2011年11月1日火曜日

ミュージカル《夢想家》2日間講演の製作費が2.15億元?


「中華民国建国100周年」記念行事の一環として、国民党政権の文化建設委員会が開催したミュージカル「夢想家」が2日間だけの公演にもかかわらず2.15億元もの経費を使っていたことがこのほど暴露された。民進党スポークスパーソンの陳其邁、林俊憲氏と徐国勇弁護士が記者会見を開き、次のように指摘した。
この件では11件の入札があり、6件には非公開入札を行い、総額は1億8千万元あまりだった。《夢想家》の6件の非公開入札の中で「創意設計企画」が落札。他の5件のうち、「特殊効果企画」「交通維持計画専門サービス」については予算額とほぼ同じ落札額で、残り3件の設備リース料については、字幕投影、通信・監視、照明など総額3000万元近くだったが、これは非常識に高すぎる値段であった。
いずれも頼氏の「表演工作坊」関連業者の落札が決まった。その他の業者には何の発言機会も与えられなかった。
これらをすべて合計すると2億1500万元となる。台湾にはさまざまな零細文化業者があり、資金が欠乏している中で、たかだか2日間の公演で、頼氏のために2億元も予算を支出したというのは、不公平にもほどがある。
同委員会主任委員(文化大臣)盛治仁氏はミュージカル芸術総監督頼声川氏との交友が深い。頼氏がかつて台北市政府市政顧問だったときに、盛氏は同市府研考委員会に在職しており、台北市政府が主催した台北聴覚障害者五輪、台北花博などのイベントではいずれも頼声川氏が落札してきた。
つまり、頼声川、盛治仁、馬英九の三人の関係は深く、不正が行われた疑いが強い。民進党は検察特捜部に公正取引違反、不法図利事件として告発する方針だ。
盛治仁氏は「ブロードウェイの基準でいえば高くはない」「年収100万元の家庭でも一千元の誕生日祝いの支出をする」などと強弁した。
しかし前者についていえばブロードウェイの「ウィッキド」の予算は1400万米ドルで4億台湾元に相当するが、同作は2003年10月初演から1週間あたり1200万ドルあまりの収入を得ている。「マンマミーア」「オペラ座の怪人」など有名作品はいずれも十から二十年も公演期間が継続している。ブロードウェイ・ミュージカルの製作コストは500万から1600万ドルの間で、「夢想家」よりも高いが、しかしいずれも長い興行期間でコストを回収しており、2日だけの「夢想家」とは比較にならない。
ブロードウェイを持ち出すなら、「夢想家」はそのあとも継続公演していなければならないはずだ。しかし2日間だけ、数千人が見たあとは継続していない。
また、盛治仁氏は高雄ワールドゲームズを持ち出している。しかしワールドゲームズでは予算規模は9,000万元で、内外の知名歌手・団体ら7,000人を動員し、観客も55,000人と多く効果は大きかった。今回とは比較にならない。
コストパフォーマンスでは、今回観客一人当たり1.5万元だ。
最近、果実価格が暴落し、農民が困っている問題に対して国民党政権は何も対策を採ろうとしていないが、2日間の公演にこれだけの予算を動員するなら、農民への補助金などいくらでも出せるはずだ。
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