2016年4月9日土曜日

蔡英文:この国を導き、この党を導いて苦境を突破し、台湾をライトアップする


民主進歩党の次期総統の蔡英文主席は9日、第十六期第一回臨時全国党員代表大会に出席した。

 蔡英文主席の挨拶は以下の通り:

我々民進党の前主席、間もなく副総統に就任する陳院長、そして次期行政院長の林院長、そして立法院の柯総幹事及び直轄市の陳菊市長、頼清徳市長、林佳龍市長、そしてまだ若く最近少し痩せた鄭文燦市長、そしてそのほかの県市長の皆さん、ご来賓の皆さん、黄主文主席、長い間民進党を支持してくれている友人の皆さん、今日一緒に全国党代表大会に参加してくれている党員の皆さん、先輩の皆さんこんにちは。

先ず私は皆さんがお忙しい中を今日の臨時全国党員代表大会に参加して下さったことに感謝します。今回は総統選挙後、党員の皆さんが最初に集まる機会です。しかし今回、私が皆さんに理解して頂きたいのは、ここに集まった目的は勝利を祝うためではないということです。我々が集まった目的は簡単です。我々民主進歩党は、自分たちの変革を通じて、台湾を導いていき、新しい時代へと歩みを進めていく、ということです。

あと40日余りで520日になります。その日は我々がこの国の将来のために、全ての責任を負う日の始まりです。その日を迎えるために、我々一人ひとりが、私を含め、しっかりと準備をしなければいけません。

外部の人たちはまだよく理解できていないかもしれませんが、なぜ私たちは今、全国党員代表大会を開催して党の規則を修正するのでしょうか。ここで、私は社会に対し一度説明したいと思います。

民進党の元々の党規に基づけば、我々は執政後、政務官の一部は中央常務委員を兼任しなければいけません。このような規定は、過去にはその意義がありました。しかし、現在の情勢においては、改革が必要です。

民進党は理念で集まった人々の政党です。志を同じくする同志を探し、一緒に民主政治の進歩を推進していくことが、民進党の文化です。よって、将来政権を担っていくチームの構成も、同じような方法でメンバーを探していきます。

陳建仁副総統は、民進党籍ではありません。将来の行政院長の林全氏も、民進党籍ではありません。このお二人を除いても、将来我々が作る執政チームには、社会からの人材がもっと多くなるでしょう。執政の人材起用が、党籍に限定されないので、将来の政務官の施政も、もちろん党の制限を受けません。

政務官は党の中央常務委員を兼任する必要がなく、政務官と党の関係を真に協力しあうパートナーの関係にします。命令に従って仕事をする上下の従属関係ではないのです。

私は、このようなやり方は模範になると信じています。民進党の執政後には、このような一種の文化をつくり出します。公務に当たる人々が政治のプレッシャーやコネなどから抜け出すことが出来るようになり、良心と道徳もって、自分の専門性を発揮し、この国と人々のため誠心誠意全力を尽くしていくことが出来るのです。

彼らは台湾の人々に対して責任があるのであって、民進党の中央常務委員会に責任があるのではありません。これは、我々が今日党規を修正する上での非常に重要な意義であります。

今日、我々の党規修正のもう一つの重点は、直轄市長、県市長、党の三役など直接民意の基盤を持つ仲間を、常務委員会、執行委員会のメンバーにするということです。このようなやり方は、我々が政策を決定する仕組みに、人々の声を反映させ、党意が民意を凌駕しないことを確保するものです。

同志の皆さん、永遠に人々の側に立ち続けるということが、民進党の将来の執政の最高指導原則です。党の改造は、党規の修正だけに頼るのではなく、時代に追いつくために、党の体質を絶えず改造していかねばなりません。皆さん、選挙の勝利が終点ではありません。執政こそが試練の始まりです。将来の4年間、我々は幾つもの困難に遭遇するでしょう。このことは、ここにお越しの皆さんは、充分な認識をお持ちであろうと信じています。

傷だらけの国家は、我々が法を修正することを待っています。これは決して簡単なことではありませんが、私の信念は非常に簡単です。私は、党が絶え間なく進歩する状況下で、この国を同時に発展させていきたいのです。我々はずっと前に向かって歩みを進め、台湾の政治も我々と一緒に前進して行きます。逆に言えば、もし民進党が進歩をやめれば、この党は必ず苦境に陥ります。もし民進党が人々とかけ離れてしまえば、この党は必ず人々に淘汰されるでしょう。

これがつまり、今月党の主任委員会の会議上で、なぜ民進党は3つの方向を通じて、絶え間なく改革を進めていかねばならないか、と私が強調した理由です。今日は、もう一度この3つの方向を繰り返すことで、皆さんと互いに励ましあっていきたいと思います。

