2011年11月13日日曜日

中国は国民党を支援する5種類のシナリオを用意


陳其邁スポークスパーソンは13日、次のように明らかにした。
中国が国民党を密かに支援していることは周知の事実だが、米国連邦議会の今年8月の報告書でも中国が台湾の選挙に介入し、北京は馬英九の再選を支援すると指摘している。
中国が「文攻武嚇」で台湾の選挙に介入しようというのはニュースではなく、すでに1996年台湾史上初の総統直接選挙への武力威嚇、2000年総統選挙での国務院総理朱鎔基が発表した脅迫的言辞などでも明らかだが、中国側はそれらがいずれも逆効果に終わったことから学習し、その後台湾選挙への介入方法はより綿密かつ非公式になりつつある。今回中国は国民党を影に陽に支援するための5種類のシナリオを用意している。それは国民党・馬英九が再選を成功させ、中国が恩を着せようということだ。
第一のシナリオは「中国富裕層による台湾買いつけ団の形で国民党を応援する」というもの。中国海協会副会長鄭立中がやってきて農産品を買い付けた際には、国民党立法委員候補の林益世、鍾紹和が全日程を付き添った。
2008年5月から2010年9月にかけて中国から台湾への買い付け団は62団体、協定締結400項。これによって台湾への心理的統一戦線工作を進めている。
第二のシナリオは「特定の台湾商人団体幹部を利用」中国各地の台湾商人団体をそそのかして国民党の選挙応援活動をさせるものだ。政党の自由がない一党独裁中国で、馬英九の選挙後援会が次々に作られている。江蘇では2000人が総決起集会に集まったという。第三のシナリオは「台湾商人に台湾に戻って投票を奨励」である。馬政権は総統・立委選挙をわざと合併し、さらに旧正月の一週間前に設定した。これは台湾商人が台湾に戻るタイミングとして絶好だからである。中国の台企聯は台湾人経営者にたいして台湾人従業員が休みを前倒し帰郷して投票するよう奨励し、航空会社に周旋して優遇チケットを出させたりしている。旧正月前後はチケットがとりにくいが、中国政府は中国の航空会社に帰郷投票する台湾人に席を優先させるよう指示している。
第四のシナリオは「馬英九対抗馬の資金源を断ち切る」である。中国政府は馬英九の対抗馬であれば、これまでの関係を無視してバッシングの対象としている。特に宋楚瑜氏については学者や外郭団体を動員して攻撃し、さらに宋楚瑜氏の企業家の友人に対して直接間接で「関心」を表明し、宋楚瑜氏の金脈の切断を図っている。
第五のシナリオは「直接間接に特定の立法委員を支援する委」である。中国はこれまで特定の立法委員と関係が深い財団に「災害義捐金」名目などで献金するという手段で特定立法委員の取り込みを図っている。

翌日、梁文傑スポークスパーソンは具体例を示した。
今年1月20日に報じられたところでは、中国国務院台湾弁公室主任陳雲林の妻・頼曉華は3億米ドルの資金が不明になった事件で中共中央規律委員会の秘密調査を受けたことがあるが、元主任王兆国の子・王新亮も調査対象に含まれていた。報道によれば「これは台湾商人買収名目の資金を陳雲林妻らが着服した疑い」とされている。
また、宋楚瑜の幕僚がメディアに明らかにしたところでは、張栄発、王文洋、林義守、徐旭東、曹興誠ら従来から宋に献金していた企業家のが中国政府から直接間接の圧力を受けて宋楚瑜への資金援助を打ち切った。
さらに中共は今年になってから「中華友好城市交流協会」の名義で台北市の各里長の中国視察旅行を招待し、中国の区里との友好締結を行っている。それはすべて民進党所属であった。
一部の台商(中国在住の台湾商人)が民進党に明らかにしたところでは、彼らは最近になって頻繁に中国当局から税や土地契約に関して「関心表明」の電話を受けている。しかも蔡英文支持が明らかになってからそうなったという。
民進党は逆に中国に警告したい。それは台湾の民心の変化は中国が阻止できるものではなく、中国のこうした行いは指弾を受けるであろうと。
Share/Bookmark

0 コメント:

コメントを投稿