2015年8月22日土曜日

5つの政治改革を進める 蔡英文:台湾をチャレンジに導く


民主進歩党主席で総統候補者の蔡英文は22日夜、李登輝基金会が開催した「憲政の青図、国民参加」募金晩餐会に招かれた。蔡英文主席の挨拶は以下の通り

 今日は李登輝基金会のお招きを受けて、この晩餐会に参加できる事を大変嬉しく思っています。
李登輝前総統が総統を退任されて以来、李登輝基金会は、台湾の政策研究のために、多大な努力をしてこられました。台湾で活躍しているシンクタンクといえば、李登輝基金会の貢献を語らないわけにはいきません。

過去15年来、グローバルな発展がもたらした劇的な変化は、過去1世紀の変化よりも大きいものです。ITバブル、金融危機、地域統合などは、世界の秩序に重大な変化をもたらしはじめました。台湾はこうした重大な変化に対応、し挑戦していかなければいけません。

 この時代、決断力と能力のある政府が必要です。国家を導き、これらの挑戦に挑んでいく政府です。この数年来私たちは、政府が問題の対処に際し、決心もなく能力もないことを見せ付けられてきました。

 台湾の民主主義はまさに危機を迎え、政府が関心を持つ問題に人々は関心がなく、人々が関心のある問題については、政府は何の関心も持ってきませんでした。ここ数年、経済発展と産業のグレードアップに問題があるだけでなく、国内では、食品の安全、老人介護、出生率の低下、年金破綻、財政問題などで、どれも政府の対応能力が問われてきました。

 これらの問題は、積み重ねられ、もし手がつけられないまま、早急な改革が行われなければ、問題は一層深刻になります。それらの問題について、我々の国家には、徹底的な改革が必要だということを、国民は皆知っています。この改革は、新しい政府が推進していく必要があるのです。

 過去のモデルは、新しい時代には通用するとは限りません。新しい世界に対応するには、我々は新しい考え方、新しい視点が必要です。

この数年、私たちは台湾の問題を研究し、台湾を変えるための準備を進めてきているところです。私たちのチームは、台湾経済の発展エネルギーが不足しているのを見て、「台湾経済発展の新しいモデル」を提案し、イノベーションの力を高めていこうとしています。時代遅れの法案を修正することで、イノベーションが高品質な雇用をうみだし、我々の分配を公平にし、台湾の経済を再起させていくことを希望しています。

 政治改革の問題について、私は「5つの改革」を提案しています。次の政府は、5つの重要な政治改革を行わなければいけないと考えています。

 第一、世代正義を実現させ、社会を更に公平に、若者に将来への希望をもたせること。若者がこの国家の主役になるとき、完全な自由の権利を持っていること。

 第二、政府の効率と能力を改革し、政府が国家発展の妨げではなく助けとなるようにする。政府の存在目的は、問題を解決することであり、問題を作ることではない。

 第三、国会改革を推進し、国会の選挙制度は改革が必要である。国会の議席数は新たに検討するべきである。正副議長の議題討論に対する公平性、国会における討論の一層の公平さと透明性が必要である。

第四、移行期の正義を実現する。この土地に生きる人々に、自分たちの歴史や周りの人たちが経験した出来事を理解させる。そのことにより、社会は団結し、国家は前進することが出来る。

第五、政治闘争を終結させる。権力を手に入れるのは、改革を進めるためである。最も重要なのは改革であり、権力そのものではない。台湾は対立を続けていくべきではない、執政者本人が、自分の言動に気をつけ、和解を取り付け、対立を煽ることはしない。

こうした改革は、私の将来の期待であり、人々の将来の政府に対する期待でもあります。我々は責任をもって新しい環境を作り、次の世代の台湾人が、自由選択の権利を有するようにします。これが我々の世代の台湾人の責任であり、私が自分自身に課していることです。
     

最後に、もう一度、李登輝基金会の更なる発展と成功を心からお祝い申し上げます。皆さんのご無事とご健康をお祈りいたします。ありがとうございます。

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