルネックとなってきていることだ。最初両岸産業は垂直分業体系だったが、次第に中国の経済発展が崩壊するのに伴って、現在の両岸産業の競争は既に相互補完の程度を超えてしまっている。過去台湾は、企業が台湾に拠点を残すことが期待されていたが、現在は産業の空洞化が起こり、GDPが国内生産活動から分離し、失業率は高いままであり、給与水準も後退し、貧富の格差の拡大などの後遺症がある。特に中国が国家力で資金を出してパネルなどの特定産業を育てたことは、台湾企業に深刻な衝撃を与えた。
1990年代以来、台湾は比較優位を持たない一部の伝統産業や、世界的展開を見せる超えた電子情報ハイテク産業などを、次々と中国に移し、投資で貿易活動を動かし、中国は2000年以降台湾の最大の貿易輸出市場となった。輸出市場の過度の集中と電子情報産業1つだけが優れているという状況が同時に発生したため、台湾の対外経済貿易傾斜が内部産業とアンバランスを起こすことに繋がった。
世界貿易組織(WTO)が多方面での交渉が手詰まりとなり、地域主義と自由貿易協定(FTA)がブームとなるなか、台湾は中国のボイコットにあってその場から排除されている。台湾はこれまで政治と外交の面で孤立させられているが、FTAが盛んとなっている現在においても。台湾は対外貿易の発展に不利な局面に立たされている。特に、台湾は中国との両岸経済貿易協議(ECFA)のみであり、他の重要経済貿易相手国とFTAを締結できない状況である。台湾経済の周縁化は加速し、日に日に中国中心となっている。
近来、中国政府の影響力は既に計画的、組織的に台湾社会の各層へ入り込み、特に国営企業を中心とした中国資本が台湾に入り、それらは往々にして単純なビジネス目的ではない。我々は、国安問題のほか、台湾が年月をかけて築き上げてきた商業文明と社会の基礎が、中国に蝕まれることのないよう守っていかけねばならないのである。
<主張と対策>
1、台湾の最善の経済戦略は、制度の強みを活かし、雇用機会の拡大とイノベーション力を高めることを、その目標とすることである。独自性と技術力の先進性を維持していくことで、台湾は両岸経済において主体性と優勢を保てるのである。
2.中国経済の変貌と内需市場の急速な成長に応じるため、台湾はナショナルブランドと消費製品を積極的に発展させなければならない。そのことで商品と労働力に付加価値をつけ、産業の仕組みを多元分散化させ、中国の景気循環の変動に対応する調整能力を高めることができるのである。
3.両岸経済貿易交流の成果は全国民が享受しなくてはならない。政府は「共通価値の守護者であり、異なる利益のバランスをとる」ものでなくてはならず、社会保障によって経済貿易自由化により不利益を被っている人々を支えなければならない。そして台湾が直面している自由化と外部からの衝撃の緩和空間を広げなければならない。
4、台湾は両岸の経済協議の内容と成果を検討し続けなければならない。特にECFAやサービス貿易協定、商品貿易と事業争議解決など、後に続いていく協議の締結に関しても、互恵関係と透明性という国際ルールと合致させなくてはいけない。台湾企業が直面している、両岸の規模と制度の違いによる不利な要素を減らさなければならない。両岸協議の中には、公平な競争を促進するため、不公平な貿易行為と国営企業に関する規約をいれ、また中国に対して台湾の知的財産権の保護を求めるべきである。
5.ECFAは既に両岸経済貿易関係を、多角的貿易システムとは程遠いものにし、より緊密な2国間関係のみへと発展させた。台湾は既存の経済協議を基礎とし、積極的に重要な経済貿易相手国とFTAを結び、特に環太平洋パートナーシップと地域経済パートナーシップという2つの大きな地域貿易協定など、台湾は対外経済貿易関係でバランスある発展を維持することを考えなければならない。
四、自由人権と経済発展の両方を重視する両岸市民社会交流

