2014年7月21日月曜日

民進党第十六期第1回全国代表者大会 蔡英文主席挨拶全文


民主進歩党は20日、第十六期第1回全国党員代表大会を開催した。民進党蔡英文主席の開幕挨拶全文は以下の通り

 

蘇主席、謝主席、ご来賓の皆様、党の代表、党の皆さん、こんにちは。

我々は一つの政党であり、我々がやらねばならないことは政治であります。

政治とは何でしょうか?政治に携わって以来、私は常にこのことを自問してきました。数日前、ある映画の中で聞いた一つのセリフが印象深く心に残りました。それは、政治とは、国家の現状に力強く対応する、ということです。

台湾がまさに困難な時、国家の現状と人々の不満の高まりに対して、政府、現在の執政者は、何の対応も出来ないばかりか、民意と対立する選択をとることさえあるのです。

今日は大変重要な時であり、民主進歩党は全国代表者大会を開催し、ここで宣言します。人々はこれ以上もう我慢できません。変わるときが来たのです。我々は地方統治の力でもって、台湾の人々の生活を変えるのです。我々は地方統治の成果で、人々の政治に対する信頼を取り戻すのです。

我々はあらゆる努力をし、過去6年来国民党の政権下で活気が失われた台湾を改革の道へ導きだすのです。この改革の道は、民進党が政権に復帰する道でもあります。

国家の現状に何の対応も出来ないこの政府に失望している人々に伝えます。改革の時が来たのです。人々はより良い生活を過ごすべきであり、一層効率的で能力のある政府を持つべきなのです。2014年の台湾は改変の台湾です。我々は執政者に警告と教訓を与え、台湾に新しいスタートのチャンスを与えるのです。

今日、我々は短い言葉で現在の心情を形容することができます。それは「慎重に、薄氷を踏むがごとし」です。私は、この党のリーダーとして、この上なく光栄であると同時に大変重い責任を感じています。

私は、今日ここにいる党員の皆さんが、勝利が民進党のものになることを期待しているのをわかっています。民進党は勝ちたければ、価値で人々に受け入れてもらう必要があります。人々の一票は、人を選んだのではなく、価値を選んだのです。民進党の価値がもし人々に受け入れられなければ、本当の勝利を得ることにはなりません。

我々の勝利は価値の勝利、理念の勝利でなければなりません。我々の勝利は、相手の統治が失敗しているから得られたものであってはなりません。

もし我々の勝利が国民党執政の失敗によってもたらされただけのものであれば、そのような勝利は単に短期的に実現しただけのものです。このような一時的な勝利は、台湾を変えたり、台湾を危機から救い出したりすることに、何の役にも立たないのです。

我々の国家はまさに今までにない挑戦に臨んでいますが、経済が全体的な戦略がなく、力が失われています。我々の憲政制度が機能しておらず、民意を反映できていません。両岸関係が特定の人々に独占され、透明性に欠けています。我々の世代の正義が目標を見失い、人々は未来に希望がないと感じています。

国家の危機が切迫すればするほど、我々の責任は一層重くなります。人々の期待がより高くなるほど、我々の態度はより慎重でなければなりません。 

もし政治が国家の現状に力強く対応するならば、我々は、政治に携わる者として、他の人よりもいっそう多くの責任と使命を持ち、国家の現状を理解し、人々が関心を持っている問題を理解するべきであります。

人々の関心は、何でしょうか?

人々の関心は生活に関わることです。驚くほど高い不動産価格、物価の高騰、上がらない賃金、それらは人々が一番不満に思っていることです。

人々の関心は教育の問題です。強引に実施され、争議を引き起こしている十二年国民基本教育政策、子どもたちはどうすればよいかわからなくなりました。

人々の関心は社会福祉のことです。中流家庭にとっては、老人や子供の世話をする困難と高い物価を考えたときに、一体政府はどこにあるのか、と尋ねたくなります。

人々の関心は食の安全の問題です。一体何を食べれば安全だというのでしょう?偽装食品を売って金儲けをする人が、なぜ法的制裁を受けずにいられるのでしょうか?

人々にとって切実なこれらの問題について、国民党政府は明らかに無能であり、人々の不満を解決する能力がないために、様々な危機が繰り返されていくのです。それは人々が政府の施政能力に対して失望する原因となっています。これこそ、国家の現状に力強く対応できない政府なのです。

政府が機能していない状態で、人々のあらゆる不満が噴出しているとき、総統はいったい何をしているのでしょうか?

馬総統は政争にあって自己の権力固めに忙しく、両岸関係において名ばかりの歴史の名声を追い求めています。野党批判に忙しく、国民党と民進党の対立をあおることによって、今にも落ちそうな自分を持ちなおそうとしています。馬総統の政権下にあって、人々の政治に対する信頼は失われ、将来への期待も失われているのです。

政治が腐敗しているので、誰に投票しても同じだと考える人もいます。しかし皆さんに伝えたいことは、それは間違った考えだということです。

我々が政治界に入った時の初心を振り返ると、なぜ政党政治において比較的資金と資源に乏しい民主進歩党を選んだのでしょう?

