2016年2月28日日曜日

「二二八事件69周追悼会」に出席 蔡英文:真相を知ってこそ和解がある。和解してこそ、団結につながる。


民主進歩党次期総統の蔡英文主席は28日午後、台北市政府主催の「二二八事件 69周年追悼会」に出席した。蔡英文主席は挨拶を述べたほか、列席者とともに二二八の受難者に献花を行った。

蔡英文主席の挨拶は以下の通り:

今日の主催者である台北市の陳副市長、台湾国家聯盟の総召集人、前召集人の姚院長、薛化元理事長、受難者家族代表の潘さん、そしてここに来られている受難者の家族の皆さま、こんにちは。

今日再度、二二八記念公園に来ました。皆さんと一緒に、二二八を追悼します。私は去年ここで、皆さんにお約束しました。樹民医師が今思い出させてくれたように、私は去年こう言いました。私が総統に当選したら、必ず歴史の過ちを終わらせ、台湾を本当の自由民主の国にします、と。私は、人々が新しい政府がどのように移行期の正義を推進していくかを、見守っているのを知っています。

先ず、私は一つの歌のストーリーをお伝えしたいと思います。

今朝、私は義光協会で二二八の追悼の祈りに参加し、牧師さんが台湾の「補破網 (網修理)」という歌のことを話しました。この歌は、どの台湾人も歌える一曲だと思います。李臨秋先生が、1948年の二二八事件が起きた翌年に書いた歌です。

歌の中の破れた「魚網」は、破れた「希望」です。私たちが現在聴くこの歌は、三番まであり、最初の二番は悲しみ、悶え、憂鬱を歌っていますが、三番目は円満なエンディングとなっています。

しかし李臨秋先生は言います。子どもたちには三番を歌って欲しくないと。なぜなら、この三番の歌詞は政治権力の圧力の下で生まれたものであり、広めるべきではないからと。しかしまた、私たちは三番目が円満なエンディングであっても、この歌が1977年の前には禁止された歌であったことを知っています。

創作の自由さえなかった。これが、二二八後の台湾です。あの権威主義の時代に、社会は平和に見えたけれども、皆が国家の暴力に怯えて、話をすることが出来ませんでした。円満なエンディングさえも、強要されて作られたものだったのです。

秘密警察の統治、あらゆる人たちが口をつぐみ、真実を話すことが出来なかった時代。自分の親戚や友人、隣人とも政治や自分の心の声を話せなかった時代。
 単純な人々、素朴な社会は、国家によって捻じ曲げられました。これが二二八、白色テロ、権威統治であり、台湾社会に大きな傷を残したのです。

民主化以来、台湾社会はずっと努力をし、二二八を反省してきました。我々は今この記念碑、と「二二八平和公園」を有し、政府は2つの報告書を開示しました。総統は国家を代表して、人々に謝罪しました。しかし、社会には依然として癒されていない傷が残っています。
政治の立場の違いは、我々が移行期の正義を推進する過程で、全ての人を納得させる道理を述べることを困難にしています。

「移行期の正義」を推進することは簡単ではありません。しかし、それは真実の追究を諦めるべきだというのではなく、正義の理想を放棄することを表しているのではなく、真実の和解を諦めるのを意味するのではありません。

「移行期の正義」の目的は、社会を真に和解させ、国家が本当に団結できるようにするためです。よって現在が、本当の和解を追及するときなのです。なぜなら、勇敢に自分たちの暗い歴史と向き合うことは、文明国家の基本的な態度だからであり、台湾の民主主義が成熟し、深化するために必要な過程だからです。

今日、私たちはここで二二八を追悼するのは、教訓を得て、国家暴力を譴責することです。政府の権力は人民から授かったものであり、人々に銃口をむけるものではないのです。
  
よって、皆さん、移行期の正義の推進は私たちの将来の重要な任務です。単に真相をあかすだけでなく、単に賠償のためではなく、単に1つの謝罪のためにではありません。

移行期の正義は、社会全体が共に痛みのある過去と向き合い、教訓を永遠に刻み、決して再度同じ事を繰り返さないということです。そして、最も重要なのは、我々は一緒に前進しなければいけないということです。こうすることで、台湾人は真に自由人になり、民主人になることが出来るのです。

私は印象深い言葉を読んだことがあります。「移行期の正義」の見方についてです。これはアルゼンチンの記者の歴史の反省についてのものです。彼は、「まだちゃんと報われていない犠牲者が多い状態で、我々はどうやって過去を忘れることができるというのか」と。これは私の態度です。

「移行期の正義」は、私はこれまでも約束してきましたが、私が就任中に努力してやり遂げなければならないことです。私は関係する機関に、誠実で厳粛な態度で、プライバシーを考慮すると言う原則の下で、権威時代の書類の整理、研究、公開を進めていきます。当然、我々は台湾の民間、個人が持っている資料を提供してくれるのを大歓迎します。真相を明らかにする過程で、資料が多ければ多いほど良いのです。 

我々は「真相と和解委員会」を召集し、関連する法律を実現させ、修正し、制定していき、台湾を真相と正義がある国にし、過去の暗い歴史にピリオドを打ち、台湾を真に前進させていけるようにします。


真相があって和解があり、和解があって団結ができます。毎年228日、我々は一緒に過去を振り返り、一緒に前に進もうではありませんか。移行期の正義を推進し、将来台湾人が誇りを持って、我々の世代の努力があって、台湾はついに破れた「魚の網」(希望)を修理した、といえるように。皆さん、ありがとうございます。

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