2016年7月18日月曜日

民進党第17期第1回党大会 蔡英文主席あいさつ全文


民主進歩党は17日、第17期第1回全国党大会を開催した。蔡英文主席の開会のあいさつ全文は以下の通り。

会場にお越しの民進党元主席である、游元主席、姚元主席、蘇元主席,そして各県市の首長、党の代表の皆さん、行政院林錫耀副院長、楊青矗顧問、黃崑虎元顧問,黃主文顧問,我々が尊敬する辜寬敏顧問、張俊雄元院長,李應元環境署長、林光華県長,廉政会の張天欽主任委員、民進党的全国党代表の皆さん、こんにちは!

今日は我々の執政後最初の党大会です、去年の党大会では、私は皆さんに「権力や金を求める人は他所へどうぞ」と話しました。私は、執政後の2か月間、皆さんは様々な深い体験をされてきたと思います。

私たちが向かっている先には、栄華や富があることはなく、常に一連の困難と挑戦が待ち受けています。もし政権交代で問題が解決されなければ、構造を改革できなければ、人々は民進党に失望するだけでなく、民主政治に対しても失望するでしょう。ですから今年の私のあいさつは短くして、儀礼的な話は全て省略したいと思います。

私は、この2か月間台湾で起きたことを皆さんに考えて頂きたいと思います。第一に、桃園空港でのこと。浸水した桃園空港です。続いて、中華航空のキャビンアテンダントのストライキ。そして、雄三のミサイルの誤射。それから台東を直撃した台風です。     

ここにいる皆さんは、これらの写真をよく見て、この国をよく見て欲しいと思います。これは、民進党政権下の台湾です。この2か月間、我々は一連の危機に直面しました。これらの危機の中には、長い間の構造上の問題から発生したものもあり、また一時的突発的な状況下で起こったものもあります。しかしながら、人々にとってみれば、事件がいったん起これば、民進党がそれに対してどのような対応をとるか、ということにつきるのです。

この2か月来、皆さんは移行期の正義であれ、産業イノベーションであれ、司法改革や労使問題、年金改革であれ、どの改革もすぐに達成できるわけではないことがわかったと思います。

我々の改革は度重なる困難においても前進していかなければならないものです。将来に不安を抱いている人は、もしかすると大きな変化は必要ないと考えるかもしれません。しかし、同じ時にこの社会ではまた別の声も聞かれます。我々がすぐにゴールにたどり着いてほしい、という希望です。これが我々の目下の状況です。

このような状況は、決して気楽なものではありません。多くのテーマにおいて、我々は社会で違う意見を持つ人が互いに対抗しているのがわかります。こういう時は、どの政治家も簡単に自分を見失ってしまうときだといえるでしょう。よって、私はここにいる政治家である党員の皆さんに、再度自分に問うて欲しいと思います。我々が政治家になる理想と目標は一体何かということを。

我々が自分の理想と目標を忘れなければ、目の前の困難は必ず克服できるでしょう。私は皆さんを信じています。同様に、私は皆さんに政府を信用して欲しいと思います。台湾は今変わりつつある時です。我々が選挙で勝利してから、この国は既に改革の方向に出発しました。

我々は選挙及びリコール法の修正を通じて、地方議長選挙を記名投票にしました。この変化は、我々が長い間人々にしてきた約束を実現したものです。我々は、オープンで、透明性と責任をもって、過去人々に批判されてきた密室での話し合いや不当な金銭やり取りという構造を変えました。

社会的弱者の人々の基本医療権利のために、我々は健康保険カードの一時無効化制度をなくしました。苦学を強いられている子供たちの負担軽減のため、我々は学費の借り入れの利子を低くします。

電力供給の問題については、全力で電力配分を調整し、節電措置を進め、ともに電気供給の問題を乗り越えていきます。「2025年脱原発国家実現」は我々の変わらない目標です。私たちは逆戻りするわけにはいきません。

このほか、お気づきの方もいるかもしれませんが、民進党選出の花蓮市長候補者の張美慧同志は、選挙公告にて、ローマピンインの阿美語で彼女の政権を書いています。このような先駆的な試みを、我々は選挙及びリコール法を修正したことにより、選挙公報の多元化を実現させたのです。

法律の修正は、小さな変化ですが、原住民の人々にとっては、改革の大きな一歩です。これからは、原住民族は選挙公報で自分たちの言葉を見るようになります。

もちろん、私は人々の目指すものと期待が非常に高いことをわかっています。多くの人々が、我々の改革が十分ではない、スピーディーではない、と思うでしょう。これらの意見は非常に重要です。私は、政治家の民進党員の同志には、私も含めて、心を込めたコミュニケーションという信念を持ち、社会が我々に与えてくれる意見に耳を傾けることを希望しています。

この社会は再度分裂するわけにはいきません。改革は国家団結のためです。社会を分裂させるものではありません。この点を、私は民進党の上から下まで全員に心に留めておいて欲しいと思います。

私が皆さんに覚えておいてほしいことは、改革には必ず痛みが伴い、そして誰かが非難されることもあるということです。私は、将来において、民進党は改革の痛みを最も少なくする政党であり、同時に様々なプレッシャーがあったとしても、理想を堅持し続ける政党であることを期待しています。

私が再度強調することは、台湾の様々な改革はせっかちに進めるものではないということです。これはこの2か月で、新しい政府が経験したペースです。例えば、皆さんが関心を持っている年金改革の問題について、多くの人が、民進党はもう政権を執ったのだから、上が決めたことを下へ直接指示すればよいのではないですか、なぜ一年もかけてこんなに多くの会議を開くのですか、と尋ねるでしょう。

私の回答は皆さんの回答でもあります。つまり、これこそが、我々民進党の堅持していくやり方だということです。これは民進党が台湾社会に責任を負っていることの表れでもあります。穏健な改革は、簡単な道筋ではありません。政治においては、困難な道であります。しかし、我々は困難なやり方を選ぶことをためらいません。我々は更に多くの時間を使って、分裂してしまった台湾を団結させていきたいと思います。

私は、皆さんはよくわかっていらっしゃると思いますが、もともとこの党大会のテーマは「一緒に繁栄を築き、改革で幸福を迎える」でした。この言葉は私によって削除されました。私は、政権がスタートしたばかりで、挑戦は目の前です。私たちは現実をしっかり見て、自分たちの責任をはっきり認識しなければならないのです。

目下のテーマは、「挑戦に立ち向かい、ともに繁栄を作り出す」です。皆さんに覚えておいて欲しいのは、正面から挑戦に立ち向かわなければ、台湾は繁栄しないということです。正面から台湾の様々な困難に立ち向かうためには、民主的な態度で社会を団結させ、穏健なやり方で改革を推進しなければいけません。これは私たちが堅持しているやり方です。台湾を困難な状況から導き出すのは、今この時です。党をあげての最も重要な任務です。


政権は代わる代わる各方面のご機嫌を取るものではありません。執政は価値を守るということです。我々は誰かのご機嫌を取るのではありません。再度強調します。我々の責任は、この国家の安定平和、永続発展です。我々には多くのやらねばならない仕事があります。皆で一緒に努力していきましょう。民進党頑張りましょう。台湾頑張りましょう。皆さんありがとうございます。

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