2015年11月13日金曜日

蔡英文 スマート機械イノベーション産業計画政策発表記者会見挨拶全文


民主進歩党主席で総統候補者の蔡英文は13日、台中市長林佳龍、蔡英文選挙対策本部政策執行長張景森、前中鋼董事長江耀宗、旭東機械董事長莊添財、程泰機械副總経理楊慶豐、全微精密董事長莊勝雄、德大機械董事長黃耀德、鼎新電腦台灣東南亞區事業群營運長張進聰らとともに、「五大イノベーション研究開発計画の五:スマート機械の街」政策発表記者会見に出席した。蔡主席は先ず、旭東機械董事長莊添財の案内で、工場構内の施設と研究開発の成果を見学し、スマート機械の発展の可能性や、関連産業のニーズと問題点を理解した。その後、スマート機械の街チームの顧問である呂曜志の報告を聞いたあと、蔡主席は正式に政策を発表し、メディアの質問に答えた。

蔡英文主席の政策発表全文は以下の通り

今日の主催者である莊董事長、台中市の林佳龍市長、台中の皆さん、そして顧問の皆さんがこのように素晴らしい報告をしてくれたことに、感謝をしています。メディアの皆さんも、おはようございます。今日は台中に来ることが出来て嬉しく思っています。今日の主催者である莊董事長が、直接産業界の皆さんと機械産業の発展について意見交換をする場を提供して下さったことに、感謝します。この機会に私たちの新しい産業計画についてお話したいと思います。

少し前に、我々は自然エネルギー、アジアシリコンバレー、バイオテクノロジー、国防産業の4つの項目のイノベーション研究開発計画を提案しました。
この4つの産業は樹木の枝葉のようです。今日は皆さんに5つ目の項目である機械産業、つまり木の根っこの部分について説明します。根の栄養が十分で、地面にしっかりとついていれば、実を結ぶことができます。
どの時代も機械産業が必要でした。どの業種の商品も、製造過程の精度と安定度を上げていくことで、競争力を保つことができます。張り合わせ設備の良し悪しがパネルの品質に影響し、スクリューの良し悪しは植え込み型の医療機器の加工の精密度に影響します。よって、機械産業の発展のレベルは、国家の工業生産能力の指標ともなるのです。

次の段階では、台湾は航空宇宙産業、潜水艦、精密医療、精密医療機器、モノのインターネットなどの領域に全力で取り組みます。それらはみな、しっかりとした機械産業のサポートが必要です。また、台湾の機械産業の潜在的な力は、モノのインターネットのサプライチェーンと結びつき、スマート生産やスマートロボットの応用、つまり工業4.0の市場に進出することが可能となるのです。しかし、台湾の機械産業は現在挑戦に立ち向かっています。これについては、民進党が政権復帰後、産業界と一緒に対応していきたいと考えています。

輸出市場では、台湾の機械産業はレッドサプライチェーンの脅威に遭遇しています。価格競争に完全に陥っている市場を前に、我々はグレードアップする速度をあげて、パーツと機器ごとの品質向上につとめるほか、一つの工場をつくり上げる能力も向上させていかなければなりません。

国内市場では、現在国内の高級商品の製造は、依然として多くを輸入した設備に頼っています。国産の機械設備と工具は、もし精密度と安定性を高めることが出来れば、台湾内部で非常に大きなマーケットがあります。よって、海外市場の輸出拡大にせよ、国内市場での国産機械の使用率向上にせよ、我々がしなければいけないことは、機械産業のグレードアップであり、ファームウェアコントローラー設計の能力を強め、「スマート機械」の発展に向かっていくということです。

彰化、南投を含む大台中地域は、板金、鋳造などの金属加工:スライド、スクリュー、コントローラーなどの要となるパーツ、及び機械全体の設計製造、川上川下産業サプライチェーンが、既に完全な産業集積地となっています。関連する産業で働いている人は16万人以上になります。