<背景>
グローバル経済秩序の形成に伴って、両岸経済貿易、社会、文化交流は日に日に密接になり、双方の人員の往来は益々頻繁になっている。両岸の旅行を例にとって見れば、台湾人が毎年中国を訪問する回数は530万人を超え、中国人が台湾に観光や交流で訪れた人は去年250万人に達した。台湾には30万人を超える中国人配偶者がおり、両岸の貿易金額は1999年(台湾前途決議文採択制定時の71億米ドルから大幅に成長し2012年には1,216米ドルに増加している。
一方で、中国は改革開放以来、経済発展上で重大な進展があったにも関わらず、それに相応しい政治改革は未だ行われていない。中国の市民社会は既に、密かに形成されているが、中共当局の高圧的な手段で平穏を維持している状況においては、市民社会の存続は大変危ういものである。その影響で両岸の交流は中共の計画的、組織的、目的をもって思うままにされており、歪曲させられているだけではなく、政治や経済の領域に限られてしまっている。両岸市民社会の有意義な連結と交流がない状況においては、逆に台湾の自由、民主、自由な暮らしを破壊することにも繋がっている。
<現在の課題>
中国経済の急速な発展の中心は、クローニー資本主義であり、すなわち政治権力をもって富を独占し、経済利益の分配は少数の特権階級に流れているということだ。現在、国民党の古い権威国家資本主義と連結し、こうした両岸経済の密接化が進んで行けば行くほど、国民党の権威主義の復活と中国のクローニー資本主義が同時に発生するという現象を目にする機会も増えている。それには、計画的な汚職とレントシーキング、貧富の差の拡大、社会階層の差の拡大と階層の固定化、労働人権の悪化、自然環境破壊等が伴っている。
自由と人権は、台湾社会の主流価値であり、民進党結党以来の最も重要な核心価値であり、我々が台湾社会を牽引する力の源である。しかしながら、自由人権が台湾の共通認識となっているときに、台湾人民の自由な生活は中国の経済の力で少しずつ変えられている。知らない間に台湾人の政治選択が限られてくる。これがいわゆる「中国要素」というものである。香港が次第に吸収されていった経験は、中国要素の最も分かりやすい証明であろう。中国要素が台湾の自由で民主的な生活を蝕むことを防ぐために、現在の両岸交流のアンバランスな状況を改善し、中国と交流する際には、台湾の自由、民主を確保することが、現段階の両岸市民社会交流における最も切迫した課題なのである。
<主張と対策>
1.両岸経済貿易の往来が少数の人たちによって独占されないよう、台湾は自由民主と正義の分配を強調する台湾の新しい市民社会を努力してつくるべきだ。この目標の達成のためには、台湾は更に一層民主理念を深化させ、それで以って中国政府、特に中国庶民社会との交流を行う。経済上では、台湾は積極的に庶民の福祉向上を中心に考えるべきである。
2.台湾は根底からより平等かつ普遍的な社会権を構築するべきである。民進党は台湾の民主化の深化の過程において台湾市民社会と有意義なパートナーシップを築くべきであり、自由、人権と正義の分配を政治の側面から社会の側面に渡るまで徹底し、台湾社会の有効な改革を進めていくべきである。そうすることが、更なる実質的な交流と、両岸三地の新しい局面を構築していくことに繋がるのである。
3、台湾は香港や中国市民社会に関心を寄せながら、積極的に各非政府組織や個人と平等、オープンな態度で、互いに多方面での理解と交流を行い、台湾の民主過程、移行期の正義、環境保護、コミュニティの協力、宗教組織などの経験を分かち合っていく。そして中国の民主と人権の発展に積極的に関心を持っていき、両岸三地市民社会の力を集め、台湾が中国の民主化を導く手引きとなるのである。
4、両岸交流と協議の締結は、国連の「市民的及び政治的権利に関する国際規約」「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約」を原則にし、両岸関係を国共プラットフォームと両岸の政治家・企業集団が独占することを打破し、基本的人権、就業及び労働条件、公共衛生と環境保護、農工業及び中産階層の権益を確保していく。
5.台湾は国家安全や社会に負担がかからずかつ制度が良く整えられているという前提下において、法令の逐次検討と修正を通じ、中国人配偶者、中国人留学生、中国人旅行客に尊厳ある生活を提供し、充実した学習及び安全な旅行という親切な環境づくりを行い、彼らを、民主台湾を支持するパートナーとしていく。 

