2011年10月3日月曜日

蔡英文総統候補:台湾人の対日感情にはすでに「台湾コンセンサス」が確立されている 10-03


蔡英文総統候補は3日、在日台湾人の活動に参加した。
蔡候補は次のように述べた。
台湾人の日本に対する強い親近感はすでに『台湾コンセンサス』と呼べる高い一致性がみられる。台日関係の強化と日本とのFTAを期待し、日本を含む多くの国とアジア太平洋自由貿易区を形成することを希望する。そして「民主主義、自由市場、自由主義」がアジアが平和と安定を維持し、発展するための重要な要素である。
日本をはじめ多くのアジア諸国は中国の台頭によって衝撃を受けている。ただし台湾には、司法制度、政治体制、社会体制、産業構造などの台湾特殊な問題もあり、それは台湾自身で解決しなければならない。
中国問題は長らく台湾につきまとってきた。台湾では族群や世代ごとに中国に対して異なる感情と記憶を持っている。それがまた中国に対する態度の違いにもあらわれている。そしてこれまでは半分の民意しか代表しない政策がとられてきた。そこでわれわれは「台湾コンセンサス」の重要性を提示している。これは「もし台湾人の間でコンセンサスがなければ、団結一致しているとはいえず、強い立場で台湾の民主主義を守ることができない」というものだ。
コンセンサスと団結ができなければ、台湾はまたアジア諸国に対してアジア太平洋地域における平和と安定に対する責任を担う国であることを胸をはっていうことができない。台湾自身が調和された社会でなければさまざまな問題に対処することができない。そこで今回の選挙では、民進党は2つの訴えを提示している。それは対外関係、特に対中関係では台湾コンセンサスを結集する。それは台湾が世界や中国に対する場合に、台湾にとって最も有利な状況をつくることである。民進党はまだ社会の調和と団結を求める。調和と団結がある社会は経済構造の改革を進めやすい。そうすることによって台湾は人材を発掘して、経済・社会問題に対処することができ、新たな雇用を創出して若者や失業者に雇用機会を与え、貧困化や貧富格差をなくすことができる。
台湾では1999年の台湾中部地震が起こった際、数千人の命が奪われ、多くの人が住みかを失った。しかしそのとき最初に救援に来てくれたのは日本であった。今回の東日本大震災では台湾からの義捐金が世界一で、さらに最も早く迅速に救援にかけつけた。これは台湾人の日本人に対する深い親近感を示すものであり、義捐金募金活動でも民進党は早期に始め、きわめて短期間で8000万元あまり、つまり2億円あまりを集めた。これは民進党自身の政治募金よりも多い額であり、忸怩たるものがないではないが、事実はそれだけ日本への情感が深いということである。
そのように、台湾と日本の関係は文化、経済、社会などあらゆる面にわたって深い関係にある。そのため、誰が政権を握ろうともこの関係は決して崩れず、深められていく。民進党の前の政権時代には、日本との関係に心を砕いてきた。そして事実、その期間は台湾と日本との関係が最も急速に進展した時期でもあった。馬政権になってから日本との関係は民進党に比べて疎遠になったといえるが、しかし対日関係そのものは引き続き深まっているのである。
民進党政権時代に、日本は台湾人観光客へのノービザ措置をとり、パスポートを相互承認した。この決定は日本で立法作業が行われたが、それは台湾人にとって特に感慨深いものである。過去の蓄積は政権交代によってひっくり返されることはなく、台湾社会全体が日本および日本人に対する親近の情の深さを示している。
つまり、こうもいえるだろう。台湾人は日本に対してはすでに台湾コンセンサスを持っていると。今後台湾は日本とともにアジアの問題に対処し、アジア太平洋地域の安保、経済統合、民主化などの問題で台湾は日本とその他のアジア諸国とともに努力していきたい。日米安保条約はまた、この地域の平和の枠組である。民進党は日本との間で持続的な安保対話を進めて生きたい。両国共通の目的と利益はこの地域のバランスと安定、平和を維持することにある。民進党はまた日本との間で、FTAを結び、日本とともにアジア太平洋地域の自由貿易区の形成に力をあわせたい。アジア太平洋諸国の関係が緊密化することで、ともに民主化の問題にも取り組み、議論することができる。そうしてアジア太平洋地域でより多くの民主主義国家が生まれ、より確実な民主的な枠組が生まれることを希望する。。

会場の日本人から原発について質問が出た。蔡英文候補はこれに対して「日本の震災は台湾にも大きな問題を突きつけた。それは台湾に現存および建設中の4箇所の原発がすべて震源地帯にあり、台湾には原発を発展させる条件がないということだ。台湾は国土が狭く、人口密集地帯の北部に原発が多く、事故になったら逃げ場がない。そこで民進党は”2025脱原発社会”計画を打ち出した。それは2025年までに台湾が3箇所の現役原発を退役させ、第4原発第も代替エネルギーに代える。民進党のこの目標は困難な課題であるが、台湾人および指導者が決意をもって進まなければならない」と述べた。

台湾と日本の間の領土紛争について蔡英文総統候補は「平和的な方法で現在の問題を処理すべきとの原則だ。台湾も日本も武力で紛争を解決しようとはしないだろう。領土はひとつの観念で片付けられるものではない、それに伴う土地の権利などの問題がある。自身が対外交渉に携わった経験からいえば、紛争にともなう意見対立は共通する利益からまず着手して話し合うことだ。釣魚台(尖閣諸島)などの主権問題はまずは漁業権や領海の経済的利用といった共通の利益から話し合うべきだ。これによって領土問題の対立性が弱まる」と述べた。
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