2013年3月15日金曜日

世界台湾人大会挨拶 蘇主席:長期的な安全確保に努力する



民主進歩党主席蘇貞昌は15日午前、世界台湾人大会と台湾国家聯盟主催の「経済の親中化に終止符を打ち、国家の安全を確保する」と題した世界台湾人大会の第12回年総会及び国内外国是会議に参加した。蘇主席は経済や国家安全において、馬政府の5年の執政路線は間違っており、台湾、日本、アメリカ、韓国などの民主国家が協力してこの地域の平和と繁栄の安全戦略を練り、台湾が国防力を引き続き強化していくことが重要である、との考えを強調した。

蘇主席は挨拶で、台湾は貿易が頼みの国家で、人々は経済に高い関心を注いでいるが、馬政府のこの5年の執政を振り返ると、馬総統の無能と経済についての考え方が間違っているために、一方では国家の主権が流失するに至り、台湾の前途に関心を寄せる人たちに極めて心配を与え、また一方では、世界経済の最新の動きについて行けないがため、台湾の状況は徐々に悪くなっている。その逆に、日本は安倍晋三首相が経済改革政策を打ち出して 二十数年来続く経済の低迷を救うことを宣言し、アメリカのオバマ大統領も連任後すぐにEU各国とFTAの締結に向けて動き出し、「Made in USA」を主体的な経済政策として力強く宣言した。世界各国がグローバルな考え方にたち、経済政策の強化を行っていることが分かるだろう。特に今年は世界経済が回復しているときで、台湾国民は、政府が先頭に立ちこの経済回復の波に乗っていけることを期待している。民進党は年初に「三四五」の経済指標を提出したが、これは、給料の3%の成長、失業率を4%以下にし、経済成長率を5%以上にすることである。執政者がこの良い機会を逃さないことを希望している、と述べた。

また、馬政府は国民の期待に応えられないだけでなく、経済が復興しなければ民進党の主席を処罰するという宣伝まで出す始末であり、執政者の経済の考え方が極端に間違っており、行動が不条理であることが分かるだろうと語った。

蘇主席は、馬政府の執政の考え方は全て中国を主体にしている。リスクは分散するべきだ、ということは誰でも知っているのに、馬政府はこういった初歩的な間違いを犯している。ECFAを例にとれば、馬政府は締結前には、ECFAを通じて多くの国家とFTAを結ぶことが出来ると、その効果について大きな宣伝を行ったが、結果ECFA締結から2年半たった今も、台湾は未だどの東アジアの国々とも締結を取り交わしていない。アメリカや日本も台湾とFTAを結んでいない。

主席は、馬政府執政のこの5年は、実質投資率は16.5%で、民進党執政時期の23.9%に遠く及ばない。注文を台湾で受け、生産を国外で行うという経済の形は、その国外のほとんどを中国に集中させている。在中台湾人の幹部とその家族は、200万人近い高い消費能力を持つグループとなっており、台湾の消費市場はこの恩恵を受けていない。このほか、2011年の在台外資資金は16.9億ドルで、世界各国の華僑の投資金額と比較すると、台湾は世界のワースト2であり、アフリカのアンゴラより上となっているだけである。「投資金額は減少し、市場が縮小して失業率の増加につながり、台湾人民の苦しみは言葉にできないものとなっている」と述べた。

「国家の安全の観点から言うと」、と蘇主席は前置きし、馬政府は中国との関係改善により、両国の平和が促進できると信じているが、この表面的な平和は国民にとってみれば、短期的には利益があるが、長期的には損失が多い、と述べた。そして、最近の東シナ海での争いを例にとってみても、馬政府は中国と台湾の両国が力を合わせて日本に対抗しているような、そんな国際的な印象を作っており、台湾、日本両国間の対立の情勢により、直接影響を受けているのが漁民の漁権である、と述べた。蘇主席は、民進党の訪問団が日本を訪れた際、尖閣諸島の主権は台湾に属すると再三強調したが、同時に地域の平和が両国の漁民にとって重要なことだとも強調したとし、「迅速に漁権の問題を解決し、第3国家勢力を介入させない」 ことが、長い目で見て、東シナ海地域の長期安定を維持することとなり、これは台湾、日本、アメリカ、韓国など4つの国が皆民主、自由、人権などの価値を認識していることを頼りとしており、「非民主国家が介入し、緊張情勢を高めることは、民主国家の国民は全く受け入れられないことだ」、と述べた。

蘇主席は、国防能力を発展させる重要性を強調し、自由はただではない、台湾の人々は自由の代価を理解して、自分のために力を出さねばいけない、と述べた。台湾は自衛防衛能力を備えた国家となり、国防予算を確実に執行し、武器技術の研究を行い、外交停戦のために国防武力の維持発展が遅れるようなことがあってはいけない。長期的な台湾の人々の安全はこうして確保できるのである、と述べた。


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