2015年10月29日木曜日

蔡英文、国防産業振興政策発表記者会挨拶全文


民主進歩党主席で総統候補者の蔡英文は29日、国防チーム召集人の陳文政、釗燮党秘書長、産業チーム召集人龔明鑫、経済顧問団の施俊吉、蔡英文選挙事務所政策執行長の張景森と共に、「五大イノベーション研究開発計画の四:国防産業の振興」政策発表記者会見に出席した。国防産業の発展の方向について、蔡英文主席は挨拶で、3つの重点を提案した。第一の重点は、台中、台南及び桃園中央科学院を航空宇宙産業の拠点とすること。第二の重点は、高雄、屏東、宜蘭などの地方を船舶産業の拠点とすること。三つ目の   重点は、台北、新竹を情報セキュリティ産業の拠点とすることである。蔡英文主席は、台湾の国防産業を発展させ、同時に将来性のある国防産業を作っていく、と表明した。将来は、台湾の国防産業に力つけるため全力で尽くす、と述べた。

蔡英文主席の挨拶は以下の通り:

呉秘書長、国防チーム召集人の陳教授、各メディアの皆さん、関連する産業の方々、     今日は一緒にここで政策発表会に参加できることを嬉しく思います。我々シンクタンクで産業計画の作成を担当している同志、龔副院長、施俊吉教授がここにいます。皆さん、今日一緒に我々の国防産業政策発表会に参加してくださり有難うございます。

今日我々が提案した国防産業政策は、過去12本の国防白書の基礎に加えて、これまでの期間、国防、産業2つのチームが討論を重ねてつくり上げた具体的な成果です。

私は、呉秘書長、陳文政教授、シンクタンク国防チームの仲間たちが、台湾の国防産業が真に発展していくために、長い時間、一生懸命力を尽くしてくださったことに、感謝します。

どの政策も、私たちのチームの仲間の苦労と努力の成果です。皆さんに感謝します。国防産業政策チーム、特に関連産業の方々は多くの意見を出してくれ、多くの詳しいレポートを提出してくれました。あらゆる産業の現況を我々に教えてくれたお蔭で、我々の政策の基礎とすることが出来ました。

我々が今日提案する国防産業政策は、五大イノベーション研究開発計画の一つです。なぜ国防産業を取り入れたのかと言うと、つまり、国防は国家安全の問題に留まらず、更に、国家の重要な戦略的産業の一つであることを強調するためです。我々は国防の発展を通じて台湾の産業競争力を高めていきたいと考えています。

台湾では国防のニーズはそれなりにあるので、毎年多くの国防経費が投入されています。我々はそれを単に購入のための資金にするのではなく、購入の過程で、広範囲な社会と経済の効果と利益を創造するべきだと考えています。例えば、雇用を促進したり、内需を刺激したり、技術イノベーションや会社の成長を助けることなどです。

実際、国防設備の購入、グレードアップと更新は、一つの重要な内需市場です。この市場は経済を牽引する力があり、造船、航空宇宙産業、情報産業及び周辺機器、材料、電気機械などの関連会社が、先端の科学技術研究開発に取り掛かり、台湾本土の企業と人材に成長の舞台を提供するものとなることが出来ます。

無視できないのは、技術の差から見て、あらゆる軍事装備が、国内で作れるわけではなく、やはり海外からも調達していかなければなりません。しかし、海外から調達するならば、我々は技術協力と技術移転を出来るだけ行っていくことを考えています。そうすることで、台湾の企業が新しい技術を習得することができ、台湾企業が直接引き続いてメンテナンスや修理ができ、装備のグレードアップさえも可能になると考えています。このようなやり方が、産業の発展に貢献できるのであり、国軍装備の質にも役に立つのです。

同時に、我々は一つの考え方を持つべきでしょう。つまり国防産業に関連する技術は「軍民両用」の特色と特質を備えるということです。ただ軍隊を支援するだけでなく、民間でも使うことが出来る。軍から民用に、民用から軍用に、ということです。

軍から民用の意味は、国際的な協力を通じてであれ、中央研究院と研究機構の技術移転であれ、軍事装備の規格要求は、元来比較的高いものです。民間会社が軍の装備研究開発と製造の過程を通じて、自己の実力をつけ、更に一歩進んで軍事技術を利用して他の関連する民間の商品、一般の生活用品などを発展させることは、台湾の会社がグローバルな競争において、先を進んでいけることに繋がります。