民進党の政権復帰後、我々は大台中をベースに、法人、政府、研究機関と企業をリンクさせ、産業発展により適した環境を作り出します。最終的な目標は、この地方をスマート機械の街にすることです。スマート機械の街は国家レベルの戦略計画の一つです。この計画の内容は、先ほどの報告でだいたい説明されました。将来、地方政府と中央部会が、専門の会議を成立させ、中部地区に状態的なチームを作ります。土地の取得、人材養成、見本市とセールス、技術研究開発、重要な技術の国際協力と企業の合併買収などにおいて、全力で産業を支持していきます。

最後にもう一度言いますが、今日まで、我々は「五大イノベーション研究開発計画」の全てを発表しました。自然エネルギー、アジアシリコンバレー、バイオテクノロジー、国防産業、そして今日発表したスマート機械です。我々の産業発展戦略の考え方とやり方は、過去とは大きく異なっています。

一つ目の違いは、我々はもう、単に工業区やサイエンスパークなどで企業を呼
び込むようなやり方はしません。将来、我々は更に産業の『イノベーションと
研究開発』を一つの場所に集めることを推進し、川上・川下産業チェーンの完
全性や産業の全体的な規模を重視し、産業と地元の研究開発機構との連携や、
産業と地元の学校が協力して人材育成を進めていくことを重視して、一つ一つ
完全な成熟した産業集積地を作り出していきます。

二つ目の異なる点は、我々はこれらのイノベーション研究開発計画を策定する時、地域のバランスに注意しなければなりません。台湾の各地域に、ある程度の規模の産業集積地を作りたいと考えています。そして、各地域の産業発展に必要な資源-水、電気、土地、人、及び環境保護のニーズまでを、全体的な考え方に入れ込んでいきながら、資源を最も有効な形で運用しなければなりません。将来の政府は、専門のチームを作り、企業の困難を解決する手助けをしていきたいと考えています。

三つ目の異なる点は、この五つの戦略産業を制定したことで、これらが「ステージ」のように人々に注目される効果を発揮することを期待しています。この計画で、中央、地方のエネルギーを合わせて、中央の各部会のエネルギーや地方地域統治の力を合わせていき、地域内の資源を共有することができます。こうすることで、皆が協力しあうようになり、限りある資源が最も効率的に使われるようになるのです。

私には「焚き火理論」という考え方があります。もし薪を一本一本燃やせば、火は燃え盛りません。もし資源を分散してしまえば、エネルギーはありません。馬政府の多くの経済政策は、花火の打ち上げのようなものでした。しかし我々がもし薪を積み上げて火をつければ、その火は燃え盛ります。このようなやり方、これがつまり焚き火方式です。一本一本燃やすのではありません。我々の五大計画は焚き火のやり方でもって、火をつけると、産業が強大強靭なエネルギーを出していくことを期待するものです。

最後に異なる点は、国際的なリンクです。それが資本、技術研究開発、人材、市場であれ、我々は関連の領域において、我々よりも進歩している国々と産業集積地との協力を模索し、国際競争力を高め、台湾の戦略産業を国際的なステージに押し上げていくのです。

皆さんも、先ほどのスマート機械のレポートを聞いたあと、この計画では多くの欧州国家や日本、アメリカと技術や共同研究での可能性も追求していくということを感じてもらえたと思います。台湾の人口と資源は限られています。産業の生産力を高める事に専心することで、他の工業大国、先進大国と肩を並べられるのです。我々の技術を基礎として、産業で国を発展させること。今日のこの計画は、一つの重要な宣言です。


ここで私は再度強調します。五大研究開発計画は地方政府と十分に話し合い、将来実行の際には地方政府と共同の戦略を持っていきます。今回のスマート機械の街計画について、我々は台中市政府に感謝を表明します。特に、林佳龍市長は、台中産業の発展についての深い見解や経験をもっています。台中市政府は多大な力を投入し、将来この計画が実行されるときには、地方政府の大きな支持と最前線での協力の成果でもって、この計画は実行性を持ち、効果を更に発揮することができるでしょう。よって、我々は台中市政府がこの計画に大変大きな力をいれてくれることに、感謝を示したいと思います。ありがとうございます。

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