第一、   民進党は若返り、若い世代の人材を引き続き育てていくこと
第二、   民進党は人材の流れをよくし、どの幹部もみな完全な経験を積んでいくこと
第三、   民進党は外界とのコミュニケーションを保ち、社会の批判を厳しい警告としていくこと

私は、この3つを実行すれば、民進党は堕落せず、進歩の力を持ち続けていけると信じています。新しい政治は党規を修正するだけでも、党務を改革するだけでもありません。新しい政治は国家改革のエネルギーになる必要があり、尊厳と自信のある生活を台湾人に取り戻す必要があります。

520日以降はどの日も、台湾の人々は目を大きく見開いて民進党の改革の約束が守られているかをみるでしょう。私は皆さんに一緒に全力を尽くしてもらいたいと思います。民進党は一つのチームであり、執政の成果は我々が一緒に創造していくものです。

役割も責任もそれぞれ違っていますが、穏健な改革、台湾を団結させることが、民進党の現段階の使命です。一つの執政党として、我々は自分たちにより高い水準を求めなければいけません。もし我々がこの国をずっと進歩させていきたいなら、民進党は最前線に立ち、台湾のために政治と経済、社会の移行期の青図をひとつひとつ描いていきます。

我々は多くの仕事をしなければなりませんが、全ての仕事がすぐに効果が現れるものではありません。改革は早く始めれば始めるほど、変化はより早く起こってくるものです。

116日から今日まで、我々は既に「年金改革委員会」を立ち上げ、陳建仁副総統を召集人にしています。このことは、新政府が全力を挙げて、年金制度を存続させていく方法を見つけ出そうとしているのを意味します。

また、我々は次々と、権威時代の政治受難者や彼らの家族を訪問していきます。更に多くの受難の話しを公に討論できるようにし、台湾人が真正面から共に歴史の暗い一面に向き合っていけることを希望します。人々に信じてもらうために、移行期の正義を実現させることは、社会の和解を助け、国家の団結を進めていくことができるでしょう。民進党はこのことについて決心をみせていかねばなりません。

我々は一度のチャンスしかありません。我々は真剣です。政党の私欲もなく、政治的打算も持つべきではありません。これは我々が台湾人のために堅持する立場です。

また、社会と政治の改革のほか、台湾人の最も関心のあることは、新しい政府がどのように経済を振興させていくかということです。

この2ヶ月来、我々は産業の旅を計画しました。将来の執政チームに企業の苦境を自ら理解させ、自ら企業や我々の社会が直面している苦境を理解してもらいました。と同時に我々は、労働者の苦悩もいっそう体感できました。民進党は経営者と対立しているわけでも、大企業だけを重視しているわけでもありません。我々の目標は創造的で質の良い雇用の機会が生み出される産業を作ることです。産業がなければ、雇用もありません。雇用がなければ、所得もありません。

よって、我々の経済政策を、正しい軌道に乗せなければいけません。我々は台湾産業のアップグレードに専心し、企業の収益と労働者の給与を同時に改善させていきます。

新しい経済は、専門と技術力でお金を稼ぎ、努力すれば報われるような経済です。
新しい社会は、公平正義があり、永続的に発展していける社会です。
新しい政治は、団結と効率ある政治です。
これが、民進党がこれからの4年間、全力で実践していくビジョンです。

今日の我々の臨時全国代表大会は、私の520日の総統就任前に、唯一皆さんと一緒に集まれる機会です。特別に皆さんに伝えたいことは、常に、人々が民進党をみているということを忘れないで欲しいということです。

多くの人々が、我々がこの国の運命を変えることに成功するのを期待しています。こうした人々のために、我々はどんな苦労があっても、最後まで頑張ってやり遂げなければいけません。なぜなら、台湾人もこの国も、これ以上の堂々巡りも傷つくことも必要がないからです。もし、今回民進党が上手くやれなければ、台湾の人々は政治に失望し、我々の改革理念は全て無駄になってしまいます。

同時に、私は民進党の執政に大した期待をしていないだけでなく、冷たい目で見ている人たちがいることを知っています。この人たちのためにも、我々は更に努力し、頑張らなければいけません。我々の努力は、民進党が能力のある政党だということを証明するためではなく、台湾の良さというものは、簡単に失われるものではないということを証明するためです。

私は自分やここにいる皆さんが、こうした態度で将来の挑戦に向かっていける事を期待しています。既にお話したとおり、我々は泣いた涙を笑顔に変えました。116日、私たちは成し遂げました。現在から、私はこうした人々の笑顔を自信に変えて、一人ひとりの自信の積み重ねを国家の誇りにしていきます。


親愛なる同志の皆さん、この国家の将来は、私たちの手の中にあります。私たちは成功するのみであり、失敗は許されません。私はこの国を導き、この党を導き、苦境を突破し、台湾をライトアップさせていきます。皆さんありがとうございます。

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