台湾の国内市場は限られていますが、国内市場をマイナーリーグと見たてて、技術能力を鍛えたり、技術力を養ったりしていくことができます。そしてグローバル市場のメジャーリーグにむかって進んでいくことは、将来、政府が援助していくやり方と考えています。

もう一つの民用から軍用に移転するということは、つまり民間会社が現在持っている技術と製造能力を、次の世代の兵力装備の発展に投入するということです。

例えば、北部地区の情報産業、中部の航空宇宙産業と機械産業、南部の鉄鋼と造船産業には、どれも優れた基礎があります。この産業のチェーンは、我々が国防産業を発展させていくスタート地点になります。これらの会社が軍用品の生産を始めた後、将来は軍用装備のパーツ、一般的な軍事装備の輸出市場に進出することができるでしょう。

もし国防を一つの戦略産業と考え、まじめに発展させれば、本当にそれは台湾にプラスの経済利益をもたらすことになります。産業発展の機会をもたらすだけでなく、研究開発、及び技術人材、新しい雇用の機会を提供し、若者に更に多くの仕事の選択を与えることができ、若者は今以上の給料をもらえるようになるでしょう。我々は、国防産業は産業周辺と中下流のサプライチェーンに、少なくとも8千以上の仕事と高品質な仕事の機会を提供することができると見込んでいます。

国防産業の発展の方向、私たちは三つの重点を提案します。

一つ目の重点は、台中、台南及び桃園中央科学院を航空宇宙産業の拠点とします。無人航空機の研究開発のほかに、民進党が政権に返り咲いたあとには、我々は高等練習機を自分たちで研究して作り、次の世代の戦闘機の研究開発をスタートさせます。

これらの計画は国内の航空産業の持続的成長を維持するでしょう。機体の構造、エンジン、内装と修理まで、130近くの中下流の企業に参加のチャンスを与え、周辺電子、材料、精密機械産業の発展をもたらします。

2番目の重点は、高雄、屏東、宜蘭などの地方を造船産業の拠点と位置づけることです。来年、私たちは新型の1500トン級の潜水艦のプロトタイプの研究開発をスタートさせます。計画では十年以内に戦力を投入し、量産体制に入ります。現段階の沱江級船の量産をし、また他の中型、大型水上戦闘艦の更新とアップグレートを引き続き行って、台湾の船舶産業の発展の基礎とします。

我々は船会社に、彼らの技術と管理の能力で、造船業が過去単純な組み立て作業であったのものを、研究開発、製造、修理、メンテナンスまで備える能力を高めていくことを応援していきます。

三番目の重点は、台北、新竹を情報セキュリティ産業の中心地とします。我々は「情報通信パソコン軍隊」を新たに推進するほか、国防省に十分な予算を投じ、国軍の情報セキュリティ能力を高めていき、軍用ニーズを国内情報産業の規模拡大に繋げていき、台湾の情報セキュリティ産業が研究開発に取り組む事を応援していきます。

軍用レベルの情報セキュリティ技術は、研究開発の成果が出た後、民間用に転用できます。台湾の情報セキュリティ産業をグローバルな市場で、技術的な優位に立たせていくことができるのです。

国防産業をどのように振興させるか、我々は完全な政策論述があり、しかも今日の民進党はまだ野党ですが、我々は既に一歩一歩、行動でもって私たちの主張を実現させていこうと考えています。

2008年から、我々はずっと「アメリカ台湾国防産業会議」に参加しています。今年は19の会社と30名の代表者のチームがこの会議に参加しました。

我々は工場、実験室、学校などを見学して、大小の座談会を行い、5,60近くのメーカーと意見交換をしました。

立法院では、民進党の立法委員の働きを通じて、「国防産業振興条例」の草案を既に審査に出しています。我々は現在の財政条件の下で、国軍に最良の武器装備を与えます。台湾の国防産業が次第に発展していくことが出来るよう全力を尽くします。我々は国防を発展させ、将来性のある国防産業を作り出していきます。

これらの目標を達成させるためには、リーダーの決心、政策の準備が必要です。この2つの条件を、我々のチームは既に備えています!


民進党は既に政権をとる準備が出来ています。ここで、産業の発展、国防の自主性に関心を持っている皆さんに、我々の素晴らしいチームに実行の機会を与えてくださるようお願いします。

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