それはこの政党が理想を持っているからであり、この政党の結党精神には、台湾の政治を変えたいという初心があるからです。

我々は価値を持っており、国家の発展に美しいビジョンを抱いています。人々に素晴らしい未来があるよう願い、我々は政治の世界に入ったのです。多くの仲間が、こうした政治に携わる初心を持っているからこそ、民主進歩党は一つの理想を持つ政党なのです。

歴史を振り返ると、民主進歩党はこの国家の将来に対して、多くのビジョンある政策を提出してきました。これらの政策を最初に提案した時には、我々は少数でしたが、時間の経過とともに、現在これらの主張は、全て社会の主流となっています。そして、時代の変遷とともに、我々の主張は進歩し、新しいものを作り出しているのです。

我々は最も早く福祉国家の概念を打ち立てた政党であります。我々は野党の時に補助金の制度を推進し、政権時には年金制度を作りました。現在はより普遍的なの制度を計画しようとしており、台湾が福祉国家へ邁進するよう推し進めています。

我々は「脱原発国家」を主張し続けている政党です。反原発を主張する人がまだ少数だった時代、我々は脱原発を党綱に入れ、2010年には具体的に「2025脱原発国家」の具体的なスケジュールを立てました。現在、脱原発は既にこの社会の主流な声となっています。

我々は台湾優先を堅持し、本土価値を持つ政党です。台湾意識がまだ禁忌とされていた代に、我々は台湾の前途は全台湾人によって決定されると主張しました。時代の変遷に沿って、我々は1999年の「台湾前途決議文」において、台湾、中華民国は、主権独立国家であると定義しました。現状を変える可能性のあるどのような決定も、2300万の台湾人の共同の決定を経なければいけない、としたのです。この主張は、今日の台湾社会において、最も大きなコンセンサスになっているものです。

未来に目を向けると、我々がこの国家の困難な状況に対して、先ずは自分自身からスタートし、反省し、改革をしなければなりません。

よって、我々は全面的に民進党の門を開き、民進党を社会に向かわせ、社会に民進党を理解してもらうのです。党の人事については、シンクタンクの新董事長のリストに、我々は社会の多元的な声を入れ、民進党の改革の決心を表しました。

公民参加を実現させるため、我々はリアルの世界でもネットの世界でも、既に多くの公の討論を展開しています。我々は民進党デジタル党部計画のDPP on Lineの企画を引き続き進めています。人々が、民進党の発展に対して自分の意見や見方を提起できるようにさせ、同時に民進党から説明を求めることができます。このシステムは我々に対して、民進党に対する人々の期待に、常に応えていかなければならないということを思い起こさせてくれます。

同時に、党内の改革も続いています。全部の仕事を党の若い世代に引き継いでいく準備も始めています。我々は改革を検討し、若い幹部を多く起用し、若い人にチャンスを与えます。我々は台湾のこの難しい仕事で「成功を自分のものにしない。功績を求めない」の精神に基づき、積極的に「野党の連携」を推進し、この改革が、多元化、若返り化、活気化において、民進党にプラスの影響をもたらしてくれることを願います。

若者にもっと政治活動へ参加してもらえるように、我々は「民主若手育成プラン」を進め、若い人に里長選挙へ出馬し、自分たちの故郷を変えることを勧めていきます。同時に、「青年議会計画」を提出し、より多くの公共的な討論の機会において、次の世代台湾の政治、社会を引き継ぐ人たちを養成していきます。

政策討論においては、民進党は更に強く、人々の国家に対する不安に対応していきます。「公民経済会議」と「公民憲政会議」において、我々は長い間研究してきた「経済発展の新モデル」と、憲政改造と改革の主張を社会と全面的に討論をしていきます。我々は、民進党が公民社会とともに、台湾を改変するという困難な任務について、みんなが納得する主張を打ち出していきます。   

民進党は変化の最中であり、我々は民進党が一層能力と活力を備えていき、積極的に,人々の不安や心配を見つけ出していくだけでなく、自分たちを変え、一層民意に近づいていくことを希望しています。我々は国家の問題を知り、改変していく中で絶え間なく自己の知識を増やしていき、この国家の危機に対応していくのです。

「清廉で政治に勤しみ 改革を行う」、は今回の全国代表者大会のテーマです。このテーマは重い教訓です。我々は常に、「慎んで、薄氷を踏むがごとし」の気持ちで目の前の挑戦にむかっているか、我々のやっていることを胸を張って言えるのか、ということを、このテーマは思い起こさせてくれるものです。

このテーマは、社会の我々に対する最も基本的な期待であり、我々が自分自身に持つ基準でもあります。もしこの言葉から一層遠のくようなことがあれば、我々は人々の支持を失ってしまうのです。

よって、民進党は人々に改革を約束するだけでなく、今から我々は全力で改革をスタートさせ、積極的に国家の現況に対応し、2014年の選挙によって、台湾を変える政治をスタートさせるのです。

我々の価値を堅持し、柔軟に前進し、台湾を改革へと導いていきましょう。この道は、民進党が政権を執る路でもあります。我々はともに努力し、ともに大きく前進し、一緒にこの偉大な改革の志を成し遂げていきましょう。皆さん私とともに一緒に頑張りましょう。有り難うございました。

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