2015年12月25日金曜日

蔡英文第三回政見発表立論内容


先ず、私はやはり今の朱主席の話に答えたいと思います。朱主席は今、新北市での自分の実績が非常に良いとの考えを示しました。実際、私が言ったのは、成功の例があるかもしれないが、台湾全体を見ると、新北市全体でも多くの中小企業がいまだ困難の中にあるということです。もし朱主席が、本当に自分はよくやったと思うなら、なぜ新北市市民の感じ方は違うのでしょうか。なぜこれまでの調査で施政満足度の順位が後ろなのでしょうか。

両国論について、これについてもやはり私は一言言わなければなりません。両国論を出したのは國民党の総統であり、当時全ての国民党員が同意をしたものでした。朱主席はそのときは立法委員で、サインもして、両国論に賛成していました。今日の朱主席は私にこの両国論を質問しましたが、忘れて欲しくないのは、これは国民党政権時代に國民党の総統が提出したものだということで、國民党の上層部も下層部も同意したことだということです。逆に私は現在の中国国民党の主席である朱主席に聞きたいのは、あなたはこの問題にどのように回答するつもりか、ということです。

そして、私は、台湾コンセンサスは間違っていないと言いました。現在の台湾コンセンサスは現状維持であり、私が提案している現状維持を、台湾の人々は非常に高い比率で支持しています。先ほど2回目の発言で、私は既に言いましたが、私の現状維持は馬総統の現状維持とは違います。明らかに、朱主席はしっかりと聞かずに、またもや私に何が違うのかと同じ事を聞いてきました。

私が朱主席に聞きたいのは、今宋主席も言ったように、あなたの一つの中国に属すると言うのは、これはメディアがあなたの言い方を歪曲したものですが、私が教えて欲しいのは、洪秀柱副院長も言っている様に、あなたが洪副院長を訪問した際に、洪副院長の言う一中同表に賛同したということで、あなたもこれまでにこれを否定していないということです。私は朱主席が今日の機会に、そのことについて説明をして欲しいと思います。

そして、民進党政権の時に、私たちは実際多くの可能性を開拓しました。今あなたが言った、台湾とニュージーランド、台湾とシンガポールの自由貿易協定は、実際は民進党政権のときからスタートし、既に話し始められていた自由貿易協定です。皆さんもご存知のように、自由貿易協定の締結と交渉は、始めるのが難しいのです。私たちの政権時代にニュージーランドとシンガポールの自由貿易協定の話し合いが始まっていれば、その後のことは技術的に問題を処理すると言うことです。民進党の政権時代、私たちは小三通、チャーター便を開始し、計画的な中国人観光客の受け入れを始めました。我々は大幅に両岸関係条例を修正し、國民党の政権時代全面的禁止だった両岸交流の法規の構成を、WTOの要求するこの種の交流の経済貿易法規の構成に合致させてきました。
これらは、民進党が作ってきた基礎でした。国民党政権の初期、2008年の政権初期には、当時の海峡基金会の江丙坤董事長も、当時の馬総統も、公に民進党政権時に打ち立てた基礎を肯定しました。

今日、我々がやることは、両岸交流の多くが民進党政権の2000年から2008年の間に積み重ねられてきたことであり、実現させたという事実です。2004年、私は大陸委員会の主任委員を終えた後、中国時報が行った世論調査で、私の当時の世論調査の満足度が59%から60%であり、内閣の中で1位か2位だったというのを覚えています。私が朱主席に尋ねたいのは、現在の国民党の内閣の中で、満足度がこれほどまで高い大臣はいるでしょうか。私が大臣だった当時は、人々の大陸委員会に対する満足度は高かったのです。

そしてまた、私がここで言わなければいけないことは、私たちの政権時は両岸関係の対応において、初めての執政により、経験不足の部分もあったかもしれません。しかし我々は学び、検討し、反省しました。我々は非常にしっかりとした両岸関係の主張を出し、我々は落ち着いた両岸関係において、中国大陸との距離を縮め、台湾人の自由と民主主義の生活方式を守ることを希望しています。台湾人の民意は存在しており、台湾は民主的な社会です。台湾人が重要視しているのは、このような最も大事な問題で疎外されたくないということであり、将来政策決定の過程で参与できることを望んでいるのです。民意は両岸の平和を期待しており、人々が心配しているのは、国民党の現在の密室での両岸関係の対応は、民意を反映させない状況にあり、我々は知らないうちに将来の選択権を喪失しているのではないかということです。これが人々の最も心配していることであり、どの政治家も、リーダーも、どの総統も、この心配を払拭させなければいけないのです。