五 外交、国防、両岸関係のバランスを重視した国家安全戦略

<背景>
中国は経済成長を支えに国力が大幅に上昇し、外交と軍事の実力が次第に強大になり、国際影響力が日増しに増強している。アジア太平洋地区において、アメリカと中国の国力の差が近づきつつある中、地域権力の仕組みがアメリカと中国の二強構造になってきている。オバマ政府は「リバランス」戦略を掲げ、アジア太平洋各国において、政治、軍事及び経済上の協力を強化し、平和で安定的な安全環境を作り出し、朝鮮半島、東シナ海、台湾海峡、南シナ海などでの衝突の緊張情勢を緩和している。中国が尖閣諸島と南シナ海周辺海空域で軍事活動と演習を強化し、201311月には東シナ海防空識別圏を設定し、地域の緊張をもたらした。中国はもう黙ってはいない状況である。現在、中国はアメリカと新しい大国関係を結ぼうと積極的で、台湾は中国の核心利益の範囲に包括され、中国はアメリカに台湾に介入しないよう求めているほか、台湾軍に武器を売らないように要求している。中国の国力が今後も成長するかどうかに関わらず、この地域と台湾海峡の安全環境に対しては、深刻な衝撃がもたらされているのである。
台湾は第一列島線に位置し、地理的な戦略的重要性は言うまでもない。201310月、アメリカ国務院は台湾が国際的な議題において地域のリーダーシップを発揮することを期待しているとし、そのことからアメリカのリバランス戦略において台湾の役割がはっきりした。このことからも、近隣の民主主義国家との連携の強化や、台湾海峡両岸の平的交流の維持、地域安全安定を維持する責任が台湾国家の安全戦略の核心なのである。
<現在の課題>
現在政府の国家安全戦略の最大の問題は、中国との関係に過度依頼していることであり、国家安全戦略がバランスを失っていることである。馬政府の両岸関係は中国との関係を他の国よりも重要視し、「一つの中国の枠組み」に応えている。国防外交の無視が両岸の軍事力のアンバランスを拡大させ、中国の台湾戦略を台湾独立反対から統一促進に変化させたのである。政府は、両岸関係は国際関係ではないと何度も表明し、自らを国際的な戦略の外に置き、友好国の支援の正当性を排除した。外交休兵を推し進め、中国の善意外交と中国と協議した上での国際参加を期待し、台湾の主権と台湾人の国際参加と権利を弱体化させ、次第に台湾の国際参加を両岸化へと変貌させているのである。
<主張と対策>
1、台湾の国家安全戦略は自由、民主、人権などの価値の上に打ちたてられるべきである。グローバルかつ地域の視点により中国問題を扱い、両岸関係の発展が台湾の国際地位向上の邪魔をすることを防ぎ、また、両岸関係は国防外交を後ろ盾にしなくてはならない。台湾は中国と平和で安定的に、共存共栄の関係として発展するべきで、双方が地域の平和に責任を持たねばならない。
2.台湾は新興民主国家の模範であり。積極的に国際組織と活動に参加し、友好国との関係を強化にしなくてはならない。並びに民主の先進国家との良きパートナー関係を深化させなければならない。台湾の対外関係は価値外交を主軸にし、自由、民主、人権などの普遍的な価値と台湾の良好なガバナンスの経験で、柔軟性のある国力、組織を超え、都市外交を進め、災難救助など多元的で柔軟性のあるやり方で、積極的に国際社会と関わり、台湾の存在を国際社会と中国民衆の期待するプラスの資産にさせていくべきである。
3.台湾は平和と安全な環境を追究し、積極的に地域の紛争回避メカニズムを構築し、地域の安定を維持していく。中国の判断ミスと軍事侵略を防ぐために、台湾は自己防衛の決心と能力を強化させなければいけない。台湾は中国と軍備の競争をするつもりはないが、中国はこれまで絶えず台湾を侵略するための軍事力を強化している。よって、台湾の国防は、国防予算を上げなければならず、非対称戦力を築くことを優先事項に、国民、国軍と友好国の台湾の国防に対する信頼感を取り戻さなければならないのである。

 

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