2012年11月15日木曜日

呉釗燮氏の駐米代表任命を発表 蘇主席・台湾とアメリカの関係が益々良好になることを期待




  アメリカ大統領選挙が終わって間もない12日、蘇貞昌民進党主席は、政策調査会執行長の呉釗燮を民進党の駐米代表に兼任させると発表し、再び民進党の駐米代表処の準備を始めたことを明らかにした。

  蘇主席は、「呉釗燮氏はアメリカの事情と民進党の政策に精通しており、私とも親しい関係にあり、『駐米代表のまたとない人物だ』」と述べた。呉執行長はアメリカ側に民進党の主張を完全に伝えることができ、アメリカからのメッセージを我々に届けてくれるだろう。台米関係が呉釗燮氏の派遣によって、益々良好になることを希望している、と述べた。

  蘇貞昌は、アメリカとの相互の信頼と好意をもとに、民進党は既に駐米代表の人選をアメリカ側に伝えたと述べた。タイミングを見て呉氏にはアメリカに渡ってもらい、駐米代表処設置の仕事にあたってもらうと述べ、「民進党は資源が少ないが、倍の努力をしなければいけない」、周囲の人たちも民進党に支持と励ましを与えてくれることを期待している、と語った。

  蘇主席は挨拶で、台湾周辺の地域情勢の変化は激しい。どのように台米関係を強化していくかということは、主席に就任以来、努力してきた課題の一つである。この期間、私は学者、専門家、前政務官などを招き、数え切れないほど会議を開き、様々な意見を出し合ってもらいながら、党内で周辺の各種客観情勢に対してしっかり準備を整えてきた。アメリカ大統領予備選挙期間中、民進党は立法委員と中央党本部の幹部で選挙視察団を派遣し、共和党、民主党の大会に参加させたほか、選挙期間に、別の特別チームを作ってアメリカへ選挙視察にでかけた。アメリカで次の大統領が誕生し、大勢が判明した後、民進党は駐米代表処の準備に着手した。一番大事な仕事は、民進党執政時の最初で唯一の民進党の駐米代表で、現在中央党本部政策会執行長の呉釗燮に駐米代表の職に就いてもらうことである。

  蘇主席は、呉執行長は優れた学歴と経験を持ち、最初の民進党駐米代表であったときの仕事ぶりは良く、各方面から評価されていたと賛辞を送った。この期間彼は、国際部の劉世忠主任と何度もアメリカへ赴き、多くの高官や、シンクタンク、学者、民間の専門家たちと交流をしてきたとし、主席は、民進党の駐米代表人選は、アメリカとの付き合い方に精通しているだけでなく、より大事なことは、民進党の政策を熟知していることだと述べた。過去半年、呉執行長は政策調査会をうまく運営し、党内の政策に非常に精通しており、将来やるべきことを理解し、私との関係も良い。「民進党の主張を説明でき、私の考えとアメリカの情報を伝えてくれる、またとない人選である」との考えを明らかにした。

  蘇貞昌は、駐米代表処の設置後は、一部の人や、違う立場からの発言でアメリカや周囲が違った情報を受け取るのを防ぐため、民進党の主張を伝える責任者が必要となる。「ちょっと不明瞭なところがありますが」というようなことは、今後ははっきりと説明できるようになるだろう。

  呉釗燮氏は、駐米代表の仕事は激務で責任があり、すぐにはっきりとした成果が見えるものでもない。しかし過去の駐米代表の経験と、現在主席から任命された駐米代表の仕事はかなり関連性がある。「辛いかもしれないが、全力で出し、喜んでお引き受けする」と述べた。また、アメリカの行政部門との交流のほか、国会、シンクタンク、学術界、メディア及び華僑界は、民進党の駐米代表が協力し対応する対象であり、努力して、アメリカ側に民進党を理解してもらうようにすると述べた。

  彼はまた、民進党の駐米代表は、政党競争の延長ではないとし、台湾の民主的で多元的な社会における、一つの主要な政党の最もリアルな一面を、一番正確かつ有効的な手段でアメリカ側に理解をしてもらうことだ、と述べた。そして、「これは私の仕事と目的であり、この後、必要となればいつでもアメリカに赴く。」と語った。

<呉釗燮氏とメディアとのQ&A>
Q.大統領選挙の際、民進党とアメリカの間で一時的に緊張する場面があり、アメリカが民進党に不満を言ったといううわさがあるが。

A.外交の本質は、国内政治の延長ではなく、友達作りや他人と仲良くするということだ。不理解を理解に変え、誤解していた人を友人に変えるのであって、私は国内の政党間の競争を海外に持っていくことはしない。私が必要としているのは、努力して友人関係を結ぶことで、アメリカ各界に台湾の良き面を理解してもらうことである。国民党がもし台米関係の強化を希望するなら、民進党も同じことであり、これは台湾にとって良いことだ。特に、民進党は台湾で重要な政治の影響力があり、アメリカ側に民進党の存在意義と政策を理解させることができれば、台湾にとって大変良いことである。

Q.蘇主席はいつアメリカを訪問するか。駐米代表処の開所進捗状況は。

A.数日前に国際部の劉世忠主任が場所の実地確認を行ったほか、駐米連絡人のマイケル・フォンテと設置場所と人事の手配について深く話し合ったところだ。関連する仕事は進行中であり、蘇主席と意見交換を行ったところである。しかし、アメリカ大統領選挙が終わったばかりでもあり、多くの重要な役人もすぐには就任できないので、上院の聴聞プロセスを待たねばならない。民進党は、アメリカ国内の各種事情も考慮しなければならない。蘇主席の訪米と駐米代表処の設置という2つのことは同時に進行中であり、アメリカと蘇主席両方の都合が合うときに、主席のアメリカ訪問を手配し、民進党とアメリカの現在の関係が非常に良好であることをはっきりと人々に知らせることが出来ればと思う。 

Q.馬総統が任命した新しい駐米代表の金溥聰が、遅遅として着任しないことについてどう思うか。

A.外交にあたっては、外交の基本原則に基づかなければならない。人選がまだ相手の同意を得ていない時に、外部に勝手に発表してはいけない。これは外交上、避けるべき事態だ。しかしどのようであっても、馬総統自身が良く知る人物を派遣し、この人物がワシントンに熟知し、外交能力を駆使して、台米関係を密接にできるとすれば、それはよいことである。

Q.民進党が派遣する駐米代表のことは、アメリカ側の承認を得ているのか。

A.現在民進党国際部の劉世忠主任がAITに赴き、AIT の高官にこの件を説明している。民進党は、2000年以前にも駐米代表がいたが、代表は台湾を拠点にしながら、アメリカに頻繁に赴いていた。台湾に居て、アメリカに行くというのは慣例であって、特例ではない。今は政策会の仕事が主であるので、平均23ヶ月に一度アメリカに行くだろう。しかし将来は、党主席の命令や必要なときには、その都度アメリカに行くことになるだろう。


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