2015年2月28日土曜日

二二八記念式典に出席 蔡英文主席:歴史の過ちに終止符を打ち、台湾を真の自由民主国家にさせていこう


民主進歩党の蔡英文主席は28日午後、台北市二二八記念碑前で開催された台湾国家聯盟と台湾二二八關懷總會による「二二八追悼、展望台湾新国家」記念活動に参加し、挨拶を行った。蔡英文主席の台湾語での挨拶全文は以下の通り:

今日また再び、ここで皆さんと台湾の歴史上最も大きく、台湾人が忘れることの出来ない傷痕、二二八事件を追悼する日が来ました。私は何年も前に、「台湾文芸」という雑誌で、二二八事件のことを書いた文章を読みました。そこには、「歴史は許すことが出来るが、忘れることはできない」というものです。

この言葉は、現在はよく聞く言葉かもしれませんが、多くの人にとっては、当初、非常に感慨深いものであったに違いありません。なぜなら、台湾がまさに民主化の始まろうとする時代、二二八事件が発生してから数十年がたち、皆この事件について話すことができなかったとき、やっと歴史の真相を話し出す人が現れてきたのです。多くの先輩たちの長い間の努力があって、過去を話すことが出来なかったり書くことが出来なかったりした事実を、公に討論し記録することが出来るようになり、この時代の歴史が明らかにされたのです。そしてそのことが政府に過去の傷と過ちに対して、無辜の受難者と家族に謝罪と賠償をさせることになったのです。

この真相追求と正義の道には苦労が伴い、我々の共同の歴史経験であり、台湾の民主主義の過程であります。

過去、台湾は権威的な統治の下にあって、人々が知り、理解してきた台湾の歴史は執政者が決めるものでした。しかし民主化の過程で、歴史や文化の学者、あるいは専門家、音楽や文学創作者など様々、自由なやり方で自分たちの歴史を書き、歴史を歌い、歴史を語り、それぞれのやり方を通じて、人々に台湾の過去と現在を知らせてきました。最も重要なのは、歴史を知る人になることであり、これは我々が長い間追求してきたことであります。

数日前、台湾は非常に優秀な音楽家、蕭泰然氏を失いました。私たちが今歌った「台灣翠青」は、蕭氏が作曲した曲です。彼は二二八事件のために、「1947年序曲」という曲を書きました。この曲は感動的な音楽作品です。しかし大変残念なことに、この優秀な音楽家は亡くなるまで、台湾の社会では余り名を知られなく、特に多くの若者が彼の事を知らなかったと言うことです。これは、この土地には、皆がより関心を持ち大切に思わなければいけない多くの事や人々がいるということを表しています。

しかし、ひとつ嬉しいことがあります。それは我々の史明おじさんが、彼の台湾の為に奮闘した一生を描いた映画が、映画館で上映されたということです。1947年、二二八事件が発生したとき、史明氏は台湾にいませんでしたが、帰国したのちに、二二八事件が台湾の人々に与えた傷を見て、自分の一生を台湾が民主主義を獲得するための革命の推進にささげようと決心しました。現在、台湾は既に一歩一歩民主、自由の道に進んでいますが、この道を子孫の代に繋げていかなければなりません。

台湾は権威統治の時代は終わってから、まだ20数年しかたっておらず、多くの移行期の正義、本土教育、公平正義の努力を進めていますが、まだ完全に成功していません。私たちは常に多くの保守勢力の壁に遭遇しています。私はここに立ち、もし民進党がもう一度政権に返り咲く機会があれば、我々は勇気をもってこの壁に挑み、しっかりと移行期の正義や民主教育、社会の公平正義を推し進め、台湾の民主主義を更に進めて強固なものにしていくことを保証します。そして多くの若者に、この台湾をより一層知ってもらい、我々の過去の歴史について、深く理解してもらいたいと思っています。

11年が過ぎていく中で、我々はともに二二八和平公園に集まり、二二八事件の犠牲者に祈りを捧げるほか、台湾人が経てきた苦難の時代を反省し記憶しなければなりません。我々一人ひとりの台湾人が、一つの使命を持っています。歴史の過ちは我々のこの世代で終わりにし、我々の子孫のため、台湾を本当の自由民主国家にしましょう。


これは我々の永遠の信念であり、我々が堅持する使命です。この使命は、皆で一緒に努力することが必要です。今日のこれらの話は、皆さんと一緒に二二八事件を追悼するだけでなく、私自身、将来一層努力する必要性や、まだまだ共に成し遂げる多くのことがあるということを、思い出させるものです。皆さん、ありがとうございます。 

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