2015年1月26日月曜日

困難な国際経済貿易環境と向き合う 蔡英文主席:価値とイノベーションを競争力の源にし、経済の実力を強化して交渉に備える


民主進歩党の蔡英文主席は26日午前、「新世紀WTO国際商取引法人材育成講座」の始業式に出席し、挨拶で、国際法や国際商取引法の領域では既に台湾の世代伝承がみられており、皆さんが立派な経済貿易の交渉人となることを期待する、述べた。また、台湾は難しい国際経済環境下にあるが、WTOが台湾の環境改善に一定の貢献をしており、台湾は価値とイノベーションを競争力の源とし、国内全体の経済ガバナンスを強化する必要がある、との考えを示した。 蔡主席は、交渉は国際経済と貿易の分野では揉め事を解決する最も重要な原則であり、不断なく対話と交渉を続ける中でも、透明化は確保されなければならない。特にWTOの交渉は産業の意思疎通であり、部会を超えるものや、直接の交渉もあれば、裏での交渉もある。何れにしても、毎回の交渉終了後には、対外的な説明が必要であり、交渉の信頼度と人々の支持を確保していかなくてはならない。社会に対して隠さず説明をすることは、どのような交渉でも守るべきルールである。交渉は忍耐と気力が必要であり、いつもオープンな態度を保つこと、観察、コミュニケーションに長けること、国際間の政治問題と国際経済に対する重要な理解が必要である、と述べた。

蔡主席は、西暦2000年が過ぎた後、国際貿易体系が変化し始め、地政学的な要因が加わって、国際交渉は政治配慮を伴った地域性もしくは双方のFTAに向かう傾向がみられている。どの国とあるいはどういった複数の国々とFTAを結ぶかということは、経済上理性的な考慮がなされるほか、政治的な考慮があるのも常である。蔡主席は、台湾は外国と経済貿易で繋がる必要があるが、国際間では政治的に難しい立場にあり、2000年以後台湾の国際経済と貿易は困難な挑戦に直面してきた。特に国際政治の様々な考慮において、のけもの扱いされるという圧力のある状態で、台湾がどのように国際貿易で活躍のチャンスを獲得するか、ということはこの世代の台湾人にとって最も重要な問題である、と述べた。

蔡主席は、必ずしもWTOが台湾に代わって国際経済と貿易上の難しい問題を解決してくれるわけではないが、しかし一定程度は、台湾にのしかかっている圧力軽減の助けとなっている。国際貿易交渉に最も肝心なことは、経済と貿易の実力があるかどうかということであり、もし実力があれば、政治の干渉を最低元にまで引き下げることができる。もし経済と貿易の実力が十分でなければ、政治の影響が大きくなり、国家は政治の力に左右されてしまう。蔡主席は、経済貿易の実力は国内経済全体の成長をあげることからついてくるものと考えているので、台湾は前世紀の経済発展モデルが今世紀でもまだ通用するかどうか検討しなければいけない、との考えを示した。

蔡主席は、もし台湾が価値を競争力の源とするのであれば、関税の差別待遇による悩みやトラブルから免れることができるだろうとし、2000年以前の台湾の経済発展のモデルはコストを最優先にしているが、WTOで重視しているのは関税の減免であり、関税とコストのしくみは直接関連があるものである。もし輸出の主な競争源がコストにあるなら、この種の国際貿易情勢は台湾にとって非常に不利であり、台湾をこのような困難な状況に陥らせるものである。台湾の経済はコストでなく、価値とイノベーションを商品の競争力の源にするべきである。そうでなければ、関税にまつわる競争に陥り続け、これは台湾にとって非常に不利なことである。過去のWTOの交渉では、皆は辺境問題について話し合い、国内の監督管理システムについては話をしていなかった。なぜなら監督管理システムは伝統的にWTOで話すことではなく、国家の経済を管理する主権に属しているからである。よって、WTO交渉の範囲ではなかった。しかし、今日監督管理システムは常に国際貿易の交渉持ち込まれ、一つの国家の内部経済管理の主導権が既に国際貿易交渉の影響を受けている。これは非常に大事なことである。WTOは国内の経済ガバナンスに影響を及ぼすのであり、これは非常に重要で注意しなくてはならない事柄だ、と述べた。

蔡主席は、国際経済環境と規範、価値は変化し続けており、台湾は既に20世紀の小国の友好的な国際貿易の経済環境にあるのではなく、台湾が現在面しているのは一層難しい環境であり、必要なのは、交渉できる人材と、透明な交渉システム、更に有効な国家経済ガバナンスなのである、との考えを示した。

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