よって、私がここで再度、朱主席と国民党に対して呼びかけたいことは、中国を見て、中国と良好な関係を維持したいと思うとき、振り返って、台湾人の両岸関係の期待がどこにあるかということ、台湾人が心配しているのは、中国の企業が国の資金を台湾に入れて、台湾全体の産業が打ちのめされるのではないかということや、台湾人の産業における自主性が奪われたり、世界進出が難しくなったりしたらどうするのかということであり、これら全てを、朱主席にはよく考えてもらいたいと思います。

ここで私は国民の皆さんに報告したいことが一つあります。もし私が来年総統に当選したら、私はすぐに4つの対策プランに取り掛かり、台湾を改革します。なぜなら台湾は今すぐ改革を進めなければならない時にきているからです。
先ず、私は与野党が話し合える国是会議を定期的なものにします。これは、民主主義を進化させる重要な手順です。私は与野党が情報を共有できるようにし、相互に意見交換し、コンセンサスを打ち立てたいと思います。

第二、私は産業体質の調整をし始め、積極的に経済発展の新しいモデルを推進していきます。私は各界の友人を集めて、私たちの既に計画したプランに参加してもらい、計画的に一歩一歩台湾産業のダイナミックさを取り戻していきます。

第三、私は年金改革をスタートさせます。私が就任したその日から、年金改革の国是会議開催の準備を始めます。社会の団結を基礎にし、異なる年齢、異なる職業の人たちのコンセンサスを集めます。私は台湾の財政を安定した中で改革し、全ての国民が年をとったときに、国家の保護を受けられるようにします。

第四、私は全面的に対外関係とのコミュニケーションシステムを起動していきます。政権交代と新しい政局の始まりに際して、海外や中国大陸は台湾の将来の情勢に関心を持っています。私は、このコミュニケーションシステムを通じて、台湾の立場を伝え、新しい政権と新しい民意の安定を図りたいと思います。

親愛なる台湾の皆さん、過去数年間、皆さんの生活は余りいいとは言えませんでした。しかし、この国家のすばらしさは、苦境の中でも、皆さんが諦めなかったということにあります。南から北まで、西から東まで、平地から山地まで、どの地方でも、私たちは台湾の人たちの強靭な意志の力を見てきました。

今日、私が再度ここに立つことができ、中華民国代14代総統の選挙に臨むことが出来たのは、皆さんから力をもらっているからです。なぜならこの数年来、私は台湾の民間社会の精神と活力を見てきて、反省させられ、強くさせられ、私には自分で背負わなければならない使命があると知らされたからです。皆さんが台湾を支えてくださっていることに感謝します。

台湾の精神は常に存在し、私は台湾各地で台湾人が常に頑張り続け、奮闘し続け、決して諦めない姿を見てきました。政府が彼らに手をさし伸ばさないときにも、政府が彼らを見捨てたときにも、彼らは決して諦めたことはありませんでした。では、彼らに残っているほかに必要なものは何でしょうか。つまりそれは、今私が言ったように、彼らは自分たちが必ず難関を切り抜けられるのを知っていますが、彼らに必要なのは、政府のリーダーシップであり、政府の決心であり、政府が彼らに方向を示すことです。よって台湾人が待っているのは、一つの方向であり、決心であり、人々のニーズや人々がどこへ向かうのを知っている政府なのです。

よってここに、私は再度国民の皆さんにお伝えします。私は政権がかつて失敗したことについて、隠したことはありません。もし民進党が変わっていなければ、私も台湾の人々に、またチャンスを下さいとは望みません。皆さんにお願いしたいことは、この党を良く見てください。そして、最も厳しい目で私個人を評価してください。

4年前、私は民主的な選挙で失敗しましたが、この4年間、私はより民主的なやり方で台湾の人々に信頼してもらおうと努力してきました。我々は既に反省しています。我々は既に成長しました。我々は既に生まれ変わったのです。私は台湾社会の素晴らしさを見てきました。この活力があり強靭な社会は、決心があり、能力のある政府が皆さんとともに努力していかなければいけないのです。私たちにチャンスを下さい。皆さん、ありがとうございます。

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