2015年6月5日金曜日

Walter Lohman:蔡英文の「現状維持」は「九二コンセンサス」よりも重要であると称賛


民主進歩党の釗燮秘書長とヘリテージ財団アジア研究センター主任のWalter Lohman氏は蔡英文の戦略国際問題研究所(CSIS)講演会の後で、メディアの訪問を受けた。Walter Lohman主任は先ず、蔡英文主席の「現状維持」の立場は非常に実質的な対応であると称賛し、「現状維持」は「九二コンセンサス」よりも重要であり、蔡主席の両岸関係と台米関係にかかる発言は人々を安心させるものであるとの考えを示した。

Walter Lohman主任は、蔡主席が「九二コンセンサス」についての質問を避けているとは思わない、と述べ、それは、講演会の内容でこの問題についてのはっきりとした答えがあったからであるとし、重要なことは台湾自身が「九二コンセンサス」に何もコンセンサスがないことである、と述べた。もしここが学術研究討論会であれば、主席は時間をかけて説明するだろう。しかし後で質問に答えるときに、蔡主席が講演会の内容を引用したのは賢い選択であった。なぜなら、蔡主席の講演内容は既に言葉を慎重に選んでこの質問に回答したものであったからだ。
Walter Lohma主任は、ここでの演説のポイントは、蔡主席の「現状維持」の主張である、と強調した。人びとの認識においては幾らか食い違いがあるかもしれないが、一般的に「現状維持」の定義が何かは明らかである。「現状維持」の方がより全面的で大事なものであり、 「九二コンセンサス」や他の言い方はそれほど重要なものではない。Walter Lohman主任は、現状維持は実際的なやり方であり、二言三言で述べられるものではない。これは実質的な対応であり、蔡主席は世界が台湾をどう見ているかということを変えようとするものではないし、法律的な台湾独立を進めるわけではない。これが現状維持の定義である、と述べた。

Walter Lohman主任は、両岸関係と台米関係についての説明は重要である。多くの人たちが、蔡主席が両岸関係を語るのを期待している。なぜならこれが最も、台湾とアメリカの関係を傷つける可能性のあるものだからだ。しかし蔡主席の話は人びとを安心させるものであり、両岸関係をしっかり掌握し、現状を維持し、双方の関係を安定させることが出来るものであろうと思う。アメリカは台湾の最も重要な友人であり、蔡主席も台湾とアメリカの関係や将来の先見性が非常に重要だとしているし、主席の話は多くの人を安心させるものであった、と述べた。

中国が九二コンセンサスがないということを受け入れるかどうかについて、また台湾との対話を続けるかについて、Walter Lohman主任は、この問題は中国に委ねるべきだとの考えを示した。蔡主席は台湾人の立場を代弁しており、中国が対話をするかどうかは中国に委ねればよい。中国に一方的に台湾がこの問題をどう討論するかを決定させるべきではない。また、蔡主席が総統選に出馬するということは、馬総統を引き継ぐわけではない。ワシントンでも2人が異なる政党の人物であることや、リーダーとしても風格も異なっていることを知っている。もし中国が台湾の総統の出す条件を受け入れたくないならば、これは中国の問題である。しかし、それでも現状を維持できる。なぜなら現状維持は相手の交渉の意欲と締結している協定を維持することであり、法律的な台湾独立を推進するわけではないからだ。


Walter Lohman主任は、アメリカ側の台湾への支持は両党のコンセンサスであり、他の国と比べて、我々は台湾を尊重し、台湾が好きであり、台米関係は良好と考えている。蔡主席の今回の訪米は、アメリカ政府に「私を信頼してよいです」というメッセージを伝えたいということであり、蔡主席はその通り信頼が出来ると感じるし、他の人びとも蔡主席を信頼すると思う、との考えを示した。

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